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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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一夜明けて、つらつらとMusical Baton
 ものすごい勢いでWEB上をなぎ払っていってる(それとももう過去形?)感のある「ミュージカルバトン」。こちらで取らせていただいた対応については、バトンを渡してくださったお二人からご理解が頂けまして、大変有難かったです。この場で今一度、tempari-blgさんとみかずきさんにはお礼申し上げます。m(_ _)m

 さて、このミュージカルバトンについては「チェーンメールと同じだ」「いや、それとは違う」という議論になっているようですが、これは万人が納得できる答えが出しづらい、難しい問題だと思います。本日はこれに対する私なりの考察を試みたいと思います。
【既存の「チェーンメール」の問題点】
 まず、「チェーンメール的行為」が何故いけないのか、というところから始めましょう。既にネット上にたくさん情報がありますので、詳しくはチェーンメール・コレクションさん、Tips for E-Mailさんなどを参照していただくこととして、ここではなるべく簡潔に。よく言われる「チェーンメール」=「迷惑行為」の根拠は、おおむね以下のような点に集約されるかと思います。

1.不確定もしくは偽の情報が信憑性を帯びて広く流布すること
2.メール受取人の意思によらず、勝手に送られるものであること
3.爆発的に増殖し、ネット資源を食いつぶす危険があること

 1については、事実でない情報の中に実在の人物や組織が絡んでいた場合、風評被害やプライバシー侵害、生活や業務への結果的な妨害などが起こりえますね。また「有益な情報」と称してガセが書かれていたり、伝言ゲームの過程で間違った情報に変容した場合などは、その情報を信じた「メールの受け手自身」が被害をこうむる可能性もあります。

 2の部分は、こうしたメールが内容がどうであれ「スパムと大して変わらない」と言い換えることも出来ます。善意に基づくチェーンなどでは異を唱えられる方もおられますが、「誰にでも喜んで受け取ってもらえるメールではない」という一点はわかって欲しい部分です。

 そして3。「そんな大げさな」という方は上記のリンクなどから実例を辿ってみてください。爆発的に増えたチェーンメールのためにサーバがパンクしかけて業務に支障が出た、なんていう話は実際にある「脅威」だそうです。

 このように、これらの「問題点」には大変説得力があります。「迷惑のかかる相手」が明白にわかるからですね。従って、チェーンメールは迷惑行為とされるのです。Q.E.D.


【「ミュージカルバトン」の場合】
 ここで、今回のミュージカルバトンについてですが、見事なまでに上記の問題と「微妙な距離」を保つ形になっています。そのあいまいさゆえ、「迷惑がかかる相手」が見えにくく、「これはチェーンメールのような迷惑行為ではない」と判断される根拠になっていることが伺えます。

 具体的に見ていきましょう。まず1。ミュージカルバトンでは、あくまで各人が自分の嗜好を語っているだけであり、「不確定な情報の伝播」という問題自体がそもそも起こりえません。従って、そこから迷惑が派生することもありません。

 次に2。ミュージカルバトンのルールでは、バトンを渡す際のTBを義務付けておらず(TBしない場合は相手が自主的に気付くのを待ちます)、バトンを渡された相手も回答する義務はない、としています。これにより、「バトンは一方的に送りつけられる迷惑メールとは一線を画すもの」と位置づけられているようです。

 最後に3。バトン参加者が行っていることは「通常のWEB更新」の範囲です。内容も十人十色であり、共通の題材をネタに各人が記事を書いている、という域を出ておりません。従って、チェーンメールの「膨大なコピーの氾濫がサーバに過負荷をかける」問題とはかなり趣を異にしております。仮にバトンが原因でネットに負荷がかかったとしても、それはバトン固有の問題ではなく、WEB更新自体に内在する問題であると言う事が出来ます。

 「これなら大丈夫じゃないか?」

と思うじゃないですか。今この記事を書いている私ですら、最初は一瞬迷いましたし、「チェーンメールが何故いけないのか」を理解している人ほど、ここで安心してしまうのではないかと思います。

 では、本当にミュージカルバトンは「グレー」ですらなく完全に「シロ」なのか。私はやはりグレーであると思うのですね。その理由は、先の記事にもちょっと書きました、以下の点です。


【宇宙を覆いつくす栗まんじゅうの恐怖】
 ドラえもんの名エピソードの一つ、「バイバイン」をご存知でしょうか。ご存じない方はこちらなどで補完していただくとして、話を進めます。

 この話のキモは、「指数関数的に増殖する」という部分です。5分ごとに倍に増える程度、と高をくくっているとエライ目に遭うわけですね。自分の制御下に置き得た小さなものが、瞬く間に自分の制御できないものに変貌する恐怖。これですよ。

 さて、ミュージカルバトンにおいても、これと同じ「恐怖の現象」が起こります。バトンを誰かに渡すかの判断は完全に「自分の制御下」ですが、ほんの数回その先にリレーしただけで、もう自分の手では収拾不可能な数にまで影響が及んでしまいます。一回のバトン渡しで5人。それがたった5順先でさえ、3125人に影響が及ぶのです。

 「でも、強制力がないモノだし、そこまで深刻になる必要はないのでは」というご意見もあるでしょう。しかし私には、強制力の有無が拡大のスピード・量にあまり影響していないように思われるのですね。むしろ「強制力がないから大丈夫」という判断のもと、普段なら絶対にチェーンメールの類に参加しないような方までが、今回のバトンには参加しているようにも見受けられます。この辺、「人命にかかわることだから」という善意のもとにすさまじいスピードで広まったチェーンメールの例などと、相通じるものがあるような気がします。

 また、「誰かに直接迷惑がかかるわけでも無し、ほとんどがバトンを受け取って飽和した辺りで自然に無くなるでしょ」というご意見もあると思います。実際、十五回で305億を越えるお話は前回もいたしましたが、地球上にはそんな数の知的生命体はいませんから、あっさり頭打ちになってしまうことは明白です。しかし、それで安心していいのでしょうか。本当に誰にも迷惑はかからないでしょうか。

 リレーが十回で一千万弱ですから、その全部が日本国内向けと仮定すれば、もうこの時点でかなりのダブりが出てくることが予想されます。つまり、この時までにまだバトンを受け取っていなかった人のところには、かなりの数のバトンが一斉に渡されるような事態が起こりえるのですね。リンク先や巡回先10箇所ぐらいから、ほとんど同時にバトンを手渡されたりするわけです。まあ、それでも、別にイヤじゃなければ回答をWEBに上げて、その気があればバトンを渡して終わりに出来ます。問題は、バトンを受け取る気が無くて、スルーしているような人。当然、バトンを受け取っていないものと周りから認識されていますから、日に日にバトンを渡す人が増えていくような異常事態になります。

 これは、迷惑をこうむっているとは言えないでしょうか?

 上にはわかりやすい例を挙げましたが、バトンがある程度行き渡った「末期」には、決して少なくない誰かの「収拾に向けたちょっとした手間」が生じていることは理解していただけると思います。結局のところ、このバトンにおいて参加者を安心させる「強制力はないですから、バトンを受けるかどうかもそちらで判断してくださいね」という部分そのものが、後続の誰かに事態の収拾を委任していることに他ならないのではないでしょうか。そして、その収拾を試みる誰かは、やはり何らかの迷惑をこうむっていると見るべきではないでしょうか。この辺りに微妙に絡む話として、やはりドラえもんに秀逸なエピソードがありまして(本当に藤子・F・不二雄先生は偉大です)、ろじっくぱらだいす。様のところにしあわせトランプについての考察が紹介されておりますので是非ご一読を。

※蛇足ですが、上記ろじっくぱらだいす。様では、22日付けで「ミュージカルバトンには参加しないよ」という主旨の告知をされています。7千万ヒットを越える超人気サイトですから、恐らくメール等で渡されるバトンの数も信じられないほど多かったのではないかと推察いたします。
 
 以上に基づき、私なりに「ミュージカルバトン」の負の部分に関する総括をいたしますと、「一見誰にも迷惑がかからず、伝播力も弱い形に見せてはいるが、それゆえに逆に瞬く間に広がり、また『広がること自体』が誰かの迷惑になっているのではないか」ということです。今回のバトンに限らず、「1対多の受け渡し」であれば、必ず同様の問題が発生してくるような気が私にはいたします。これこそが、今までは大きく取り上げられなかった「チェーンメール的なものが問題となるもう一つの理由」なのではないでしょうか。


【バトンがウケた理由と、その効果の限界】
 もう十分に長くなってますが、もう一点、バトンの持つ「正の部分」にも触れてみたいと思います。自分自身がブロガーなので、ブロガーにとっての利点を中心に書くことになりますが、ご容赦下さい。

 ブログの楽しみの一つとして、「自分の嗜好や興味の対象に関する情報を公開でき、それについて反応がもらえ、相互に世界が広がっていく」という点があると思います。私自身もAIRレビューや響鬼のレビューで体験しておりますが、同様の趣味の方々と緩く意見を交わしながら、一種のクラスターが形成されていく様はなかなか壮観であり、他では簡単に得られない類の喜びに触れることが出来ると思っています。

 ミュージカルバトンは、このクラスター形成を側面支援する補助的交流ツールとして期待されたのではないかと思います。普段頻繁にTBを送り合うあの人は、どんな音楽を聞いているのだろうか…という純粋な興味から、今までとちょっと異なる交流のきっかけが生まれるかも知れず、そういう点で「ミュージカルバトンは特に交流重視型のブログには受け入れやすかったのだろう」ということです。

 では、この正の部分は十分な効果を発揮したでしょうか。私は「否」と考えます。確かに一時的には「へぇ~」という感慨は受けるものの、そこから更に派生して新たな展開を生んだ例を、少なくとも私は知りません。バトンを渡して下さった方との関係が、必ずしも「バトン記事」の内容に反映しないのですから、それも無理はないと思います。

 また別の視点として、バトンによって生まれた記事群が、後に第三者から参照できる有益な情報となる可能性も考えられますが、これも現在のバトンについてはかなり疑問です。ブログの通常記事では、相手が書いた記事に対して少なからず関連のある記事のTBを送ります。一方通行のものであっても、レビュー記事に多い相互TBであっても、その点は一緒です。だから、相互に似通った内容の記事が連鎖していくこととなり、前述のようにクラスター生成が可能なのです。しかし、各バトン記事をつないでいるのは「音楽に限らない何かの縁で以前から交流がある相手」というものであり、各記事の共通項も「それぞれ自分が好きな音楽」という一点のみ。これでは、「付加価値の上昇」は見込めません。


【この先には進めないのか…】
 今やほとんどの人が何かの形で愛着を持って触れている「音楽」を題材とした企画だったこともあり、ミュージカルバトンは一世を風靡した格好になりました。しかし、ネット上に有意義な成果を残したとはとても言い難く、一方で前述のような「迷惑を生むタネ」という側面があったことを考えると、やはり一つの「徒花」であったのかな、というのが私の印象です。

 しかし、多くの人がこれを「面白い」と感じたのですから、そこにはもっと可能性があるようにも思えるのです。迷惑のタネとなる増殖の仕組みを取り除き、連携自体が付加価値を高めるような工夫を施せば、より良い仕組みとして昇華できるのではないか?そんな想いが私の中に、ふつふつと湧いてきております。今日はもう時間も気力も尽きてしまったため、ここで筆を置かせてください。後日、私にその気が残っていたら、続きを書いてみるかもしれません。超長文に最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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※追記~続き記事、「バトンとは別のもの」が出来ないか。
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
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コメント
この記事へのコメント
附和雷同
 てりぃさん、こんばんは。

 このエントリを読んで自分は、最後のバトンを渡さなければ良かったのでは?と思いました。
 先月だったか、様々なサイトで、月間の検索キーワードランキングが発表されていました。
 そのモチベーションについて少なからず、「誰々さんがやっていたから」というのがありました。

 ですのでこの「バトン」についても、そのレベルで伝播すれば良かったのかな?と…
 しかし、「ミュージック」に続いて、「コミックス」や「ビデオゲーム」などに広がりを見せる、この「バトン」現象。

 でも多分ですけど、これも立ち上がるレッサーパンダと同じじゃないのかな?
 何しろ、熱しやすくて冷めやすい日本人ですからね。


 それでは、よしなに。
2005/06/22(水) 23:15:13 | URL | Akihiro Inda. #TeoMOB/s[ 編集]
THE ブーム
どもです、Akihiroさん。コメントありがとうございます。

立ち上がるレッサーパンダと同じ、というのは目鱗でしたね。動物ネタで言えば過去にもタマちゃんとかウーパールーパーとかエリマキトカゲとか。歴史は繰り返す?

結局、「バトンを渡す」「受け取る」という行為に、一種の快感が伴うのだということに気付きました。これではなかなか沈静化しないかも、とも。どうなりますやら。
2005/06/23(木) 21:07:53 | URL | てりぃ #O8jQI81I[ 編集]
ご無沙汰しています
きつねのるーとです。
ご無沙汰してました。お元気でしょうか?

さてさて、「~バトン」私の周りでもようやく火がついてきたようで、流行っています。ただし、皆さん「五人に回す」は、辞退されるか、あきらめているかで1:1のまわし方で、しかも、一人に複数の方からバトンが渡っているという…末期的症状が出ています。(「私がアンカーです」宣言まででています)

しかし、「バトンを渡す」「バトンを受け取る」と言う行為に一種の快感を伴うのは、どうしようもない事実です。(私もそう感じています)
ネタが変わると、また起きそうな予感がしますね。
2005/06/29(水) 17:28:18 | URL | きつねのるーと #N4sINcV.[ 編集]
末期ー
きつねのるーとさん、どうもです。何日かおきに記事の方は拝見しに伺っておりますです。おかげさまでご覧の通り元気でございますよ。

末期的症状、やっぱりって感じですね。もう収拾フェーズに入ってるってことなんでしょうね。音楽以外のバトンも無差別的に起こってはいますが、今ひとつという感じのようです。このままひっそりと終焉を迎える気がします。
2005/06/30(木) 01:46:59 | URL | てりぃ #O8jQI81I[ 編集]
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