FC2ブログ
Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
   来訪者数: since 2004/12/2...  現在人が見てます
仮面ライダーカブト・18
 仮面ライダーは元々、「顔に浮き出る手術痕を隠すために仮面をかぶっている」という設定だったという話を聞いたことがあります。この話の中にも「人ならざる者の悲哀を隠しつつ戦うヒーロー」という石ノ森ヒーローのお約束が強く息づいていることを感じるのですよ。醜い顔の傷は、心の奥底に隠した悲しみの証。もう人間には戻れないその身を削って、人間のためにこそ戦うヒーロー。痺れるじゃあないですか。

 さて、「カブト」に関してはライダーたちは全て「生身の人間」。従って、「人ならざる者の悲哀」は、天道たちは持ちたくとも持ちようがないんですよね。だから本作はそこから離れて、異なる魅力を描き出そうとしているのだろう、と私は思ってきました。その予想は、15を見た時にいい意味で裏切られたわけですが…今回はそれを遙かに上回るものを見せて頂きました。ええ、個人的に「名作」と呼んで何の悔いもありません。大絶賛でした。
 この18では最初から「ゴンへの思いから自ら進んで動く風間」を描いており、言ってみれば「直球勝負」の展開だったわけです。これだけでも涙もろい私には十分なインパクトがあったわけですが、終盤のバトル以降に込められた思いと、それを象徴した数々の仕掛けには唸らされっぱなしでした。拾いたいモチーフが数多くある中、既に3週間も前の話でもありますし、細かい部分は涙を飲んで捨象し、今回は冒頭でも述べた「仮面の意味」を中心に書いてみたいと思います。


~~~


 元祖ライダーでは「顔の傷」を隠すために必要だったマスク。そしてそれが「人ならざる者の悲哀を隠す」という象徴的な意味も併せ持っているのは既に触れた通りです。このように、ライダーの素顔を隠す「仮面」は、単なる戦闘用コスチュームの一部ではなく、何かを隠すためにこそ付けられているのだ、という解釈が可能です。

 その視点でカブトの既出ライダー3名を検証してみましょう。まず主役たるカブト。彼は我が道を行くためにこそ「自分の正体」を隠すために仮面をかぶっているものと解釈できます。「私の正体?それは言えない、悪しからず!」とは月光仮面の名セリフですが(おっさん、年ナンボじゃ>自分)、正体を隠すための仮面はヒーローものの王道ですね。その割には天道、あまり自分がカブトであることを隠すためにあくせくしていないように見えるのですが、それでも隠すべきはきっちりと隠しているようです(一説には、あれでカブトの正体がわかっていない影山達の方がおかしいのだという意見もありますが…ま、ええやないですか)。

 次に、二人目のライダーたるザビー。彼は少なくとも18までの何週間かですっかりと悪役が定着してしまいましたので、この時点では「己の醜い『我』を隠すための仮面」と解釈できます。表ではパーフェクトハーモニーを謳いながらも、そのために切り捨てるべきは切り捨て、裏切る必要があれば裏切り、大いなる目標のためには悪事すら厭わない…そんな醜い内面を、ヒーローの仮面で隠した存在と思ってみれば、カブトとの対立は避けられないことであると納得できましょう。

 そして最後に、三人目のライダーにしてこの18話の主役格、ドレイクはどうでしょう。彼については、この回を見るまでその評価が全く定まらなかったのですが、ここに来て急転直下で一気に評価が決まりました。なんだよ、すんごくいいヤツじゃん?!今までの「気まぐれな風」とか言って勝手を決め込んでいた、あのわがままキャラはどこに行ったんだ?!そう、彼は、人間くさくて直視するのがちょっと恥ずかしい自分自身を隠すために、仮面をかぶっていたのではないでしょうか?彼が化粧師であることさえ、そのことと微妙に重なる気さえしてきます。人の醜いところを隠し、美のみを際だたせる化粧という行為、そしてその仕上げに彼が並べる美辞麗句。それらは相手のみならず、実は自分自身の本心も隠す作業に他ならなかったのではないでしょうか?

~~~

 そんな彼が唯一美辞麗句で取り繕うことを要さなかった女性がゴンでした。しかし彼はゴンに対しても、「自分の優しさ」は隠そうとしたんですよね。してみると、あの「風のように気ままに」という性質そのものが、実はそうではない自分を隠すためのポーズを含んでいたんではないか、という疑念が出てきます。つまり、彼は文字通り気まぐれのみで行動するわけではなく、どうしても隠したい、そしてどうしても譲れない一線が存在するのだろう、と。

 その一線を…ゴンを奪われた風間は、カブトに対しては仮面をかぶり続けるものの、ゴンに対しては完全に仮面をかぶることをやめました。形振り構わず行動し、本心を吐露する風間。そんな姿を見せられて、心の動かぬはずがないじゃないですか。でも、その姿はまだホンのさわりだったのよね。後半、いよいよゴンの母親と落ち合う段になって現れたワーム。そのワームから親子を救うために彼はドレイクに変身するわけですが…ナンだあの絶妙な間は!ショットを打ちながら、次第に「生の表情」を仮面の後ろに隠していく風間の姿が、オレには「別れの涙を見せまいと三度、本心を隠すために仮面をかぶろうとしている」ように見えたのですよ!あぅ~風間よ~、お前のこと、今まで結構ひどい言い方してきたけどよ~、いい男だよ、お前っ!(涙)そして、ついに自ら良かれと思って離してしまう、ゴンと風間の「絆」たる手と手。なんつー破壊力のある映像か?!たまんないっすよもー!!←あまりのことにトドロー化

 その後の「言葉に出さずとも通じている天道と風間」の連係バトルとかね、クロックアップした時間の中で、ゴンには悟られずにその涙を持ち帰るとことかね、最後にはともに過ごした記憶が無くなったことを知ってゴンにも他の女性と同じ存在として接することにした風間とかね、いいとこてんこ盛りでした。拍手喝采。毎週ではなくとも、時たまこういうお話が見られるので、まだついていこうかなと思っています。
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
■関連記事~
 ダリフラ 第15話「比翼の鳥」 (2018/05/04)
 三十之巻レビュー~ぶちゃむくれバージョン (2005/09/05)
 仮面ライダーカブト・12 (2006/04/18)
 ハルヒページ・消失中 (2009/12/20)
 Free! -Eternal Summer-、めちゃくちゃ面白ぇじゃねぇか! (2014/09/07)
 Re:キューティーハニー 人の巻 (2007/11/03)
 仮面ライダー響鬼 四十七之巻「語る背中」 (2006/01/16)
コメント
この記事へのコメント
今、語る件ではナイケド
(本来ハルヒより先にコッチをカキコすべきでしたが…)

「ライダーとメタルヒーローの違いって?」と問われて自分なりに出す答が有ります。


ライダーに付いては、事件等により強大な力を与えられたが、その力は自らが願って欲しがった力ではなく、人間でなくなってしまった事への悲しみ、と言う点が特出されているのでは?と。

「その力が有れば世界を自分の意のママに出来る」
マジンガーZ(漫画版)の様に本人の意志で人々にとって、神には悪魔にもなれる訳ですが、ライダー達は「自分の様な悲しい目に逢う人をこれ以上増やしたくない」と言う選択を取ります。
2006/06/18(日) 21:02:09 | URL | えころ #-[ 編集]
真のヒーローとは類い稀な力を有する者ではなく、人々の自由を尊ぶ行為が出来る者で、真の人間とは姿形による物ではなく、自らの意志で物事を考え決める事が出来る生物、と伝わって来きます。
石森ヒーロー作品は何かしら、このテイストが伺えますね。


対して、メタルヒーローは人々の平和の為に働こうとしており、対抗手段として強大な力を手にし、振るいます。
それには資格(警察官など)が必要で有り、バックアップ的な面からもメタルヒーローのイメージは「集団」と言えます。
2006/06/18(日) 21:07:59 | URL | えころ #-[ 編集]
平成ライダーはメタルヒーローの延長上に有る為、ライダーと言えどもメタルヒーローの要素が含まれています。(見た目・玩具の件だけでなく、肉弾戦の意味を薄くしていたり、単車に乗らせる事に意味が有ったのに今は移動手段でしかない点とか)
「伝説は塗り替えられたか?」問われると「融合したのでは?」と答えてます。

(仮面につきましては、未だ自分なりの答が出せていません…)
2006/06/18(日) 21:19:01 | URL | えころ #-[ 編集]
ほほぉ~
なかなか面白く読ませて頂きましたよ。マジンガーのくだりなど、永井ワールドの欠片を思いがけず振り返ったりして、いい感じです。

メタルヒーローについてはかなり知識が浅いので、私自身は検証する術を持ちません。ですが、石ノ森ワールドに関しては頷ける部分が多々あるように感じました。こういう「個々の考察・認識」が、関連して出てくる作品の「断面図」と絶妙に絡む瞬間は、なかなか堪らないものがありますよね。

そんな瞬間に、またどこかで出会えることを願いつつ。
2006/06/19(月) 23:26:29 | URL | てりぃ #O8jQI81I[ 編集]
コメントを投稿する
※コメントについてのポリシーはこちらです。初めての方はご一読下さい。
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
※トラックバックについてのポリシーはこちらです。初めての方はご一読下さい。
https://terry.blog.fc2.com/tb.php/984-50a69da5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック