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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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「二人の距離の概算」の途中で
 いわゆる「古典部」シリーズの原作は、アニメ終了に前後して全巻買い求め、ペースとしてはダラダラと、しかし着実に楽しんで読み進めております。この春になってようやく「遠まわりする雛」を読了、満を持して「二人の距離の概算」へと進んだわけなのですが…。

 奉太郎のリビングの回想シーンを読んで、痛切な自分の思いを新たにしました。

 ああ、くそぅ、このシーンを京アニさんがアニメ化してくれたものを、見たくて仕方が無い、と。

 なかなか記事にする機会が作れず、あまり多くをこのブログで書いてはいないのですが…この古典部シリーズを読むにつれて、私は米澤さんの書き起こした原作も大好きになりましたし、そのアニメシリーズも更に好きになりました。

 一言で言うとですね、「相乗効果」がハンパじゃないんですよ。

 原作自体がとても面白いのですが、それはストーリーそのものだけでなく、表現の幅や筆致のためでもあるんですね。キモとなる一言を提示するまでの文章の流し方、ここぞという時の言い回し、言葉と言葉の間に忍ばせてくる言外の空気、そういったものが、このシリーズの魅力を高みまで押し上げている、と私は思っていますし、だからこそ、そのうち米澤さんの別な作品にも手を出してみよう、とまで思っていたりするんです。

 それを、アニメ化したあのシリーズは…それらの原作の要素を踏まえた上で編まれていて、上乗せするようなことまでしているんですよ。そのことで原作の魅力が損なわれることはほとんどなく、でもプラスアルファのものや異なる視点からの得難い魅力が付加されています。アニメを見た後で原作を読んでも同じことで、アニメの魅力が減ずるような場所はほとんどなく、でも原作を読むことでアニメでは得られなかった感動が得られる場所があります。これを相乗効果と呼ばずして何と呼びましょうか?
 
 いちいち全部を思い出せるわけではないのですが、原作を読んでいて何度か、落涙せんばかりの感動に震えたことが一度や二度ならず、かなりの個所にありました。中でも一番すごかったのが、遠まわりする雛の、あのラストシーン。

 「いいえ。もう春です。」

 えるが言う、あの一言。でも、原作とアニメでは、これが言われる状況が全然違っています。原作もね、実にいいんですよ。この、何と言うか、むず痒くなるような空気感と言いますか、踏み出せばいいのにと思っちゃうところなのに踏み出さない、この年代だからこその得難い瞬間を切り取った描写は、私が近年に読んだ作品の中でも三本の指に入るだろう、名場面と言って差し支えないと思っています。

 でもっ!

 アニメではそこに、「祝福」とも呼べるあの桜のシーンを重ねてきたんだよっ!

 ああああ、もう、なんつー咀嚼力と再構成力なんだろう、どうすればこんなハンドリングを思い付くんだろう!

 原作読んでてもですね、あそこでぶわあっ…と舞う桜の花びらが脳裏に蘇るんですよ!原作を読んでいて原作の持つ得難い余韻の感動に震えると同時にですね、アニメのあの美しいシーンへの感動が呼び起されるんですよ!同時に、だよ?「やっぱアニメがいい」とかじゃなくてですね、目の前の「本」の良さに打ち震えながら、「アニメ」の良さも思い出して、両方が同時にがぶり寄ってくるんだよ!なんつー体験だ!ああああ、もうどっちも大好きだ!

 今読んでいる「二人の距離の概算」は、アニメシリーズのある回でちょっとした齟齬をきたす描写がなされているため、まるまるこのままのアニメ化はできない状態になっています。また、アニメ化するにしてもその他の原作のストックがほとんどないため、例え1クールであっても二期制作は難しいのではないかとも言われています。更には、京都アニメーションさんの現状では、氷菓以後は自社ブランド寄りの作品展開がほとんどとなっており、古典部シリーズに限らず原作モノの制作はしばらく予定に入って来ないのではないか、とも…。

 ですが、私はあえて願いましょう!先生、このアニメの氷菓の続きも、京アニさんの制作で見たいんです!

 この「優しいだけじゃない、痛いだけでもない、ほろ苦い青春群像劇」をですね、京アニさんのあの表現力で更に展開して、原作の良さもアニメの良さも双方が高まるような相乗効果まで出して来るような、そのワザが私は見たいんです!そのワザが光り輝くだけの、掘り起こし甲斐のあるポテンシャルが、この作品にはあるんですよ!本を読んでるだけですんごくキちゃうようなモノに、更にワザをかぶせてこられて、読み直したら涙押さえらんなくなっちゃうような、そんな体験がまたしたいんですよ!

 ……はぁ…とりあえず、「二人の距離の概算」を先へと読み進みますか。「見えますよね」の一言に、何かとんでもない深みを潜ませているんじゃないかと思わせるような、この米澤さんのワザを堪能しつつ…。
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