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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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オーズ 第42話「氷とグリード化と砕けた翼」
 「氷」が「砕けた~」と連関していたり、「グリード化」の行く末はあらゆる感覚を鈍化させていく道らしいという話が出てきて、それが「氷」の持つような凍結のイメージとかぶっていたりで、今回もなかなか深く渋いサブタイトルであります。

 前半では「アンク不在」が前面に出ていたエピソードでしたが、後半では全体を映司のテーマに収束させてきています。あ、ひょっとすると、この3つの言葉全部が映司に絡むものかもしれませんね。「グリード化」は言うに及ばず。「氷」の方も、先に挙げたように「あらゆる感覚を鈍化させていこうとしている映司」の象徴だと思うとピッタリ重なります。最後の「砕けた翼」は、なぁ。直接は今回遂に倒れたアナザーアンクのことなんですが…同じように翼を広げて、空中戦で互角以上に戦ったプトティラのオーズを見ていると、ねぇ。映司のこともそこに重なっているんじゃないかと、そういう気持ちにさせられちゃうんだよね。

 無論、映司の翼は、まだ砕けてはいません。でも、このまま戦い続けていけば、彼の翼も砕けて…人ならぬもの、グリードとして、もう二度と満たされることのない欲望だけの道に入っていくことは避けられません。…ああ、この「行き詰まり感」を何とせん…そう思っていたところに、更に追い討ちをかけるようにあのラストですよ!!おいおい、ただ「とりあえず喜ぶこと」さえも許してくれないのかこの番組は!!
 

~~~


 「グリード化」というのがですね、こんなにも辛い先行きだとは、想像していなかったんですよ。

 映司が、ドクター真木と同様に、グリード化の道に入っていることには気付いていました。それが、人間をやめることだ、ともわかっていました。でも、グリードが人間と同じような感覚を有する生物の一種なのであれば、まだしもだったと思うんですよね。だけど、そうではない、と。人間が感じるような豊かな感覚はおよそ望むべくもなく、満たされぬまま肥大した欲望を振りかざすだけ、とは…。

 これは、改造人間である元祖仮面ライダーの、重要テーマの一つですよね。人でないものに変わり果てて、人の喜びを失くして、それでも人を守るために戦う、その悲哀。いやー、久しぶりじゃないか、ここまで原典のテーマに切り込んできたのは!アイテムを装着して変身することが多い平成ライダー中では、むしろ稀なんですよね、ライダー自身が「人ならぬもの」の悲哀を併せ持つのは。前作Wも、その前のディケイドも、ライダー本人は人間でしたからね(Wにおけるフィリップの位置づけが微妙と言えば微妙ですが、あれは「人じゃないものに変貌することの悲哀」というのとはちょっと違いますので…)。

 ただ、映司の場合は、「人ならぬものに変貌したその後に戦い始める」という元祖ライダーとはちょっと違うんです。先に戦い始める展開があって、「このまま戦い続ければ人ならぬものになるよ」という、そこのジレンマを突き付けられる流れなんですよ。そう、これはクウガですよね。あとは、私自身はろくに見ていないんですが、ブレイドの終盤の展開もこれに近いのかな?あとは、あえて言うなら、ディケイドの中で描かれた響鬼の世界もこれに近いと思います。まあでも、せいぜいそのぐらい。明らかにマイノリティですよね。

 子どもがグッズでなりきり変身をやって遊ぶ…そういう想定からすると、この設定はヘビーに過ぎるんですよね。だから、あまり番組として突き付けることがないのでしょう。でも、「じゃあどうでもいいのか」と言えば、そうではないと思います。むしろ私は、この辺を描くことは大事なことだと思うんですよね。いや、自己犠牲の尊さとか、そういうことではなくて、さ。自己犠牲が必ずしも正しいわけじゃないことに言及しながら、だけどそれでも戦おうとする、その姿勢から何を見つけるか。この、「答えのない問いに直面して、一体何を思うか、どう考えるか」というのがね、大事だと思うわけですよ。

 オトナだって答えなんか出せないでしょ、これ。色んな回答があると思うのよ。自己犠牲なんて間違ってる、そんなものに身は投じない、という回答もアリだろうし。いやでもやっぱし誰かがやらなきゃいけないことなんだから、オレはやるよ、というのもアリだし。誰かがやってくれればそれでいい、オレは安穏と生きるって回答もあるんだろうし。そのどれが間違っててどれが正しいとか、ないでしょ。たくさんの「回答」はあっても、唯一の「正解」はないんだと思うんです。正解はないけれど…その正解なき問いに答えを出そうと、色々に思い悩むことには、大きな意味があると思うんですよ。

 映司だって、唯一つの自分の答えを、まだ出してるわけではないですよね。「でも、今は行かなきゃ」って答えは出してるし、「破滅を導くのなら真木博士にメダルは渡せない」って答えも出してはいます。だけど、そのために「自分がグリードになっても構わない」ってところまでは、覚悟できていない感じです。そこまで自分を捨てる決心がついている訳じゃないのよね、あれは。だけど、とりあえず、今は助けなきゃいけないものが目の前にあるから、自分のことは今はさておいて、行かなくちゃ、と。

 それは、「神様の行動」ではありません。全てを見通し、全能の力を以て、万人の願いを受け入れ、叶える…それが神様でしょう。だけど、映司はただ、「万人の願いを(自分の手の届く範囲で)叶えている」だけです。全てを見通す力もなければ、全能の力を持ち合わせているわけでもなく、自分の何か大事なものを消費して、引き換えに人のためになっているだけで…。

 彼が、この先に、一体どんな答えを出して、その時に何と向き合うことになるのか。どこまで描いてくださるかはわかりませんが、とても楽しみですね。


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お前ちゃんと言えばいいのに。


 川辺に向かってそう言った映司の前に、後姿を見せて佇むアンクの影が…。


 …いやー、泣けた!なんつーか、色々と感じさせられる演出ですよね!今は失われている相棒の姿がありありと浮かぶってのもいいし、でもそれが後姿だってのがまた!アンクの素直じゃないところをよく表しているし、でもその背中がまた「肩肘張っていながらも、映司が思う『感じられないことの悲哀』そのものは肯定している」ようにすら見えるところが何ともかんとも…。

 そう、アンクと映司は、背中合わせなんだよな、どこまでも。片や、欲望の固まりであり、何も豊かに感じることができないグリードでありながら、信吾の体を借りることで人間の味わう豊かな感覚を知ることができたアンク。そして片や、元は豊かな感覚を持つ人間なのに、欲求らしい欲求を失くした辛い身の上を歩んできて、今は更に感覚を鈍化させていくかもしれない入り口に立っている映司。方向性が全く正反対のこの二人が、今はこうして交わる時の上にいて、わずかに重なる目的のために共闘していて…。

 でも、ようやく助け出すことが出来たアンクは、「結局は正反対なんだよ…」とでもうそぶくように、不敵な笑みを信吾に向けます…。

 ああああ!!身もだえせずにいられんだろこれは!!映司の問題だって、今は比奈が手を伸ばしてくれたってだけで、解決なんてしていないのに………。

 ひょっとしたらこの後は、毎週のごとく「どんでん返し的展開」なんじゃないだろうな…。見ている側も、ちょっと覚悟を上乗せしておいた方がいいかもしれません…。
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テーマ:仮面ライダーオーズ - ジャンル:テレビ・ラジオ

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