「何故なら今日は、徹夜だからぁ!www」
いいよね、祭りの時の徹夜の感覚!オレにも覚えがあるよ、実際に徹夜までしたことは決して多くはないけれど、限界までテンション上げて祭りに乗って行った経験は数知れず!ああもうたまんないねぇ、若さに任せて突っ走っちゃうこの感じ!!
よぉし、じゃあオレも今日は半徹だぁ!www って、結局毎週やってるけどなwwww
…ああ………。
「夜を徹して頑張る」のは一緒なのに…何でこうも違うんだ…畜生、オレもあっちがいい!あっちがいいヨー!先生、明日休んでもいいですか?!(…誰だよ先生って…)
いいよね、祭りの時の徹夜の感覚!オレにも覚えがあるよ、実際に徹夜までしたことは決して多くはないけれど、限界までテンション上げて祭りに乗って行った経験は数知れず!ああもうたまんないねぇ、若さに任せて突っ走っちゃうこの感じ!!
よぉし、じゃあオレも今日は半徹だぁ!www って、結局毎週やってるけどなwwww
…ああ………。
「夜を徹して頑張る」のは一緒なのに…何でこうも違うんだ…畜生、オレもあっちがいい!あっちがいいヨー!先生、明日休んでもいいですか?!(…誰だよ先生って…)
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実に欲張りな、贅沢な回でしたね!!終わりへの予感を孕みながらも、学園祭独特の疾走感やら「今までを全部詰め込んだ感」やら、繰り返しが効いてくるギャグもちょっとしたスリルもてんこ盛りって感じで。実際、今回に関して書くべきネタをさらってみたら、もう何かあっちこっち色々と出てきてしまって、どうまとめたものやら途方に暮れるくらいで。レビュー一本にしてちゃんと流せるのか、これ。
…個々のパーツの羅列に終始してしまい、多少バラバラな感じになってしまうかもしれません。でも、時間内になるべく多くのポイントを拾う方向でやってみます。時刻は今、午前3時半。…うはは、あと2時間ぐらいで全部まとめないと、風呂も睡眠もなくなるなァ…こっちも相当な疾走感だわ、こりゃ…。
【渦中のドライブ感に乗って】
今回のアバンには、「ロミジュリ」と直接の関係がない、導入部然としたものが置かれています。時は学園祭二日目、既にあちこちが慌しく始まっている最中での、模擬店のための追加買い出しですね。出てくるのも梓と純の二人で、「3年生の出し物」とは、やっぱり直接の関係は無さそうです。
じゃあ、これは何となく時系列に沿って置かれただけのアバンなのかって言えば、そうでは無さそうですね。ここで出てくるコンビニの店員が、いかにも学園祭渦中という雰囲気の衣装を着た二人に気を取られて、お客さんに気がつくのが遅れるくだりが描かれてたりしますから。
彼の抱いていた気持ちは、明確には語られません。「ああ…かわいいなぁ、女子高生」なのでしょうか、いやひょっとしたら、「ナマの女子高生ハァハァ」とかいう最低風味なものだったかも知れません(爆)。でも、私にはそういう即物的な感じより、どちらかと言えば「微笑ましいなぁ…」という風に見えました。彼の表情が、そういう感じに見えたんですよね。
何故、学園祭の衣装を着た高校生の姿を、「微笑ましい」と感じるのか。それは、この姿が自分自身もかつて過ぎてきた、青春のただ中にしかない独特の空気を纏っているからではないでしょうか?自分にはもう縁がなくなってしまった遠い日々、でも自分にも確かにあったその時間のことを、そうとは気付かぬうちに重ねて見ていて…詳しい事情は知らないながらも、彼女らが過ごしているであろう「今」に、ついつい共感してしまうんです。
今しか無い、「今」。
その独特の空気を、ロミオとジュリエットの上演エピソードを真ん中に据えながら描き出していくのが、今回の話なのでしょう。梓と純は、この世界の主人公とも言える高校生の女の子たち。名もないコンビニの店員は、その世界に共感を覚えながら見ている私たちそのものです。あれっ、するってぇと、レジに品物を出して、店員さんを我に返らせているおばあちゃんは、「明日の仕事」の象徴だったりするの?いやああああああああ!!!
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Aパート、冒頭。
買い出しから帰ってきた梓が目にする張り紙に、講堂での出し物のスケジュールが書かれています。
3年2組の「ロミオとジュリエット」の後ろに書かれているのは、3年5組の「Another Time」という出し物。創作劇でしょうか、それともバンドの名前でしょうか。これに対する説明は特になされないので、本当のところはわからないのですが…それが何なのかはわからなくても、この名前が書かれていることは間違いない、確かなことです。
「もう一つの時間」。象徴的ですよね?例えばそれは、軽音部で過ごす彼女らの時間とはまた違う、もう一つの時間。
梓のモノローグが何回か入っていたり、Bパートでは部室に「凱旋」してきた先輩たちに対して吐露もしている通り、澪を初めとする4人はここしばらく演劇の準備に大わらわで、軽音部の練習にはほとんど時間が取れていないようです。
でもそれは、あくまで「もう一つの時間」なのであって、そもそもの彼女らの時間、本来の時間も、ちゃんとあるんですよね。どっちが上とか下とかではなく、どっちもちゃんとあって、どっちも渦中には精一杯やる。そういうことなのでしょう。梓の心配も仕方ないけど、先輩たちが軽音部を蔑ろにしているわけではないんですよね。
それを先取りした、演劇の舞台裏で言われる律の一言が、なかなか。
いーんだよ、芝居の間はずっと役になりきってんだから。
この演劇の間は、演劇のことを一生懸命考えて。演劇が終わって軽音部のメンバーに戻ったら、ライブのことを徹底的に頑張ると。そういう含みのある言葉なんじゃないかと思います。
どちらも、今しか無い「今」だから。
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あ?!あれって、ファンクラブの女の子たちじゃない?
演劇が開演する直前の、唯の一言です。ひっ!と小さく叫ぶ澪が可笑しいですね。でもここはそれだけでは終わらなくて、曽我部先輩がライブに来る、なんて話もムギの口から出ています。
そして、円陣を組んで言われる、「集大成」の一言。
色々と味わい深いですね、「集大成」。このクラスにとっての集大成の出し物、ロミオとジュリエット。また、次週には放課後ティータイムにとっての集大成となるべき、ライブが控えています。同時にそれは、これまで描かれてきたけいおんシリーズの大きな節目であり、ここまでの時点の集大成とも言えるエピソードになるはずです。だから、上記のようにファンクラブと曽我部先輩の件が触れられていたり、ちょっと前の紬の焼きそばの件が寝言でつぶやかれてたりするんでしょう。他にも、「ドキドキ分度器」「カバンがばか~ん」「アライグマが洗った恋」などの歌詞作りの一件やら、修学旅行の夜を彷彿とさせる「特別な夜」の感じやら。これまで何度か印象的な露出のあったオカルト研との関わりまでフォローされてますし。
キャンディーズの最後のシングル「微笑がえし」の歌詞みたいですね。今までのヒット曲のモチーフがちょっとずつ散りばめられていて、「あ、これって」って気付ける仕掛けになっていて。お弁当で言えば、幕の内。ライブで言えば、後半の過去ナンバーメドレー。そういうものと共通する、「プチ・ゴージャスな感じ」がたまりません。
何故、たまらないのか。
否が応にも盛り上がっていくこの感覚とは裏腹に、この「集大成」がクライマックスに向けて登りつめていく過程であること、そしてその後には「終わりが来ること」を、僕らがわかってしまうから、なのではないでしょうか?
今しか無いんです、この「今」は。
~~~
そんなパーツをあちこちに散りばめながら、擬似リアルな感覚を僕らに突きつけつつ、ロミオとジュリエットは直前の準備のスパートから本番まで一気に駆け抜けました。大事なパーツ・お墓がない!なんてトラブルも絡めながら、スピードはどんどん上がり続けて…。
先週心配された澪と律の演技は何の心配もなく、クオリティの高い演技で通すことが出来たようですし、「別の意味でハラハラ」させられっぱなしだった唯も、特に失敗することなく終わることが出来ました。
「演劇」という課題を無事にやり遂げた、クラスの達成感。「今」という疾走感を描ききったエピソードの終結。ともに大成功と言っていいのでしょう。
でも。
その夜の誰もいない教室、大成功と書かれた黒板のある風景は、どうしてこんなに寂しく目に映るんでしょうか?
あんなに充実した日々も、楽しかった時間も、ドキドキした瞬間も。
終わってしまうんです、過去になっていってしまうんです。
【最後のライブの前夜祭に】
とうとう、最後のライブなんですね…。
シリーズ構成としてはあと数話が残っていますから、まだちょっとした演奏の機会は描かれるかも知れません。でも、彼女ら軽音部の予定にある公式行事、オフィシャルな形での「大きな発表の機会」としては、これが最後。まさに集大成となるべきは、この学園祭ライブなのですよね。
「ロミオ…お前が愛しているのは…
Aパートのラストが、妙なセリフの切り方で締められていたことに気付きましたか?ここは本来なら「我らの敵、キャピュレット家の娘なのだぞ」とか何とか続くべきところなんでしょうが…メタ的には、全然違う意味合いに聞こえてなりません。
ロミオ=澪が愛しているのは、どういう時間か?
軽音部での時間、ってことではないんでしょうか?
いーんだよ、芝居の間はずっと役になりきってんだから。
演劇の間は演劇に集中していた彼女ら。ここからは、軽音部の時間です。
部室に入ってからの、律の「部長として」の流し方がたまりませんねぇ。これまであまり一緒に練習出来なかった分を取り戻すかのように、彼女にできることをきっちりこなしていく様が実にいいです。
例えば、寝袋を持ってくる顧問のさわちゃんとの「阿吽の呼吸」的な連携とか。他の部員は誰も泊り込みなんて想定していなくて、本当にいきなりお泊りにして大丈夫なのかと問うているのに、律はどこで根回ししていたのか、ちゃんと話を通していたんですね。17話の「部室がない!」辺りでも描かれていたそれが、ちゃんと息づいているのが素晴らしいです。
相変わらず「形式的」な手続きには気が回らず、和から指摘を受けるのも相変わらずですが…でも、ここにはもう一つ、大事な描写があって。和が律の顔を意味ありげに見ながら言うのが、以下のセリフなんですよね。
だって、徹夜の準備って楽しいし?
まるっきり、律が何で徹夜の練習を言い出したのかって、看破している感じじゃないですか。別に律は、技術的に「練習が足りないから」と思って徹夜練習を発案したわけではないんですよね。徹夜練習をすることが楽しいから、ひいてはそれが「みんなにとっての大切な時間」になっていくから、だから言い出したんじゃないでしょうか?
だから、夜通しの練習ではなくて、「気分転換」とか言いながら皆で散歩に出たり、ムギの提案に乗って夜の学校を皆で探検したりするんです。「皆で」です。ただの気分転換なら、三々五々に、各自好きなことをして休憩してたっていいのですが、でも、それでは意味が無い。みんなで何かをして、一緒の時間を刻んでいくこと、それこそが大事だって、律は考えてると思うんです。ライブの演奏とは直接関係がないけれど、外の模擬店の様子をあれこれ言い合ったり、寝袋にくるまってテンションの高い会話を交わしたり…。
今しか無い、「今」。
この時間は、本当に「今」しかないんです。過ぎてしまえば、過去になってしまうもの。いつか現役の高校生を見たら思い出すかも知れないけれど、「微笑ましいなぁ。自分にもあんな時間があったよなぁ。懐かしいなぁ」と振り返ることしかできなくなる、そういうもの…。
EDの「NO, Thank You!」では、制服姿の彼女らがそれぞれに歩いていくカット、スローモーションでジャンプするカットがあります。PVとしてはステージ衣装を着ての演奏シーンも描かれているのですが、演奏シーン以外では制服姿で。
あえて描き分けているのだから、そこには意味があるのでしょう。制服の姿は、演じているものではない素のままの彼女ら、高校生としての時間を過ごす彼女らを表しているのでしょう。
その姿のまま、スローモーションでジャンプしているところが、彼女らの時間をとても的確に表していると思うのですよ。すごく長く感じられるけど、終わってしまえば一瞬へと変わってしまう、黄金の時。
楽しく過ごしたこの徹夜の「前夜祭」も、過ぎてしまえば「いつかの一日」になってしまうのですよね。仕方のないことではありますが、どうにもこうにも切なくて…。
~~~
今話のラストのカットは、Aパート冒頭で梓が見ていた張り紙が、3日目のものに張り替えられているのをアップで映しています。
そこにある、「放課後ティータイム」の文字。いよいよ本番、ってことですね。その下には、演劇部の出し物として「風と共に去りぬ」なんてのも見えます。
あれ?
風と共に去りぬ。
ロミオとジュリエット。
どちらも、心通わせあった二人が、お別れをして終わる話です。
…まっ?!
まさかそういう含みなのこれっ?!
心通わせあった軽音部の皆が、お別れに向かっていく、という?
まさか、それで「ロミジュリ」なのか、今回のサブタイはっ?!
…いや…それだけ、とも限らない、か…。
ロミオとジュリエットのあの二人の死は、確かに「お別れ」なんだけど…でも当の二人にとっては、「この愛を永遠のものに」と願ってのものではなかったかしら?
歌うよ 歌うよ
愛をこめてずっと歌うよ
「ずっと」、永遠に歌うことは、実際にはムリです。彼女らが、僕らが、「今」を生きる人間という生き物である以上は、物理的な永遠には到達し得ない。
でも。
僕らは「ずっと」を願って歌うことができるし、今しか無い「今」を、すごく長く感じる充実したものにするために、頑張ることもできるんですよ。だから、律もああやって「大事な時間」を紡ぐ努力を惜しんでいないのだよね。
パーツは、揃いました。
彼女らの集大成・クライマックスまで、あと少しです。
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今回は学園祭のクラスの出し物「ロミオとジュリエット」の本番回。
クラスの出し物も終わり、いよいよけいおん部のライブに突入という流れに...
2010/08/25(水) 07:58:31 | 失われた何か