FC2ブログ
Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
   来訪者数: since 2004/12/2...  現在人が見てます
キルラキル 第7話「憎みきれないろくでなし」
 昭和世代の原体験に近い部分を抉り出し、正面突破したような一話、と評すべきでしょうか。

 放映初期から、この作品は昭和的なアレやらコレやらをてんこ盛りにした印象が強く、もうその辺りの描写にかけては「全然スロットルを緩める気がねぇ」ということを、見ているこちらも了解しているつもりだったのですが…。今話はまた、それが更に一歩抜きん出ているというか、突き抜けているというか。

 時折見かける、友情と欲望とどっちを取るか、みたいな話ではあるんです。それ自体は、昭和じゃなくても、平成に入ってからもそれなりに描写されてきているとは思います。だけど、古き時代のそれと、近年のそれとは、やっぱり同じじゃないのよね。

 安達祐実の主演した家なき子ってドラマ、あったじゃないですか。1994年と言いますから、平成に入って間もなくの頃ですよね。あの前後で、日本人の「金銭的な価値観」と「友情や愛情」とのバランス感覚って、一回壊れてると思うんですよ。バブルという時代を経て、それが崩壊して、フツーに金の方を取っちゃうよってね、どっちかと言えばそれが当然という感覚にね、一回みんな慣らされてると思うわけ。

 もちろん、昭和の時代でも「友情や愛情を捨ててお金を取る」という世界が無かったわけではありません。でもそれは、戦後の貧困という文脈の中で、どうしようもない二律背反という前提があったわけでして、「貧困でさえなければ友情を取るのに…」という切なさが滲んでいたんだと思うのですよ。今の、生きてくことにとりあえず支障はないけれども、ドライに割り切って金の方を選択する、という世界とは、内面が全く異なるんです。
 
 そういうことを考えると、今回のマコの「どうして止めてくれないの?!」というセリフの凄みが、グッと増すんだよね。だってこれ、どう考えたって、現代の日本人の叫びにそのまま置き換えられるんだもの。友情が大事、愛情が大事って、言いたい、叫びたい、その通りに行動したい。そっちの方が素敵だって、みんなどこかで知ってる、わかってる。だけど、今の時代がそうじゃないことになっていて、何となくそれでいい、という話になっていて、本当にそれでいいの?!ってね、マコの叫びはそういう風にも聞こえるんです。

 単なる昭和へのオマージュと言うよりは、現状への痛烈な皮肉、という方が近いんじゃないでしょうか?みんなでご飯食べることの楽しさ→また一人になってしまったという描写にしても、「裕福になって個優先で暮らすようになるスタイルへの欺瞞」じゃないんですかね。

 いや、「昔は良かった」という単純な話に換言してしまうと、それはそれで何か違う、とも思うんですよ。「わけのわからないものが入ってるコロッケ」よりも、「本当の合挽きの肉を使ってるメンチカツ」の方が旨い、というのは本当だと思うし。だけど、いつの間にか「時代性に慣らされている」というのはやっぱり怖いことで(もちろん、昭和の頃にその当時の時代性に慣らされていた、という事実だって怖いことではあります)、「どうして」「何故」っていう感覚を常に持ちながら生きるのは、大事なことだろう、とも思うのです。無邪気に昔を礼賛するのではなく、昔と今を比べて「どうして今はこうなってるんだろう、このままでいいんだろうか、止まらなくていいんだろうか、変えなくていいんだろうか」と感じることで、何か大事なものが見えるかもしれないじゃない?

 そのアツさもさることながら、現代のある一面を鋭く照らすカリカチュアとしての側面も改めて意識させられた、実に面白い一話でした。カリカチュア~風刺ってことを言うなら、この学校の×ツ星という制度の描写自体が、「勝ち組」「負け組」という感覚に対する辛辣な批判とも取れますし。

 細かいとこでは、マコの着た二つ星極制服は、ちょっとディスヌフ入ってんなー、と思いつつ、楽しく見れたりもしましたが。この手の「元ネタ探しの旅」は、もっと鋭い方が他に大勢いらっしゃるはずなので、そちらにお任せいたします。

 ところで、次回のサブタイトル…知らなかったのでググってみましたところ、沢田研二よりもずっと昔に逆戻りしてしまいました。どうやら、美樹克彦の1965年のシングルだそうです。って、私、まだ生まれていませんよ(汗)。また、類似の曲名として、石原裕次郎の「涙は俺がふく(1982年)」とか、大門/北沢健の「君の涙は俺がふく(2013年)」とかもあって、無駄にややこしいです。まあ、曲名に関しては、昭和の歌謡曲のタイトルを、その意味のちょっとかぶるところだけを拝借している、というセンが強そうなので、この辺は少し気楽に見ている私なのですが。

 まだまだ先行きは色々ありそうで、引き続き楽しく視聴していきます。
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
■関連記事~
 リトバス 第11話「ホラー・NO・RYO大会」 (2012/12/18)
 第一期ハルヒの次回予告曲って… (2007/07/16)
 ドルアーガの塔 第12話「~the Aegis of URUK~」 (2008/06/21)
 甘城ブリリアントパークを京アニが (2014/01/22)
 だはうぇふぬごうわはぐばらh (2008/05/20)
 涼宮ハルヒの退屈 (2006/04/25)
 たまたま見た「しろくまカフェ」が。 (2013/04/14)

テーマ:キルラキル - ジャンル:アニメ・コミック

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
※コメントについてのポリシーはこちらです。初めての方はご一読下さい。
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
※トラックバックについてのポリシーはこちらです。初めての方はご一読下さい。
https://terry.blog.fc2.com/tb.php/4965-8c6b5c8c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
今回のテーマは家族の絆。 流子とマコの戦いはいつかはやると思っていましたが、 ここで持ってきましたか。 部活や学業等の成績をそのまま家庭の生活レベルに反映させる。 それが本能字学園のシステムだ。 マコのせいで最低水準で生活する満艦飾一家だが、彼らはいつも幸せそうだ。 そんななか流子は部活制度を逆手にとってマコを部長に任命、『喧嘩部』を創立する。 部の成果が上がるほど満艦飾家...
2013/11/18(月) 00:01:05 | ひえんきゃく
喧嘩部の設立と贅沢な暮らしの果てに見えた人の強さ。
2013/11/18(月) 01:04:23 | Little Colors
第7話 憎み切れないろくでなし いつも家族全員で食べる夕食が嬉しい流子。母親は知らず、父は流子を寄宿舎に入れた。初めての家族団らんを知ったのだった。しかしお風呂を覗かれるのは許せない。 ランチ時に投げナイフ部、南京玉簾部、綱渡り部から 襲われる。流子の所為で曲芸部が細分化した、流子を倒せば 3つ星極制服が部長にだけ渡される。部長でないともらえないからだった。 それならと喧嘩部を作って内部から...
2013/11/18(月) 01:09:08 | ぬる~くまったりと
「みんなキラキラしてる。こんな生活うそみたい。 流子ちゃん、私頑張るよ。喧嘩部部長として」 満艦飾家のにぎやかな食卓にもすっかりなれた流子。 学園での星持ちたちからの襲撃にもすっかり慣れた様子だったが、 何でも流子に勝てば3つ星になれるとのこと。 だが、流子に挑めるのは部長だけらしく、 ヘンテコな部活が続々作られている様子…
2013/11/18(月) 09:41:44 | ジャスタウェイの日記☆
投稿者・ピッコロ シリウス(期間生産限定アニメ盤)(DVD付)(2013/11/13)藍井エイル商品詳細を見る ☆アニメを濃く熱く語りたい人は集まれ~!毎週水曜日と金曜日夜11時からアニメ系ネットラジオ「ピッコロのらじお♪」を放送!一週間のアニメの感想を語り合っています。掲示板も設置、アニメ交流してみない?初めての方も大歓迎だぜ~!! ↑ポチって押して頂けると励...
2013/11/18(月) 13:47:35 | ゲームやアニメについてぼそぼそと語る人
流子が喧嘩部を作るお話でした。猿投山との戦いが続くのかと思いきや、あの戦いは1話限りだったようで、今回は流子たちは普通に生活しています。そして流子を狙って、各部
2013/11/18(月) 17:20:30 | 日々の記録
あらすじ・・・いつもの様に部長たちが流子へと襲い掛かる。しかし、倒しても倒しても新しい部活が設立されて部長たちが襲ってくる。そこで、流子は自分も喧嘩部を設立して迎え撃 ...
2013/11/18(月) 20:58:49 | 続・真面目に働くアニオタ日記
キルラキル 第7話 「憎みきれないろくでなし」の感想です。 第7話の感想は短めで,主張の押し付けのような内容が長めです。 キルラキルの良さは「オリジナリティの高さ」にあるんじゃないか。 逆に最近のアニメは似たり寄ったりじゃないだろうか。そんな内容です。
2013/11/18(月) 23:00:39 | ひそか日記
「キルラキル」オリジナルサウンドトラック(2013/12/25)TVアニメOST商品詳細を見る  このアニメも視聴を継続しています。勢いが凄いですね。昭和アニメを意識したような表現方法で疾走していますよ。猥雑さも昔ながらといった感じでしょうか? 主人公はイケメン女子ですが、女性キャラも遠慮なくボッコにされるようで。ヒロインにも容赦がありません。個人的な不満としては、主人公の戦闘服がダサいと...
2013/11/19(火) 10:34:02 | 破滅の闇日記
マコの一家との暮らしに、家族の温かみを実感する流子。 学内では流子を狙う部活が乱立して、次々と挑戦してくる。 流子も喧嘩部を作り、マコを部長にして、有象無象の部を撃破していく。 それにつれマコ一家の生活はセレブになるが、家族の絆は薄れていってしまう…。 物質的な幸福だけでは人は幸せにならない。 そんなテーマを、お茶らけたストーリーで描いた良エピソード。 1話完結でいろ...
2013/11/19(火) 18:51:37 | 空 と 夏 の 間 ...
本当の幸せとは。 シリウス(初回生産限定盤)(DVD付)(2013/11/13)藍井エイル商品詳細を見る
2013/11/21(木) 01:41:36 | 新しい世界へ・・・
「憎みきれないろくでなし」 マコの家の賑やかな食事が楽しい流子。しかし、そんな流子の周囲には、次々と各部の部長たちが……。しかも、それは、部長となり、町での待遇UPを狙った粗製乱造な部長ばかり……。そんな状況に苛立った流子は「喧嘩部」を立ち上げる、と言って…… おそらく、今回はシリーズ2回目のギャグ回となるんだろうけど…… 個人的な感想としては、この作品のギャグ回ってどうにもノ...
2013/11/23(土) 14:37:07 | 新・たこの感想文
どこまでが皐月の掌の上で踊らされてのか・・・深慮遠謀な彼女の辞書に友情とか絆とかの類の言葉が存在するのかどうか知りませんけど、さすがに流子とマコの友情の深さまではどうかな?でも花火の演出があったから、何らかの形で2人がシステムの枠外に逃げられる可能性くらいは想定していたのかもしれませんね。ともあれ、頭を使うのは苦手な流子がマコに事務処理を丸投げして部長職を任せ、マコが意外にも事務能力とネゴシ...
2013/11/25(月) 18:50:56 | ボヘミアンな京都住まい