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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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響け!ユーフォニアム 第一回「ようこそハイスクール」
視点。

 視点て、大事です。すんごく。

 この作品を、自分の吹奏楽部時代(私自身は合唱部時代)のあれこれと比較して見るのは、多分、余計なあれこれを作品に投入してしまうことになるでしょう。というか、私は実際にそうなりかけましたし、自分自身の思い出と切り離すのには、かなりの労力を必要としました。うわ、こんなに苦労せんと見れんのやったら、もう見んでもええんちゃうかー、と思ったほどに。

 違うんですよ。違うんだ。違う。

 アバンの久美子と麗奈が同床異夢であったように、音楽を奏でる人が百人いれば、百の夢があります。自分の描いた夢は、他の誰が思い描いた夢とも違う。恐らくは、私と同じ時代を暮らし、同じ部屋の空気を吸い、同じ音楽を奏でた竹馬の友であったとしても、その夢は私のそれとぴったり重なることは無い。断言しましょう、それほどまでに音楽は揺らぎ、人の思いはバラバラなんだ。

 それでも、という思いが、私にもようやく見えました。

 もうね、OPが殺しにかかってきてることは薄々感づいていましたけど…よくよく見りゃああーたこれって、目を引く超絶技巧の影に隠して、すごく大事な部分をさりげなく仕込んでるじゃないですか?!
 
 何度か見返すうちに、…あ、これは氷菓の前期OPの構成に似てる…という感想をきっかけに、それまで見えてなかったものがするするとほどけてきました。雨の空の下で物憂げに過ごす高校生たちの描写から、空から街に降り注ぐ光の描写を経て、駆け出す久美子のカットから世界がキラキラと動き出すような展開なのですが…。その、ね。「空から街に降り注ぐ光」の直前の数カットが…もう、何ですかこれ。

 雨の中で重い気持ちを胸に抱き、ポニーテールの久美子が、部屋の中から外を見やります。

 続くカットでは、ペットを手にした同じ制服の少女が…これは恐らく麗奈なのでしょう…傘もささずに芝生に立ち、濡れながら空を見上げています。

 これ、この二人の関係性と、彼女らの心境とを、暗示しまくってるんですよね。雨に濡れずに部屋の中にいる久美子、雨に濡れて外に立つ麗奈。すごく対照的じゃないですか。アバンで描かれていた、ダメ金を前にして「涙を流さない・流す」という対照的な反応をしていた二人そのままなんですよ。麗奈が見ているのは「上」だけど、久美子は必ずしも「上」を見てないってとこまで、仕込みとしか思えません。どこまでも上を、全国をホントに目指していた麗奈と、そうでもない久美子の対比です。だけど、久美子だって、問題を感じていないわけじゃない。彼女が見ているのは「外」。麗奈が濡れて立つ「外」です。彼女が濡れて立っていることに、何もモヤモヤを感じていないわけじゃない。だから、久美子の表情も暗いんです。

 そして、ですよ。

 その麗奈の後に続くカットからが…気付いたらもう涙腺直撃級の卑怯カットじゃないですか!!

 部屋の中にいた久美子が、ポニテを解いて、外にいるんだよ!!濡れないように傘こそさしているけど、彼女は麗奈の立っていた外に出るんだ!!あまつさえ、そこから「上」を見上げると、その先には…。


 光差す、美しい世界が……。


 こっれっがっ、仕込みでなくて何だと言うのかっ!!更に、自らの足で地面を蹴って駆け出す描写とか、やめてっ!!やめてお願いだからっ!!これだけで涙腺崩壊しちゃうっ!!


 同床異夢、には違いないでしょう!!だけど、それでも彼女らは、同じ「上」を、光り輝く世界を目指して、同じ方向へ駆けていくことはできるんですよ!!ああ、そう思って見返すと、「うっわ、何だこの超絶技巧!!」って初見から目を引かれていた、ぐりんぐりん回るキャラクター紹介の描写までもが、最後に部室に並ぶ吹奏楽部員全員をぐるっと回り込んで久美子の目の光にフォーカスしていくところと結びついていて、「バラバラの個々が、同じ光に収斂していく」なんてストーリーを焼き込んでいるようにまで思えるじゃあないかっ!!



 極上OPだっ!!オレの大好きな、京アニ極上OPっ!!くそっ、気付いちゃったら、OP見返すだけで泣けるっ!!


~~~


 もうちょっとだけ補足。


 第一回本編自体は、キャラクター紹介と舞台設定に重きが置かれている側面も多く、ストーリー的に難しいところは無いと思います。アバンの悶絶度合い(あれは、中高でコンクールに参加して、より上の大会に出るの出ないのという体験をしたことのある人には、もうあれだけで死にそうになる描写なんですよ。そうでない人はゴメン)に比べると、Aパート以降は平凡と言ってもいいくらい。

 また、私自身が、「久美子」では無かったんですよね。もっと無駄に、周りに迷惑かけるようなレベルで、ガツガツしてましたから。「麗奈」のようだったか、と言われると、まあ、微妙に違う気もするんですが…でも、あの久美子の煮えきらなさには、なかなか同調できません。

 だけど、視点が変わったら、俄然面白くなりました。

 この「久美子」ってキャラクターの揺らぎこそが、恐らくはこのシリーズが目指す目玉描写の一つなんですから。ポニテの彼女と、ポニテをやめた彼女の間には、本人でも判別し難いくらい微妙な、何らかの境界線があります。心境の、非常に曖昧な、揺らぎがあります。そこを味わえなければ、ねぇ。

 中学のコンクールの時の楽譜を、彼女が見返すシーンがあります。この目の真摯さ、楽譜から脳内に描き出す豊かな音像…。そして、その時の空気感(こういう精細な描写をさせたら、京アニは未だにトップクラスだよなぁ…)を思い返し、もの思う表情が描かれます。この辺から久美子、「上」を見てるカットが何度も描かれるんだよね。そしてこの後、ポニテをやめるわけです。ああ!!ああ!!そういうことだよなこれって!!そうなんだよな!!

 「天国と地獄(正しくは地獄のオルフェ)」なんてウルトラポピュラーな曲で、地方大会でダメ金とは言え金が取れるのか、という疑問はありますが…これも、曲名自体が仕込みの一つでしょう、間違いなく。果たして、高校で彼女らが行きつけるのは、「上」たる天国なのか、下界たる地獄なのか…。

 ED曲の「Tutti」もね。同床異夢の彼女らが、「いっしょに」響かせるこれからの世界のことを指していると思うと、実にいいタイトルです。読み解くのにすんごく時間かかっちゃったけど、大満足な第一回だったと思います!相変わらず、毎週のレビュー書きまでは保証できない状況ですが、書かずにはいられないネタに気付いた時には、臆せず書いて参ります! 
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