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Old Dancer's BLOG
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ダリフラ 第4話「フラップ・フラップ」
 ダーリン・イン・ザ・フランキスの第4話のレビューです。もうすっかり周回遅れ状態なので、今回も簡潔に。

 「パタパタ」という意味合いのサブタイトル。ようやく飛び始めた鳥~ヒロとゼロツーのこと、でしょうかね。もう二度と飛べなくなることと同義のお別れから、一転しての出撃まで、この辺のカタルシスが、激燃えポイントでしたね。

 ゼロツーは、その気になれば力づくでヒロを強奪して逃げていけるんではないかと、そういう風に見える部分もあるんですが、それを覆してしまう、弱弱しく見える部分が何点もあってなかなか。角をコツンとヒロに当てる仕草は、単純な所作としても、燃えるというよりは萌える部分ですが、この角は普通の人と違うという意味でゼロツーのアイデンティティと等価であり、人間とは異なるという点では自分の忌むべきパーツという意味合いもあって、それをヒロに受け入れてほしいという仕草になることで、自分自身を受け入れてほしい、自分の憎むべき部分も受け入れてほしいという意味になっていくのが、実に素晴らしい。咀嚼しがいのある、味のある描写です。

 お別れに言う「バイバイ」も、らしくないのがすごくいいですね。その気になれば力づくで奪って逃げられるのにそうせず、諦めの思いでお別れを言うだけなんだよ、あんな声音で。

 もう、柔い部分のあふれる、ただの女の子としてしか見れないじゃないのさ。

 そのことを十分に理解して、ゼロツーを救うために走るヒロがまたなかなか良いのですが、ここに一筋縄でいかない演出をかます辺り、いやぁ本作のスタッフも意地が悪いなと、ついついニヤリとさせられてしまいます。
 
 制限されている区域への移動を阻む、半透明のオートシールドを叩いて、無言でエージェントに付き従って去っていくゼロツーに向かって、思いの丈を吐き出すヒロのシーンがありますが。

 これ、明らかに、ダスティン・ホフマン主演の映画「卒業」のオマージュ、もしくは引用なわけですよ。

 いや、その映画、私は見たことないんですが(爆)。

 ただ、この映画をやはり引用した、別な作品は何度も繰り返し見てます。

 「劇場版うる星やつら オンリー・ユー」って言うんですがね。二作目のビューティフルドリーマーが神格化されすぎて、やや話題には上りにくいきらいのある作品ですが、この映画の後半のシーンに、「卒業」のオマージュが挿入されています。

 エルと言う女王と強制的に結婚させられそうになっているあたるを救いに、ラムがやってくるのですが、教会のスティンドグラス越しに「ダーリン」を呼ぶんですよ。半透明の仕切りを超えて、愛しい人を呼ぶシーン。ね、引用になってるでしょ?

 一筋縄でいかないのが、オマージュ元に対していくつかの「反転」が加えられている点です。反転自体は上記のうる星やつらにもあるんですが、それは「男女の立場の反転」という、そんなに深くないものなんですよ。しかし、今作の反転は非常にえげつないです。

 まず、「上下の位置関係」が逆になっています。原点の「卒業」にせよ、うる星やつらオンリー・ユーにせよ、花嫁(婿)を呼びに来る者は、高い位置から愛しい人を呼ぶのですが、今作はすごく低い位置から遥かに高いところへ呼びかける構図になっています。これ、わざとそうしてるとしか思えないんですよ。これは、ヒロとゼロツーとの能力の関係をそのまま表してるんじゃないかって風に、イヤでも思わされちゃうじゃないですか。そう言えば、第一話の冒頭でも、同じように飛べない鳥であることを吐露するゼロツーとヒロのそれぞれのモノローグのシーンでも、ゼロツーは空にいましたし、ヒロは地べたにいたわけで…。徹底してるねぇ。

 もう一つ、「二人の間を隔てる仕切り」を破るのが、呼びかけた者でなく、呼びかけられた者になっています。というか、ヒロには、あの仕切りを突破する力が無い。一方のゼロツーは、力業で仕切りを突破することもできれば、与えられた権限で正当にそこを通ることもできる。

 じゃあ、何故、ゼロツーはそうしなかったのか。

 求められてダーリンのところへ「降りていく」ゼロツーは、心底嬉しそうなんだよね。力が上だからとか一人でできるからとか、そういうことではないんですよ、きっと。ゼロツーが求める何かは。

 本作は、ボーイ・ミーツ・ガールの物語であり、ガール・ミーツ・ボーイの物語でもある。第一話を見た時のその印象を、今一度新たにしました。だからサブタイトルは、たどたどしく飛び始めた鳥の擬音になってるんだよね。

 今回はこんなところで。
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