今回は全体的には、コミカルシーンと戦闘シーンに力点を置いた感じでしょうか…。例によって全部は追いませんので、そういうことで。

【明日夢のメンタル的な成長】
　いわゆる正攻法で、明日夢が成長してきたことを示した今回。ポイントとしては、

・オロオロするばかりで終わらず、苦しむお師匠様を布団に寝かせる
　という、冷静な行動が出来るようになった。

・なおも苦しむお師匠様に、手を握って励ましてあげたように、
　人への気遣いや思いやりを行動に示せるようになった。

　まあ、これまでの「ヘタレキング・明日夢」を知っている我々としては、たったこれだけでも十分にすげぇ、と思われるわけで。これまで巻で示されてきた「少年・明日夢の限界・壁」にかかわる描写の蓄積が、ここで生きて来たという感じですね。

　ただし、モッチーのセリフで明日夢の成長部分を説明させたのは頂けませんでした。これまでそうだったような、あえてセリフでは全部を説明しない、役者の表情・態度の変化や絵・音響の力で十二分に言いたいことや伝えたいことを示す、という響鬼の方法論を、私は個人的に非常に高く評価していましたので。今回のモッチーのセリフは、「言わずもがな」なんですよ。「ヒビキさんの影響かな」という部分も含めてね。おいおい、どうしちゃったの響鬼スタッフ？尺でも余ってついセリフ入れちゃったの？って、鑑賞しながら頭に疑問符が付いちゃいましたね。

　でも、その直後のモッチーの表情は良かったですけどね。ラブラブモード全開、という感じが良く出ていて。恋する乙女の瞳ですよ。明日夢の方も、そういう部分を意に介さない応答の一つ一つが、むしろ逞しく成長した証に見えてグッドでした。

【三人ライダーの燃える共闘】
　いやコレが予想外に燃えた！燃え燃えだ！

　振り返ってみますと十之巻でのオトロシ戦（響鬼＝威吹鬼）に始まり、十四之巻の乱れ童子戦（同）、十五～十六之巻のヤマアラシ戦（斬鬼＝戸田山変身体ペア）、そして響鬼が若干サポートする程度でしたが十八之巻のオオナマズ戦（威吹鬼メイン）、二十之巻のアミキリ戦（轟鬼メイン）と、計５回もの「共闘シーン」が劇中で描かれています。つまり、こちらもある程度は慣れっこになっているわけで、ちょっとやそっとでは「来ない」だろうと思っていたのですが。

　ナンだこの燃えるシーンは！

　音撃が効かず一気にピンチに陥る二人に、ヒッポリト星人に次々とブロンズ像にされてしまうウルトラ兄弟の姿がだぶったその瞬間、文字通り輝かしい「輝」のテーマとともに現れるヒビキ！鼻をこすって「オレの出番だな」は、あまりに型にはまりすぎてて大笑いしましたが、とぼけた表情で音角をかざし、笑みの混じった顔付きで変身するヒビキのナンと頼もしいことか！

　そしてヒビキの「思いつき」（笑）で３人同時攻撃。キーを合わせてのインプロビゼーションを彷彿とさせる、太鼓・トランペット・ギターのセッションですよ！コレがキタ！思った以上にカッコいい！思えば、これまでの共闘は、共に力を合わせてはいたものの、文字通りの「合体技」ではなかったのですよね。それが初めてお目見えで、しかもここまでリキ入れて描かれたらたまんないですよ。音色の面で、このトリオはどうなんだろう…という心配もありましたが、イイ感じだったと私は思います。

　戦闘終了後の呑気な会話も、この落差が気持ちいいですね。三者三様、というのが絶妙なバランスでした。

　ああー。我ながら今回はウスいですが、たまにはこんなもんで。…………orz ■関連記事～
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