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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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氷菓 第二話「名誉ある古典部の活動」
 あのラストシーンのえるのポニーテールは、賀東センセの差し金なんじゃないですかね?(ぇー


 だって、別にポニテである必要はないと思うんですよね。原作は読んでいないですが、まさか、喫茶店にやってくる少女の髪型まで描写されてるかしら?いや、もし書かれてるんならゴメン。でも、書かれてないケースだって十分あり得るでしょ。するってぇと、誰が一体「ポニーだろ、ここはやっぱり」って言われたのかと。強力に推し進めて下さったのかと。

 これはアレですよ、「最近アニメ業界にはポニテ分が不足しているのではないか、とお悩みの貴兄に」という、賀東センセの粋な計らいというヤツに違いないわけですよ!これぁ有り難い!さすが我らの賀東センセだ!叫んじゃったもの、「うっひょおおおおおおお!ポニテじゃねぇか!」って。


 はー、眼福眼福。


 …という辺りが今回のハイライトってことでよろしかったですかね?(よろしかったわけがないだろうが!)
 
 …ポニーテールの件はともかくとして。


 描写があれば、必ずその理由があります。謎があれば、必ずその原因があるのと同様に。今回も、作品中に散らされているあれこれを、私なりに拾っていって見ることにしますか…。


~~~


 
 適度に散りばめられていくパーツが心地よいです。


 「将来に向けて必要になりますよー」というパーツがいくつも、比較的わかりやすい形でばら撒かれていっていますよね。あ、いや、私は今回の作品、完全未読で臨んでいますので、先々に何があるのか、全く知らずに書いてるんですが。でも、先に何が来るかはわからないなりに、「先に何か用意されてて、そのネタ振りをされている」という感覚は強く感じます。

 端的にわかるのは、えるの言葉の端々に出てきてる「一身上の都合」でしょう。次週のサブタイにも書かれている辺りから察するに、えるは過去の古典部と何らかの繋がりがあるんでしょうが…一体そこから何を課されているのか、その辺が来週以降のお楽しみってことになっているようです。ラストで奉太郎に告白しようとしていたのも、その辺に絡む何かではないかと推測されますが…。

 また、「バックナンバーが全く見当たらない、古典部の文集」というのも微妙に気になりますよね。部室に一冊もないだけでも相当妙ですが、おかしいのはあの司書の糸魚川先生の反応。古典部を名乗った里志への第一声が、「古典部!…文集?あなたたち、古典部なの?」ですよ。問い返すほどのことじゃないですよね、フツー。しかも、「あの古典部」とでも言いたげな、何か含みのある言い回しじゃないですか。そして、確認不要で、文集は書庫にはないと即答。更に、見落としということはないかと食い下がった里志に「あったらさすがに覚えてるわ」て。何さ、「さすがに」て。一回見たら忘れられないような文集なのか、それとも古典部の存在そのものが…。


 とまあ。


 表立って、第2話を牽引していってるストーリー上の謎は「愛なき愛読書」なのですが、それとは別に、視聴者に向けての中長期に渡る謎が提示され続けているわけです。謎、という点に限っても、少なくとも二層以上の構造が存在しているということなんですよね。

 この辺を立体的に俯瞰できると、この作品の見方はだいぶ変わる気がします。単体のエピソードとしては、難解な筋立てやややこしいものは無いですから、それが悪く作用すると「深みがない」かのように見えてしまう危険がありますが…第2話にして既に結構な仕込みがなされていることを考えると、これらが繋がっていくことで結構大きな絵が浮かび上がってくるのかも知れませんよね。そう思わせてくれるのは、シリーズ構成が「いい仕事」になってるんだろうと想います。さすが賀東さん、やるじゃん。


 しかも、「先々のネタ振り」は、何もそういう謎に限った話ではなさそうなのですよね…。


~~~


 あえて歪んだ極彩色で描かれる、奉太郎の心象風景の演出。


 前回はえるから伸びる植物のつるが、花を咲かせながら奉太郎を絡めとって…という具合でしたが、今回は突如洋館の食堂に座らされた奉太郎が、メイドのえるに力づくで無理やり「薔薇色コース」を選ばされる、という描写がなされていました。いずれも、えるからもたらされる何らかの影響が、奉太郎のどこかを変えることを示しています。これ、普通に受け取れば単純に、意に染まぬ選択を取らされる奉太郎、ってことのように見えるわけですが。

 でも、今回終盤で奉太郎の口からは、こんな心のつぶやきが出ていました。

…違う。

ここが違う。

こんな風に、オレはならない…。

何が違う…何が…。


 …強い疑問ではありません。自らを正そう、或いは直そうとしての意図は無いでしょう。でも、問題意識という域には達しているようにも見えるんです。

 変わることを積極的に望んでいるわけではないにしても、他の同級生と自分との違いを意識はしている。必ずしも、「変わるのは嫌だ」と思ってるわけではないんじゃないですかね。そう言えば、Aパート冒頭でも「一緒にいて、疲れないのであれば、オレは元々人嫌いというわけではない」なんて言ってますし。前回ラストでも、「(えるのことを)拒絶したかったわけじゃない」と言い放ってますし。

 これは、将来に向けて、奉太郎が何らかの変化を示していくことの前フリの一つなんだろうと思うのです。そして、変わっていくのは多分、奉太郎一人というわけではなくて…。





 初ED!いいですねぇ、これ!


 先週叫びながら愛でまくったあのOPと、対になる映像だと思うんですよ。


 光が灯る天球儀の中に、物憂げに寝そべる二人の少女、えると摩耶花。その気怠い眼の色が、Polaris~北極星が打ち上がって星々が更に明るく回り始めると、別人のように生き生きと輝くんですよ。

 北極星は、昔の船乗りが道しるべにも使ったもの、不動点であり、基軸になるものです。それが無くても、彼女らを取り巻く天球はゆっくりと回る=世界は前へ進むのですが、道しるべを得た世界は全然違って見えるんですよね。もう決して物憂げではなく、まどろみの中で明日の約束を確信し、満足して眠りにつく少女二人。


 奉太郎に変化をもたらすあの少女にも、道しるべは必要だってことなんじゃないですか。


 そしてその道しるべは…例えば奉太郎かも知れないんです。美術室で謎が解けた時の、奉太郎を見返すあの二人の眼を見ましたか?あの輝き。あれはED映像で彼女らがPolarisを見る眼と、瓜二つなんじゃないですかね?


 ボーイミーツガールにして、ガールミーツボーイ。少年・少女が広げる波紋は、相互に影響し合って世界に色をもたらし、少女と少年をわずかな変化で波立たせます。解かれるべき謎は、彼ら・彼女ら自身の中にもある。


 ちょっとずつ運行していく星々の動きを、来週も見守りたいと思います。
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
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テーマ:氷菓 - ジャンル:アニメ・コミック

コメント
この記事へのコメント
EDの星、自分は、回りはじめた軌跡が描かれてるのが、「波紋」のバリエーションだと思いました。
2012/05/19(土) 09:20:47 | URL | けいりん #ZVagd2lo[ 編集]
星座は巡る
>けいりんさん

>EDの星、自分は、回りはじめた軌跡が描かれてるのが、「波紋」のバリエーションだと思いました。

あー、なるほどですね。それは思い至りませんでした。人の見方は勉強になりますな。
2012/07/14(土) 23:20:00 | URL | てりぃ #-[ 編集]
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