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Old Dancer's BLOG
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境界の彼方 第11話「黒の世界」
 すっかり遅くなって、周回遅れ間際になってしまいました。「間際」と言っても、間に合った感じはなく、完全に手遅れの有り様です。最速組はとっくに最終回の視聴を終えていますんで…。

 ではありますが、一応、私なりのレビューも上げておこうと思います。

 初見時の感想は、とにかく「終盤の展開が見事すぎる!」に尽きます。

 重苦しい空気で進んできた前半が、後半から徐々にひっくり返されていって、そしてあのOPのかかる展開へと…ラストのセリフを決められた時には、拍手喝采しそうになりました。

 何も考えないで見てても十分に見事だと思ってたんですが、それなりに掘ってみると…出て来るもんですねぇ。その辺を少々書き留めておこうと思います。
 
~~~


 まずは、Aパートで秋人がケータイに届いていたメールを見つけ、未来からのメッセージを読むくだりなんですが…。

 秋人の脳内で再生されていると思われる未来の声は、すごく明るくて前向きで、それが返って涙腺にクる、という状況なのですが…これって、「未来の素の、本当の心情なのか」と思ったんですよ。こんなにも明るく前向きな気持ちで、未来は秋人にメールを打ったのか、と。

 もちろん、答えは「No」です。これはあくまでも秋人がこの時点で脳内再生している未来の声。「アッキーの視点による未来」に過ぎません。言葉に綴っているのはそのままの言葉でしょうが、それをどんな気持ちで紡いでいたのかは…秋人の視点からはわかる由もありません。

 じゃあ、視聴者が知ってる「未来の心情」はどうなのかと言えば…第9話ラストの、あの辛そうな未来の表情がそれを表していると思われます。ここで、次の疑問が浮かぶんですよね。それは、「あの表情と、ここでメールに書かれている未来の思いとが、直接には結びつかないのではないか」という疑問です。

 何故、第9話のラスト、妖夢化した秋人を倒しにいった未来は、あんなにも辛そうな表情をしていたのでしょうか。それを再評価する必要があると思うんです。

 第9話までしか放映していなかったあの時点での、「未来が秋人を殺そうとしている」という情報ははっきりとフェイクです。従って、「自らの手で秋人を殺さねばならない」という悲壮感に見えていたものは、存在していないことになります。実際には、未来はあの場に「自分の身を捨てて境界の彼方と刺し違え、神原秋人を救う」という目的で赴いていますから。そして、秋人へのメールに書かれたことが本当であれば、秋人を救うこと=呪われた血と言われていた自分が役に立つことに、喜びも感じているはず。では、ああしてメガネを外し、悲壮な面持ちで最後の一撃を放ちに駆けていったのは何故だったのか…。

 どう考えても、答えは一つしか出てこないんですよ。

 「秋人との別れが辛かった」んです、未来は。

 秋人を救いたいという気持ちは、彼女の本心だったでしょう。でも、それは間違いなく自分と秋人との別れをも意味します。秋人を生かして自分も無事でいる方策が思いつかない以上、どうしようもないことなのですが…どうしようもないからと言ってすんなり諦めがつく人など、ほとんどいませんよね?未練、執着、そういう言葉で表すまでもなく、親しい相手との永遠の別れを、すっぱりと割り切れるわけがないんです。

 その前提で振り返ると、続く第10話「白の世界」は、実は「未来の心情描写」の回だったのではないか?ということに思い当たるんです。

 第10話前半が「アッキーの見る夢」なので、そちらの方に印象が寄ってしまうんですけれど、それでもそのシーンに挟まって何度か、未来のいる冬景色の、雪降る「白い世界」の描写がなされています。これ、トリッキーな展開を目指しただけじゃないんじゃないですかね。「夢」に対する「現実(ただし未来の視点での)」を提示しているわけですよ。また、第10話後半は言うに及ばず。「境界の彼方」を倒すために泉に呼ばれ、秋人と出会って変わっていく未来が描かれ、自分の身を捨てて秋人を救おうという「ざまあみろです」に収束し、白い世界で戦うシーンで終わる、それが第10話後半の展開です。

 あれが、未来の心、なんですよ。

 雪降り積む凍てつく「白の世界」は、未来の心の世界の暗喩なんです。

 そうすると、それと響き合う構造におかれる第11話「黒の世界」が、「秋人の心情描写」の回ではないか?ということにも気づきます。未来のいない世界が、秋人にとっての「黒」という位置付けになるわけですね(もちろん、謀略と悪意に満ちた藤真の闇や、それにより出現した黒い球体のことも、ともに「黒」という言葉に関連付けられているもの、と思われますが)。

 秋人が第11話の特に前半部において、どこまでも暗い面持ちで描かれているのは、彼の心が今まさに「真っ暗」だからです。「黒の世界」こそが、秋人の心の世界の暗喩なわけですよ。ケータイのメールを読む未来の声が明るいのも、秋人の辛さを対照するためなんですよね。その光が明るければ明るいほど、失ったことへの後悔はどこまでも暗く響きますから…。

 その、いったんは悲しみとともに隔てられた白と黒の二つの心が再び出会うのが、第11話の終盤の展開なわけです。そりゃあ燃えないわけがない!

 しかも、そこでOP曲を投入してくるのが、もう「ズルい!」としか言いようがありません。だって、このOPはついこの前、第10話の冒頭で「欺瞞に満ちた、捻じれるような状況の上でかかる曲だった」って明かされたばかりなんですもの。未来は「何かが変わるかもしれない」という希望とともに電車に乗って進み、でもその先にあるのは「秋人と出会い、そして別れねばならない運命」だったんですよ。しかし今回、その同じ曲が、今度こそ一切の欺瞞を交えることなく、本来あるべき響きとともに奏でられるんです。もう一度出会うために。「迷いながらも君を見つけ」るために。


 おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!


 そして最後は、「秋人の心の収束地点」であり、第10話で描かれた「未来の心の収束地点」と完全に対になる「ざまあみろ」で締めくくられるんですよ!何と美しい!!

 最終話のサブタイトルは「灰色の世界」です。白と黒とが混じり合った、二人で生きていく世界のこと、と予想しているのですが…さてどうなりますか。明日の夜の放映を楽しみに待ちたいと思います。
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
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テーマ:境界の彼方 - ジャンル:アニメ・コミック

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