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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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13兆円と、6850億円。
 東京電力の総資産は「13兆円」に上るそうです。これを多いと思うか妥当と見るか、そもそも何と比較して(或いは何を基準にして)多寡を量ろうというのか、それは本論ではないので、この際脇に置いておきます。

 個人的に、「13兆円」と聞いただけで体が反応するんですよ、ピクッと。仕事で何度も扱った数字ですからねぇ。あのバブル崩壊後に間もなく問題化し、しばらくは金融不安の象徴的な出来事だった、「住専処理」。住宅金融専門会社(住専)が、バブルに乗って事業ローン(個人向け住宅ローンではない、主に不動産会社向けの一般貸付)に手を出してしまい、バブル崩壊と共に一斉に焦げ付いたせいで経営が立ち行かなくなった、あの事件。その、問題となった住専7社の全資産の合計額が、約13兆円でした。

 この時は、住専が倒れると、そこに貸し付けをしている金融機関が連鎖的に倒れて金融危機を惹起しかねない、だから公的資金の投入が必要なんだと、そういう議論になっていたんですな。しかし、根っこを掘ると、事情はもっと複雑で。そこに貸し付けをしている金額の7割近くは、農林系統金融機関が貸したものだったんですが、そうなるように指導したのが当時の大蔵省だった、という、何ともややこしい状態だったわけです。で、当然のごとく持ち上がる責任論。住専の株主であるところの銀行=母体行が全責任を負うべきだの、農林系統も含めて貸した金融機関=貸し手が平均して負担を負うべきだの、そもそもの指導を行なった大蔵省が公的資金で賄うべきだの。揉めに揉めたその挙句、最終的に公的資金を出すことに決まりはしましたが、その額が6850億円。金額だけ見れば決して少なくはないものの、「6兆5000億円以上とも言われるロスをどうやって埋めれと言うんじゃー」な、中途半端な決着に終わったのでした。
 
 まあ、金額の多寡の問題は、見解もいろいろに分かれるでしょうけれど、一番の問題はそこじゃありません。この「金額が中途半端だった」ことに象徴されるように、本来はこの枠組に合わせて追求されるべき、「誰がどのような責任を負うのか」が、なぁなぁで終わってしまったことが、一番の問題だったのです。

 住専の債権は「住専処理機構」というところに移され、そこで回収処理が進められることになりました。中坊弁護士というやり手の人がそのトップに就き、個々の債権に対して銀行の責任追及などをやっていましたが、このやり方はメチャメチャ時間がかかるんですね。短期的には、誰もあの「住専が貸し過ぎた」ことの仕組みの責任を取っていなかった。だから、当然のように不良債権処理は長引きましたし、それに引きずられるようにして日本経済も底を這い続けてきたんです(わかりやすくするために、物事を単純化して書いていますからかなり乱暴ですが、本質的にはそういうことだろうと思っています)。大蔵省が自分の責任を棚上げした適当な決着に導いた、銀行も(そもそも彼らは一介の民間企業に過ぎませんが)日和見を決め込んだ、農林系統金融機関は自分たちに責任のないような顔を決め込んだ…そういう体質が、恐らくは日本全体に蔓延していたんだと思います。

 あれが、1995年の12月。翌年1月からは第136回国会で延々とその案に対する審議が続くことになりますが、あのような「劇場」に乗るその前、案が出されたその時点で、住専処理の大まかな方向性は決まっていたも同然でした。言わば、「この件での本質的な責任論は棚上げにする」という方向性が。


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 東電に係る補償のスキームを見ていると、そのことが脳裏に浮かぶんですよ。あれから16年経っても、またこの国は同じ過ちをしでかそうとしているのかという、どうしようもない焦燥とともに。

 金額の負担の問題は、最終的には何かに決めねばならない問題でしょう。その足りない分を、税金で賄うのか料金値上げで賄うのかは、どちらにしても国民に影響が広く波及するという意味においては些細な違いです。一番問題なのは、「誰がどのように今回の問題の責任を負うか」「それをどのような形でスキームの内部に組み込むか」であるはず。まずは東電なり国策なりの「かつてのあやまち」をどのように認めるのか、その分をどこまで負担して責任を取るのか、それが先に示されなければ、どんなスキームとて張子の虎でしょう。

 「6850億円」。それのみをミソギとしてポンと放り、後は粛々と事務作業のように進めるような決着は、私はもう二度とご免です。こんな場末のブログで書くだけで十分とは思えないけれど…せめて、こうして、まず声は上げようと思います。「ふざけんな」と。
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