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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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フルメタル・パニック!IV 第11話「ストーミー・ナイト」
 ………宿題を片付けに参りました。

 「テン」で終わっちゃいけない、「マル」で終わらないと、ですかね。全く、他人事じゃないですねぇ…。

 そんなわけで、随分と時間がかかりましたが、フルメタル・パニック! Invisible Victoryの第11話のレビューをお届けします。時間がかかった割には薄めのレビューになると思いますが、よろしければお読みください。

 さて。

 7月の放映時には、第12話と併せての一気放映でしたから、色々なものを「あっ」という間に見終えてしまって、正直なところ考察とか味わうとかの余裕は無かったのです。自分の中のイメージを「2話セット」のところから、「第11話単体」にするためには、それなりに時間が必要でした。まあ、それがここまでレビューを書けずにいた言い訳にはできないのですがね…。
 
 今、改めてこのエピソードを単体で見ると、あれっと思う箇所があります。

 それは、サブタイトルの「ストーミー・ナイト」です。嵐の夜。いや、まあ、意味は分かります。実際、AパートからBパートに入るところでかなめと宗介に「嵐」というキーワードを言わせていますし、嵐の一夜の出来事である、という点で特におかしくはないのですが。

 おかしいのは、その後の描写です。BパートでAS同士のバトルが始まる頃には、画面上でも雨が降り注ぐ様が描かれていて、まさしく嵐の夜そのものなのですが…これ、あっさりと終わっちゃうんですよ。マオやクルツと合流して、あの懐かしい「いつでも「どこでも」「ロックンロール!」が聞けた後、少しするともう雨は止んじゃうんですよ。嵐の夜、と言いながら、雨の描写がなされるのは4分弱しかありません。何で?作画が大変だから?(爆)いやいや、そういう理由が無いとは言いませんが(残念ながら、今話も割と作画はギリギリです)、今話では、雨が収まって禍々しい赤い月が雲の向こうに見えるのを、わざわざ手間かけて描いているんですよ。制作が大変なだけなら、疎かにしてもいいような描写です。

 つまり、ですね。

 この「嵐の夜」というサブタイトルが、現実の天候のことだけを言っている、という風に解釈するのでは、作り手の意図を読み間違えるんじゃないか、と思うわけです。

 雨が止もうが、嵐の夜はまだ続いている、というのが、意図するところなんじゃないでしょうか。

 「嵐」は、人の日常や心を乱すものです。この夜、誰の、どんな心が乱されているのかを考えると、自ずと答えは見えてくるんじゃないでしょうか。


~~~


 その一人は、二転三転してなお足掻く、相良宗介だと思います。今話において、そのポジションが最も大きく動いているのが、主人公の宗介ですから。間違いなく彼は、この嵐の夜に翻弄される木の葉の一枚だと思います。

 Aパート冒頭では、並のチームであれば一人でも難なく片付けるほどに回復した宗介が描かれます。前回ラストではまだヒイコラ言っていましたから、格段の変化と言っていいと思います。

 ただそれは、未だ彼が「ワン・マン・フォース」でしかないことと、裏表の関係です。彼に背中を預けられる仲間は、まだいない。だからこそ、彼は「たった一人でチームを片付ける」んですよ。本当であれば、目的を一にする仲間とともに難局に当たり、目的を達成すべきなのです。しかし、残念ながらレモンたちは宗介が背中を預けるには、何もかも足りていないのです。

 Bパートに入った時、まだ彼は一人なんですね。しかし、そこでマオやクルツと再会して、彼の表情は明らかに安堵を示しています。そして、まるでその変化を映したように、収まる雨。そうやって読むと、変だなぁと思っていた描写が、一転して意味のあるものに思えてきますね。背中を預けられる仲間とようやく会えて、宗介は「ワン・マン・フォース」として孤軍奮闘するのではなく、チームの助けを得ながら前に進めるようになったわけです。

 ただし。

 嵐が来る前の真っ白な月とは打って変わって、雨が止んだ後の月は真っ赤に染まっています。血の赤か、危険信号の赤か…いずれにしても、宗介を取り巻く困難が、全て無くなったわけではない、ということなのでしょう。

 あとをマオたちに任せてかなめのところに肉薄しようとする宗介は、一見快進撃を続けているようで、思いの方が先走っているようにも見えます。そしてやはりというべきか、彼はトラップに引っかかり、貴重なASを失ってしまいます。包囲される宗介、そしてそこに現れたのは…!!

 …そういう作品の主人公だからしょうがないとは言え、なんつーか、不幸ですよねぇ、彼。ちゃんと報われてほしいもんだと思いますわ、ホントに。

 以上、「ストーミー・ナイト」のサブタイトルは、未だ運命に翻弄される宗介のことを描写するこの一話を表現したもの、ということでいいでしょうかね。いや、よくないんですよ。もう一つ、重要なパーツがあると思うんですよ。よく見ると、始まりと終わりを締めているのはむしろこちらの方で、実はこっちのテーマの方が重要な気もしてくるんです。


~~~


 今話のアバンは、第10話のラストシーンのダイジェストになっています。これも、「そこまで制作現場はひっ迫していたのか?!」って見てもいいんでしょうけど(実際、私は一回目の視聴ではそう思いました)、それにしちゃあ、何か中途半端なんですよ。前回のラストを丸々持ってきて、その分だけ他の作業を減らせばもっと楽ができたろうに(ミもフタもねぇなw)、何故だかいくつかの描写をカットして、単体で見ても流れが変にならない最低限のシーンにしてはめ込んでいます。

 何でこんなことしたんだろう。

 私には、Mr.カリウムとしてのカリーニンの転身について、今話でも今一度触れておきたかったのだ、という風にしか見えないんです。

 そして、ED直前の「今話のラストシーン」では、Mr.カリウムと宗介が対峙する様子が描かれて終わっています。

 …ひょっとして、今話って、カリーニンの話だったりもするんじゃないの?「嵐の夜」って、Mr.カリウム=カリーニンの内面をも表していたりして。

 そう思うと、いくつかの描写が大変胸に落ちるように描かれていることに気付くんです。




「待ったかな?Mr.カリウム」

「…いえ」

「初任務の感想は?」

「特には…
 鹵獲した機体は?」

「見ようか」

「……………」


 これは今話Aパート後半に入ってのレナードとMr.カリウムとの会話ですが…機体を見よう、とレナードが言うまで、Mr.カリウムは背を向けたままで、しかも画面上は「その表情が読み取れない」という風に徹底されています。これは、「視聴者にその思うところを読み取らせない」という表現であると同時に、「Mr.カリウムがレナードにその本心を見せていない」という意味も持つわけです。もちろん、

「…………用意周到だね」

「何か?」

「いや、これでいいよ。処分して」


 その直後の会話からも香るように、レナードだって自分の本心を見せていませんが。いやはや、大変な化かし合いです。

 話を戻しましょう。Mr.カリウムはこのように、自分の本心を明らかにしていません。「アマルガムに属する軍人になった」のが、一体何処まで彼の本意なのか、本心からこの組織に帰属しているのか…これでは全く分からない、というのが正しいと思います。

 もう一つ。この描写があったことで、アバンで見せていたあの「極悪非道」さながらのMr.カリウムの振る舞い自体が、怪しくなります。あれ、Mr.カリウム初仕事なんでしょ?ということは、Mr.カリウムが、本当にアマルガムという組織に心から従うつもりなのかどうか、試されていて当然なのですよ。それを推し量る為にこそ、初仕事は「元の仲間から切り札を奪う」任務だったのでしょう。そりゃあ、きっちり極悪非道にやり遂げなかったら、疑われるじゃあないですか。まあ、その犠牲になったハンターには気の毒と言う他ないですが…。



 そうして、カリーニンの本心らしきものが見えるのが、ラストの宗介との対峙です。

「そういうわけだ、相良宗介」

「本気か…?」

「………………」

「……私を止めて見せろ?」


 右手で高々と天を指さし、目を閉じて俯いたカリーニンが、宗介にだけ伝わるように動かした口元。

 いや、もう、痺れますねぇ。この「天を指しながら、顔は地面を向いている」という、彼にまつわるジレンマを表す構図と言い、「目を閉じ声を発せず、しかし心は語る」という粋しかない行動と言い、もうこのカットだけでご飯三杯は軽くいけますよ、ええ。

 原作は今のところベリー・メリー・クリスマスまでしか読んでいないので、あくまでただの推測ですが…カリーニンさん、やっぱし心まで堕ちてはいないんじゃないですかねぇ。こうせざるを得ない境遇に置かれて、嵐の夜のように荒れ狂っているのはカリーニンさんの心の中そのものだったりしないんでしょうか。そう思いたいのは、渋い親父キャラ大好きな私の贔屓目のせいなんでしょうか、それとも、やはり………。


~~~


 ED後。真っ赤な月~宗介が直面する困難の象徴~に向かって飛んでいくヘリの中で、次の一手が示されます。


「肯定です」



 宗介にとって最も信頼すべき相棒、アル。その懐かしい声だけでも、高ぶるものがあるじゃあないですか!

 宗介の困難の全てはまだ解決されないけれど、今この難局を乗り切り、次へ向かって進める兆しが見えるのは、すぐそこです。

 もう少しだけ、彼らの地獄に付き合いたいと思います。頑張れ、宗介。そして、頑張れ、オレ。(^^;;;
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