サブタイトルの意味が二重三重に張ってあって、実に美味しいです。
一つには、物理的な距離としての意味。裸の太陽号で出航し、遠く大阪の地を離れて本能字学園へと皐月奪還に赴くヌーディストビーチの面々がその代表格でしょうか。宝多がまさかの再登場を果たしましたが、彼は裸の太陽号の出資者としてのみならず、戦いに身を投じる彼らを見送る、その他大勢の群衆の一人、としての位置を担っているのですね。
そして二つ目には、流子の心情としての意味。自分は化け物なんだという自虐的な考えに縛られる流子には、群衆たる人々の思いは届いていません。マッパの上にボロを纏うその姿からは、「本当は皆と同じ裸のニンゲンでありたい」という気持ちが透けて見えるような気がするのですが、流子は頑なに、自分の体を覆うボロを着続けます。これは何も、「放送コード的にマッパは不味かろう」ということだけじゃないと思うのですね。服を着るモノ=化け物としての生命繊維に屈服する者、という暗示が、ピッタリと寄り添っているわけです。
三つ目はその延長ですが、純潔を着せられ、洗脳状態に陥って、まさしく身も心もニンゲン側から遠く離れることになってしまった、ラストシーンの流子を表しているのではないでしょうか。現実にはあり得ない、仮想の思い出を上書きされていき、ボロボロに涙を流す流子のアップは、もうなんつーか、色々と凄いですよね。物語的に最悪の意味で鳥肌級と言いますか。前に出てきてた「精神仮縫い」が、何故「仮」なんだ、という疑問が雲散霧消するくらい、この本気レベルの洗脳のヤバさが一発で伝わる、そういうシーンに仕上がっていたと思います。
一つには、物理的な距離としての意味。裸の太陽号で出航し、遠く大阪の地を離れて本能字学園へと皐月奪還に赴くヌーディストビーチの面々がその代表格でしょうか。宝多がまさかの再登場を果たしましたが、彼は裸の太陽号の出資者としてのみならず、戦いに身を投じる彼らを見送る、その他大勢の群衆の一人、としての位置を担っているのですね。
そして二つ目には、流子の心情としての意味。自分は化け物なんだという自虐的な考えに縛られる流子には、群衆たる人々の思いは届いていません。マッパの上にボロを纏うその姿からは、「本当は皆と同じ裸のニンゲンでありたい」という気持ちが透けて見えるような気がするのですが、流子は頑なに、自分の体を覆うボロを着続けます。これは何も、「放送コード的にマッパは不味かろう」ということだけじゃないと思うのですね。服を着るモノ=化け物としての生命繊維に屈服する者、という暗示が、ピッタリと寄り添っているわけです。
三つ目はその延長ですが、純潔を着せられ、洗脳状態に陥って、まさしく身も心もニンゲン側から遠く離れることになってしまった、ラストシーンの流子を表しているのではないでしょうか。現実にはあり得ない、仮想の思い出を上書きされていき、ボロボロに涙を流す流子のアップは、もうなんつーか、色々と凄いですよね。物語的に最悪の意味で鳥肌級と言いますか。前に出てきてた「精神仮縫い」が、何故「仮」なんだ、という疑問が雲散霧消するくらい、この本気レベルの洗脳のヤバさが一発で伝わる、そういうシーンに仕上がっていたと思います。
こうして、サブタイトルの意味を深化させながら紡がれてきた第20話ですが、それを脇に置いても「そう来るか!」という意外性ある展開が目白押しでした。先の、純潔を着せられる流子にしてもそうですし、針目もまた生命繊維と融合した存在であるというのもそう。前々回に流子と剣を交えた際、普通の人間がこんなに強いはずがない的なことを言っていたのは、流子の真実が明らかになる前フリとしての言葉以外にも、「針目自身が普通の人間ではないからこそ、実感を伴ってそれが分かる」ということだったわけですね。物語上の重要な伏線というわけではないんですが、言葉の端々や言外の機微などに表れている、こういう前フリがきちんと回収されて行く様は、見ていて実に心地良いです。
このスタッフの前作であるグレンラガンは、GAINAXの作品として作られました。そしてそのGAINAXの有名作品の一つである、エヴァンゲリオン。もう20年近く前に放映されたTVシリーズに関して、庵野監督は「ライブ感覚を大事にした」という主旨の発言をしています。
ライブ感覚によりもたらされる恩恵としては、グルーヴ感やノリが突き抜けて増幅できる、というものがあります。エヴァンゲリオンの大ブームの遠因の一つとして、よく挙げられることです。しかし一方で、あまりライブ感覚に頼った制作をしてしまうと、通して見た時に論理的に辻褄が合わない、有り体に言えば「投げっ放し」のパーツが多い作品になりがち、というデメリットがあるんです。エヴァンゲリオンもその軛から逃れられませんが、他には平成ライダーの一部作品にもそういう傾向が見られ、特撮ファンの中ではかなりネタ化していたりもします。
個人的な感想としては、グルーヴはもちろん作品の魅力を大きく高めてくれるものですが、論理が破綻しないストーリー作りというのも非常に大事だと思っています。前者も後者も、どちらも疎かにしていい話ではないと思うのですね。どっちも大事ですよ、ええ。
グレンラガンは、他に並ぶものがない、と言っても過言ではないくらい、グルーヴに関しては極上にアツい作品でしたが、「こまけぇこたぁいいんだよ!」と言いつつも、実はストーリーの進行上の破綻がかなり少ない、という側面も持っていたりします。投げっ放しがほとんどないんですよ。だから、キルラキルについても、そういう仕上がりをついつい期待してしまう自分がいます。今のところ、その期待には十分応えていただいていると思います。
ラストシーン。これもまた計算されたものなのでしょうが、皐月が鮮血を着て登場したシーンには、震えが来ました。白と黒、見た目としての正邪があたかも反転しているかのような、純潔と鮮血の対峙。それらの神衣を着る者が、こうしてたすき掛け状に入れ替わっている構図に、改めてスタッフの仕掛けた世界の広がりを垣間見る思いです。やっぱスゲぇな、この人たち。あと数話、終盤にかけて更に高まって行くだろうテンションに心行くまで浸りながら、スタッフの目指した最後の到達点まで、ガッチリついて行きたいと思っています。
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仮面ライダーBLACKで、見たかったやつや〜〜〜!!!
ブラックサンが闇に飲まれ暴走して、シャドウムーンが止める感じの。
BLACKでは最後までブラック ...
2014/03/02(日) 12:12:31 | nationwiseのZALEGOTOぶろぐっ!
評価 ★★★★
そうきたか!
2014/03/02(日) 14:35:38 | パンがなければイナゴを食べればいいじゃない