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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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仮面ライダーカブト・15
 GWの傷もようやく癒え(傷ゥ?!)、いやいやの休日出勤も終えてフリーになったので、録画したまま放置されていた先週のカブトを今さらながらに見てみました。

 …いや。本当は多忙を言い訳にして見るのをためらっていた、という方が正しいでしょうな。3ライダーのバトルという燃える状況ではあるのですが、先週のレビューでも書いた通り、私は別なところが気になってのめり込めずにいましたので。ナンか期待できないような気がするよーって頭の片隅で警報が鳴っていたことは否定できません。

 そんな気持ちで見た15でしたが、あれっ?ちょっと面白いよ…?
 
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 手放しで誉めるワケじゃありませんが、あたしゃ今回の話はちょっと楽しかったですよ。悪く言われることの多い「井上敏樹」さんの脚本で、確かに一部にはそれっぽいところも散見はされたものの(メイクのシーンはやっぱしアレでナニですた(苦笑))、全体としてはなかなかどうして、捨てたもんじゃないですよ。少なくとも、同じく井上さんが担当した風間登場編~11と12とは比較にならないほどでした。彼の持ち味がいい方面に出たのだとすれば、これは私にとっては嬉しい発見です。

 特に、ここ何週か当て馬的な扱いになっていた加賀美が、血と涙の通った人間として存在を主張していたことが大きかったですな。やっぱオレ、彼の役柄とか演技とか好きなんですよ。やたら長かったアバンの前半では、ギスギスした関係を炸裂させるライダーバトルに悲しく溜息をついていた私ですが、悔し涙も拭わずに顔を上げて天道を睨んだ加賀美の姿を見せられて、それだけでグッと来てしまいましたよ。いやーイイものを見せてもらったっす。

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 その後の岬さんや親父との会話を聞いても、彼の悔しさは単に「裏切られたから」ってだけではないんですよね。力のある人間に追いつけず、利用されるだけでしかない無力な自分が嫌なわけで。そこで思い出されるのが、あの神懸かりな04で加賀美が吐いたセリフなわけです。「天道!オレはいつかお前を越えてみせる!」というアレですね。おお、ちゃんと一貫してるじゃないかと。

 以前、最終回近くの「響鬼」レビューの中で、石ノ森作品に多くみられるテーゼの一つに「人ならざる者の悲哀」がある、というお話をしたことがあります。このテーゼは今に至るまで数々の作品で変奏曲さながらに多くのアレンジを施され、正面から裏側から側面から、或いは遠くから近くから、時には薄くにじませたり他と重ねたりしながら語られ続けてきました。でも、カブトではライダーに変身するのは資格者という「人」なんですよね。人並み外れた強さを手にはしてますが、資格を失うとただの人です。これでは、「人ならざる者」とは呼べません。絡めるとすれば、ワーム側の何かを語るしかない。このテーゼを、或いはその変奏を、カブトという作品で語るつもりはないのかしら。そんな風に感じておりました(ま、響鬼だってそっち方面は濃く語らない傾向にあったから別に構わないのですけどね)。

 でもよく考えてみると、加賀美というキャラクターを通して語られているのは、「無力な人間であることの悲哀」です。これは、言ってみれば例のテーゼの裏返しではないですか。視点を変えて、真逆の関係にある別な悲哀を描こうとしているわけですよ。あえてヒーロー側に光を当てず、その横で悩み惑う凡人に光を当てているのです。もしこれが、カブトに仕込まれた大きなテーマの一つなのだとしたら、ある仮説が浮かび上がってきませんか?

「カブトという作品の主人公は天道や他のライダーではなく、
 実は『無力そのもの』の人間たちの方なのではないか」

 その代表格が加賀美新であり、岬であり、或いはひよりや樹花なわけです。そう思ってOPムービーを見直すと、怯えるひより、慟哭する加賀美、という美味しいモチーフが非常に印象的であるのに気付きます。これはやっぱ狙っているような気がするナーって、嬉しくなっちゃうじゃないですか。そんな加賀美を素直ではないやり方で一々気にかけ、「つくづく面白いヤツだ」と言う天道は、無力な人間をこそ救おうとしているヒーローと捉えることすら可能です。あっ、そこまで言っちゃうと、さすがにちょっと暴走気味???(汗)

 あんまり自己中心的に邪推を進めすぎると後でしっぺ返しを喰らいますから、この辺で止めておきましょう(苦笑)。でも、今回は私にとって、確かに良かったと断言できるところがあったんで、そのことだけで十分です。今回の天道の「油の中に一滴の涙もこぼしてはならない」というセリフ、それに続いて回想される涙を流す加賀美、そして天道の脳裏で油の中にポチャンと音を立てて落ちる涙、これら一連の言葉も演出も実に心憎いものでしたから。

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 十分に長くなったので、以下は短めに。

○被害者?被疑者?おいちゃんの描写
 いい味出してるよナー。最初のおでん屋シーンの酔っぱ具合も堂に入っていましたが、オペに臨んで往復ビンタによって別人のように変わるところとか、何度見直しても言葉に尽くせない味わいがあります。で、ただの脇役だろうに、なんだってこんなに濃くて美味しい描写になってるんだろうとか思って見てたらあーた、後半にセカンドインパクトが。

 ダブル・酔っぱオヤジ降臨!(爆笑)

 笑撃だっ!前半で演技の濃さに唸っていればこそ、後半のこれは真に骨身に染みるっ!あまり好みではなかったキャラ・風間のセリフまでもが「仲良く飲んでますけど…」「ギャグ…かましてますけど…」って一々可笑しかったです。

 どうやらこのおいちゃんの秘密は次回に持ち越しのようで、まだこの濃さを見られるのかと思うと嬉しくてたまりませんなー。双子?兄弟?それとも全員ワーム?ってな辺りの種明かしも含めて、期待して待ちたいと。


○やれば出来る子=ドレイク
 初クロックアップっ!ナンだよ、ちゃんとやればできるんじゃん!でもナンでお前ぜくとまいざー持ってンだよっ!とか、そういう細かい描写不足にはこの際目をつぶりましょう(多分岬さんが渡したんだろーとか、何とか説明可能なレベルだしね)。

 クロックアップ中にワームに向けて放った弾丸の数々が、クロックオーバーとともに集中砲火さながらに再炸裂する描写は、よぉく考えると何かオカシイ気はしますけど、これはこれとして楽しむのが吉でしょう。そういうトンデモな部分は今回が初めてというわけではないし、気にしすぎるともっと美味しいところを味わい損ねますからね。

 個人的には、今までにあったどの「ドレイク戦闘シーン」よりも燃えました。ようやく芯の通っている箇所を見つけたような、そんな感じ。

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 このあと更に乱入してきたシャドウの一団が場を盛り上げて幕となりましたが、この引きは実に見事でしたなー。ラストで普通に影山にもシャドウにも命令している天道はナニしてんだとか、シャドウの隊長格=ザビーじゃなかったのかとか、ナゾと疑問の絡み方が何とも絶妙。この辺を次回にうまぁく書いてくれれば、もう「惹きつけるだけの引き」とは呼ばれないんじゃないかしら?お願いしますね、いい子にして待ってますんで。
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テーマ:特撮 - ジャンル:サブカル

コメント
この記事へのコメント
「無力な人間であることの悲哀」

今期はライダーもウルトラマンも「ただ守られるだけの存在」にはなりたくないという人間の描写に力が入っているように思えます。

ところでてりぃさんはアギトはご覧になってました?アギトの氷川(=G3)は人間とライダーの間の存在として、効果的な描かれ方をしていたように思います。最終話(かその前)で、アンノウウンのNO.2に「お前はアギトではない」と相手にもされていなかったのに、予想外の力で一矢報いて驚かせ、「お前は何者だ?」に対して「ただの…人間だ!」と叫びます。僕が一番好きなシーンのひとつです。

今後、加賀見にどんな熱い展開が待っているのか、期待して待ちましょう!
2006/05/14(日) 15:19:21 | URL | kei #-[ 編集]
カブトとメビウス
高寺Pが「響鬼」で訴えたかったテーマは「癒されてばかりいないで一緒に闘おう」なんだそうですが「カブト」や「メビウス」にこそ、それが描かれているように感じます。
準主役の加賀美やアイハラ・リュウの方がキャラ的には典型的な主人公タイプというのも共通してますよね。
2006/05/15(月) 00:06:06 | URL | K-beat #dHmwmFLg[ 編集]
ヒーロー像
時代とともに変わるのがヒーロー像だとは思いながらも、それぞれ記念すべき年の作品「カブト」「メビウス」がともに人間の方にスポットを当てているのはとても興味深いですな。

>keiさん

アギトはほとんど見てないんですよ。G3を中心とした話運びが、自分はあまり好きになれなかった記憶があります。でも、最終回近くにそんなアツイ展開があったとは!機会があればその部分だけでも見てみたいものですね。

>K-beatさん

加賀美に関しては裏の主役ということでガチかなと私も思ってますが、アイハラの方はどうでしょうかね?というのも、まだ私4話までしか見れてないもので(涙)、その範囲ではまだまだ先を見てみないとわからないかなというのが正直な感想ですね。確かに、1話の構図ではミライとアイハラが対照的に描かれていたので、今後そういうトーンが強まってくる予感はありますけどね。

あと、申し上げにくいんですが、「響鬼では出来てなかった××が○○ではできている」という切り口は、さすがにちょっと辟易としてるんで、そろそろご勘弁頂けるとありがたいです。そういうお考えが世の中にあることを否定はしませんけども、その考えとあまりすり合わない人のところに来て毎週言い続ける必要もないと思うんですよ?毎回どうお答えしていいやら、と、こちらも結構困ってますんで、察して頂けたらと思います。
2006/05/15(月) 00:54:38 | URL | てりぃ #O8jQI81I[ 編集]
すみませんでした
不快に感じられるような書き方になってしまっていたならお詫びいたします。
私は響鬼に盛り込まれたテーマやユニークなアイディアをすごく気に入ってたんですよ。その分それらが活かされない方向に進んでしまった失望感をいまだに引きずってるんですよね。「癒されてないで闘おう」と訴えたかった番組が「まったりとした雰囲気に癒される」なんて真逆の評価を受けてしまうなんて悲喜劇ですよ。だから他の番組で同じようなテーマを描いていると「響鬼もこんな風になってたらなあ」なんて思ってしまうんです。
こちらに伺うようになったのも響鬼がきっかけだったので、つい響鬼の事が頭に浮かんであんな書き方になってしまいました。しかし、どうして響鬼ってこんなに気になるんでしょうね。
2006/05/15(月) 22:12:25 | URL | K-beat #dHmwmFLg[ 編集]
前へ
勝手申しましてすみません。

私自身にも「こうあって欲しかった」という時期が長くありましたので、例え方向性は違ってもK-beatさんのお気持ちは理解できると思っています。

ただ、今は「無念」は消化して前へ進もうと思って気持ちを切り替えているつもりなんです。そこでまだ「無念」の気持ちを記されてしまいますと、過去の自分を見ているような気持ちにさせられたり、振り払ったはずの無念を呼び覚まされるような妙な気持ちになったりするのでしょうね。

「実績」として世に出てしまったものは、どうやっても動かせないと思うんです。だから、私は過去を引きずるのは止めようと思いました。もう書くべきはその当時に書き尽くしましたし、同じことを繰り返していてもしょうがないですし。それよりは、前を向いて歩き始める方が自分自身にとってもいいことなんじゃないかと思ったんですよ。

私と同じ気持ちになって下さいとお願いするようなつもりはありません。ただ、そんな私の思いをちょっと気に留めていただけたら嬉しいです。
2006/05/18(木) 01:23:02 | URL | てりぃ #O8jQI81I[ 編集]
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