教授…あなたまでこんなに早く旅立たれなくてもいいじゃないですか…。

　NHK-FMで火曜日の夜に流れていた「坂本龍一のサウンドストリート」は、私の高校時代の音生活の羅針盤でした。北海道の片田舎で暮らしていた私にとって、毎週、教授の朴訥とした（そして時にはやたらとやんちゃな）語りとともに流し込まれる「様々なジャンルの音楽体験」は、きっと私の中を豊かにしたのだと思いますし、時には倒れそうになる私のことを支えてもくれていたのだと思います。もちろん、坂本さん自身が編まれた音楽も、幸宏さんのそれと同じくらい繰り返し聞きこみましたし、未だに決して手放すことのできない宝物のような曲たちがいくつもあります。もっと、もっとあなたの新曲に触れてみたかった…。

　ああ…でももう、教授はいないのか…。

　謹んで坂本龍一さんのご冥福をお祈りいたします。あなたがいない世界の中で、あなたのためにエピローグを聞きながら、あなたから受け取った私の中の何かをどうやって世に遺していくか、考え続けたいと思います。