FC2ブログ
Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
   来訪者数: since 2004/12/2...  現在人が見てます
フルメタル・パニック!IV 第10話「前へ、前へ」
 フルメタル・パニック! Invisible Victoryの第10話を鑑賞しました。

 正直、今回はレビューを書きたくない気持ちです。

 一言で言えば、「無念」。これに尽きます。

 これまでで最も安定に欠けた作画の回は、第6話辺りだったろうと思います。しかし今回は、その水準を明らかに遥かに下回り、「何とか辛うじて動かしている」という体の絵作りがそこかしこに見られました。物語に没入するどころではない、というのが本当のところでした。

 作画水準の低下が良くないことにせよ、それだけで何もかも投げ出すほどではないのかもしれません。しかし、作画の質は、演出や描写力の質と、密接に関連します。せっかくの良い演出や、目指している描写があったとしても、作画の質が落ちることで、それらが表に出てこなくなってしまうのです。
 
 今回で言えば、「前へ、前へ」というサブタイトルが示す通り、八方ふさがりの状況の中でも、足掻いて何とか前を目指そうとするかなめ&宗介の姿がポイントとなるに違いないのですが…。辛うじて動いている彼らの姿から何かを掴み取るには、何もかもが足りていない感じがしてしまいます。

 絶望的な状況を突破してなおも前に進もう、という演出は、今シリーズでも既に描かれたことがあります。第4話の後半、敵ベヘモスを突破してメリダ島を脱出せんとするトゥアハー・デ・ダナンのシーンで、抉りこむように前に乗り出すテッサのアップが珠玉の出来でした。あれができるなら…と思ってしまうのは、ただの無いものねだりなのでしょうか。

 いや、まあ、XEBECの皆さんはヤマト2202との並行制作体制で大変らしいとも聞きますので、そこにムチ打つようなことを書くのもどうなんだ、とも思うのですが…。

 作品に罪は無い、と思います。無論、逼迫した制作体制の中で頑張っておられるスタッフの皆さんにも。願わくば、今少しのリソースを、この作品のために割いてはいただけないですかね、FMP!4体制の偉い人がた。




 もう一点、このシリーズで惜しいなと思っていることを。


 今回のシリーズは全12話、うち4話ずつを一区切りにして、長編1本ずつがそれに充てられているらしい、という話は序盤のレビューで書きました。そのうち、長編の一つ目~「つづくオン・マイ・オウン」を展開した4話は、奇跡的なバランスで構成された絶妙の出来栄えでした。しかし、その後の「燃えるワン・マン・フォース」はやや食い足りない部分が目立ちましたし、まだ半分しか見ていないラストの「つどうメイク・マイ・デイ」は、尺の短い中に収めねばならないために、9話のラストと10話の冒頭とに跨って「宗介を襲撃するアマルガム」のシーンを配置したり、10話ラストにギリギリでMr.カリウムのくだりを挿入したりと、苦しい構成が続いています。

 それの何が問題かって?いやぁ、こういう風に進行するとですね、一話を統一したテーマで括りづらくなるんですよ。「前へ、前へ」で統一したいところじゃないんですか、今回。睡眠も取れないくらいに心理的に辛い状況の中でも前を目指すテッサ、閉塞した環境の中でも萎えずに前を目指すかなめ、妙手が無い中でも自分自身の戦闘能力を取り戻そうと前へ前へ足掻く宗介、その辺がメインどころに違いないと思うのですが、それ以外の部分も詰め込まざるを得なくなって、その辺のテーマ性、薄くなってません?

 こうして見ると、長編一本に6話前後という、無印からTSRまでのペースくらいがやっぱり妥当なところなんじゃないか、と思わざるを得ないのです。いや、もう十数年も続編アニメ化の話が出なかった作品ですし、こうして続きが作られることだけでも喜ぶべきなのですが…せっかく作るのであればと、そう思う自分も止められません。

 ホントに、願わくば、もう少しのリソースをこの作品のために割いてはいただけないんでしょうか。絵が動いて声と音楽が付いてるだけで満足せよ、と?それではあまりに…あまりに!!




 作中の話を一つも書かないのではレビューとして落第ですので、最後に一つだけ、作中の演出について触れておきたいと思います。

 襲撃された宗介の部屋には、扉の上に十字架に張り付けされたイエスの像が、寝台横の壁には信者たちの受難を描いたような宗教画がかけられています。実在する絵画なのかどうかは、私はそっち方面の素養がからきしなので、全くわからないんですが…この絵画やイエスの像、印象に残るように何度も前面に出てくるんですよ。

 宗介は、審判の時を迎えているのではないか。

 彼が犯してきた罪が、今ここで清算されようとしているのではないか。

 或いは逆に、宗介が神に許されれば、まだ先の道があるのではないか。

 …そんな視聴者の思惑を他所に、宗介は何とか死線を切り抜け、生き延びるのですが…そこでその絵画は炎に焼かれてしまうのです。まるで、神などいない、審判も無いが救いも無い、とでも言うように。



 最後に、本当の最後になって、残るものは「我が身と自身の意思」だけです。


 宗介が、そしてかなめが、最後の最後に何を示すのか。残り二話、彼らの地獄に、今一度気を引き締めて付き合っていきたいと思います。
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
■関連記事~
 フルメタル・パニック!IV 第9話「堕ちた魔女」 (2018/06/29)
 …何とか、間に合わせました。 (2009/05/21)
 涼宮ハルヒの退屈 改めて (2009/05/21)
 オーズ 第44話「全員集合と完全復活と君の欲」 (2011/08/07)
 ヤマト2202第六章みおわた (2018/11/23)
 毎週木曜日はすんごくドキドキする…。 (2012/11/01)
 未来篇見てきましたが。 (2015/05/02)
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
※コメントについてのポリシーはこちらです。初めての方はご一読下さい。
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
※トラックバックについてのポリシーはこちらです。初めての方はご一読下さい。
https://terry.blog.fc2.com/tb.php/6962-9a76fdb8
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック