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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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オーズ 第44話「全員集合と完全復活と君の欲」
 「AとBとCのX」という形のサブタイトル。

 このブログでは、「『A』と『B』と『CのX』」という本来の読み方だけでなく、「『AとBとC』のX」というこじつけ的な読み方でも、なかなか面白い部分があったりしますよね、というネタふりを何度かして参りました。

 今回のサブタイトルについてそれを適用してみると。

 「『全員集合と完全復活と君』の欲」

 …なんか、わかるようなわからんような、微妙なところではあります。少なくとも、「全員集合」が誰かの欲望として存在していたかというと、これがかなりアヤシイ。いやぁ、視聴者的にはね、グリード揃い踏みの図というのはなかなかに燃えますんで、そら見てみたいと思ってはいましたし、実際に見たら「キター」とは思っちゃいますさ(真木博士がいなかったし、アンクも人間体+翼だったけど)。でも、視聴者ではなく、登場人物誰かの欲望として「全員集合」が有り得たかというと、ちょっと首をかしげざるを得ません。

 ううむ、今回はこの読み方じゃ難しいのかな…。でも、この「AとBとC」に共通するもの、っていうのは、在るような気がします。虚しいんですよね、どれも。全員集合なんて、ほんの一瞬です。物理的に「ほぼ同じ場所にいた」って時間はもう少し長いですが、ああやって疑い合い、互いを攻撃し合っていた時間なんて、かりそめの集合とさえ呼べないんじゃないですかね。しゃーない、ここは大同団結だってなって、表向きは揃って立つ。…これだけに限っちゃうと、グリードが全員揃っていたのって、本当に一瞬です。
 
 そして、今回とうとう退場となってしまったカザリの「完全復活」にしても、これまた一瞬でしたよね、9枚のコアが揃っていた時間って。一旦はあと一枚というところまで肉薄しながらも果たせず、その後もさんざん引っ張り抜いてのようやくな完全復活でしたが、終わるのはほんの一瞬。注意一秒ケガ一生、なんて言葉で総括しちゃうとアレですが、ホントにまあ儚いったら無かったですね。

 欲ってのは概ね、満たしたところで長続きしなかったり、期待していたような満足感には程遠かったりで、そもそも虚しいものなんです。詩人の大岡信氏が弱冠18歳で書いたとされる、「水底吹笛(すいていすいてき)」という詩があるんですが、この中にも以下のような一節があります。

うしなったむすうののぞみのはかなさが
とげられたわずかなのぞみのむなしさが
あすののぞみもむなしかろうと
ふえにひそんでうたっているが


 まーどうですか、18歳にしてこの達観した内容は。若くしてそんな悲しい真実に気付いてしまっては、つくづくヤになっちゃうんじゃないの、とか要らん心配もしてしまいますが…。でも、そういう真実に気付いたとしても、人は望むことをやめられないし。仮に望むことをやめることができるとしても、それがいいのかと言えばこれまた考えどころだし。虚しさに気付きながら、自分の望みとどう付き合っていくか、それが人の生きる道に共通のテーマの一つなんでしょうね。

 …話が逸れましたが。

 サブタイトルの構成上、「欲」で括られるかもしれない「全員集合」も「完全復活」も虚しいものとして描かれた今回。「君」もまた虚しいものとして描かれているんじゃないかと、私はそう思っているわけですが、じゃあこの「君」って誰なのよと改めて問うと、実は色々な答えがあり得ます。普通に考えれば、「君の欲」ってことが前面に取り上げられていた映司のことを指すだろう、というのが真っ当なんですが、本当にそれだけかと言えば、さにあらず。別にこの「君」、カザリだっていいんですよね。自分の主導に基づく思い通りのメダル集めを望み、自らの完全復活を願って、しかもそれが達成された直後に全て奪われる結末を辿った、敵ながらも悲しいカザリ。この虚しさったらないよ?

 他にも例えば、この「君」はアンクでもいいと思います。既に赤のメダルは3枚が破壊された後で、自分自身の完全復活の道は望むべくもなく。だけど、アンクは、求め続けることしかできないんですな。だって、グリードだから。だって、欲望そのものだから。それで満たされるのかどうか甚だ怪しい、いや、多分満たされることはないのだろうと、そういう状況であっても、アンクは自分の望みに向かい続けます。これがまた、実に虚しい。カザリみたいに「終わり」を迎えてしまっていない分、まだしも希望がないわけではないですが、それでもやっぱり、アンクの望みは虚しさが漂います。アンクの「終わり」もまた、カザリの「終わり」同様に、虚しい終わりとなるのでしょうか…。

 そして、「終わり」と言えばこの人、の、ドクター真木。ああ、「この人」と言っても、もう「人」ではなくなってしまったんでしたか…。覚醒剤やめますか、それとも人間やめますか…なんてCMコピーの流行った時代がありましたが、本当に人間をやめてまで自分の望みを叶えようとするドクターには、やっぱりある種の悲哀が香ります。しかもその願いが、「世界を美しいままに、完全な終わりへと導くこと」なんですから、こらぁもうどうしようもなく虚しいよね。その願いは歪んだ願いではありますが、やはり虚しい願いです。彼がそう願うに至った過程を含めて、もっと幸せなオルタナティブは無かったものかと、思ってしまう辺りが虚しさ炸裂です。

 そのドクターの後を追うように、自らもグリードになってしまうかも知れない映司は…そもそも欲が無い、というところが虚しさキングです。お金持ちの家に生まれて、もう大概の贅沢は極めてしまった、なんて話を聞くと、ナンダコノヤロー、という嫉妬の心がメラメラと内から沸き上がったりしますが、でもこの映司というキャラクター、少なくとも今こうして見る限りは、憎みきれない好青年です。根がいい人だから?一年間応援してきたオーズその人だから?今まさにグリードになるかもしれない運命と闘う可哀想な人だから?…どれも違うんじゃないですかね。

 大概の贅沢は味わってしまって、今は欲望の向かう先が見あたらないという、映司の姿。それは、高度成長にバブル経済を経験して、かなりの物欲にはもう飽いてしまった日本人の一面を表してはいないでしょうか?

 今の僕らの抱える問題の一つを、端的に背負ってるキャラなんですよ、映司は。そりゃあ、憎めないのも当たり前です。

 私自身を振り返ってみても、そもそもがガツガツした性格ではないのですが、加えてここ数年は一層枯れてきた感があります。今までは単に加齢のせいかと思ってきましたが…下手するとこれは時代の病だったりしませんかね?やりたいことがはっきりしない、自分の欲求の向かう先をなかなか決められない、結果として「生きるための力」が体に満ち溢れない…。

 だから、サブタイトルは「映司の欲」ではなく、「君の欲」なんですよ。視聴者へ対する問いかけなんです。あなたは何を望んでいますか、と。向かう先を見据え、その欲求に従って、生きる力をみなぎらせて進んでいますか、と。やってもムダだ、やりたいことなんてない、欲しいものなんてない、そういう虚無感に囚われた紫色の日々を送ってはいませんか、と。

 一致団結の熱狂も遠く過去のものとして冷ややかな視点に立ち、バブル崩壊後の立ち直りも実感として感じられないままに来ている僕らは、「全員集合」の熱さも「完全復活」の喜びも得られぬまま、平常運転の日々を過ごしています。しかし、このままで、濁った感覚をだましながら一生を終えていいはずがありません。


 何を望むの?


 何を願うの?


 その問いを、自らへのものとしても噛みしめつつ、映司の出す答えに拳を握りたいものです。あと4話、か…。


~~~


お前らじゃない。


 必ず手に入れると豪語した一番欲しいものを聞かれての、アンクの一言です。

 あっ。

 これを聞いて、思ったことが二つありました。一つは、お前ら~映司と比奈との交流も、アンクは「欲しいものの一つ」として、ちゃんと自覚していたんじゃないか、ってことです。もちろん、「お前らはそう思ってるかもしれないが」ってだけであって、アンク自身はそれを欲しいとは全然思ってない、というケースもあり得ますが…でもあの即答ぶりや物言いは、「人から得られる信頼や情愛も、立派な欲望の対象だ」ということを、アンクが自分の感情として持ち合わせていることを強く匂わせます。はっきり言うとね、人間くさいんですよ、すごく。下世話なもの、例えば色恋沙汰の「アタシが本当に好きなのはアンタじゃないのよ」みたいなパターンに置き換えても、全然問題なく通用する感じなんです。グリードとしての言葉じゃなく、人間としての言葉っぽいんです。

 一番欲しいものじゃない。でも、それも実は欲しい。そういうことなんじゃないの、これ。ああ、やってくれるねぇ…。



 さて、思ったことのもう一つは…「何故アンクは『完全な存在になることだ』って答えなかったんだろう」という疑問なんです。

 だってそうでしょう?以前に映司たちにも完全な存在になることへの欲求を語っているんだから、今更そう答えたって別に不都合があるじゃなし。「実はお前らのことも好きなんだけどよ」なんてことを不用意に匂わせるよりも、ズバッと言っちゃえば良かったんですよ。

 何故そう言わなかったんだろう…。

 答えは一つです。「一番欲しいものが、他にあるから」。まだ誰にも明かしていない、アンクの真の欲求が他にあるんじゃないですかね、これは。「完全な存在になる」ことすらそのための過程か、もしくはただのフェイクにすぎないようなものが…。

 この私の読みが正しいかどうか。いずれにせよ、残り4話です。ああ、色々と身悶えしますねぇ…。
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テーマ:仮面ライダーオーズ - ジャンル:テレビ・ラジオ

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