…なぁ?
……根本的な質問、していい?
………「ロミオとジュリエット」の主役って、「ロミオ」なんだっけ?(ぇー
え、いや、その、「Hero」「Heroine」の意味ならわかってると思うんだけどさ、それって「男役メイン」「女役メイン」であって、「主役」「準主役」ってのとは違うんじゃないのかと思って…あれ?違う?オレ何か変なこと言ってるの、ねぇ?
(……Pu!)
言いたいことがあるならはっきり言えええええええええええええええ!!!
……根本的な質問、していい?
………「ロミオとジュリエット」の主役って、「ロミオ」なんだっけ?(ぇー
え、いや、その、「Hero」「Heroine」の意味ならわかってると思うんだけどさ、それって「男役メイン」「女役メイン」であって、「主役」「準主役」ってのとは違うんじゃないのかと思って…あれ?違う?オレ何か変なこと言ってるの、ねぇ?
(……Pu!)
言いたいことがあるならはっきり言えええええええええええええええ!!!
……いやーー………。
書きづれぇ。orz
キャラクターの特徴や機微を、ギャグを適度に織り交ぜた巡行な流れに乗せて、一直線に描ききった秀逸な回、だとは思うんですが…大変素直に紡がれているためか、捻ったり捩ったりした箇所が極端に少ないので、私のような「邪推系レビュアー」だと、とっかかりがなかなか探せないんですよぅ。つるっとしたコンクリの壁を素手で登らなきゃいけない感じ?いやー、こういうのはもっとキャラクターに特化して抉り出すの得意な人とかいるから、もうそういうヒトに任せた方がいいんじゃないのとか何とか。
…すまない、実はオレ、転勤することになったんだ。仕事の都合でイルクーツク支所に飛ばしてやるって、上司が…。はっ?!夢か、いやーびっくりしたよ、半徹でレビュー書かなきゃいけないなんて、変な夢だよなー、あーっはっはっはっh
【主役は誰だ?】
「元々ウチが主役なんだから」
「俺が主役だーーーっ!!」
「ウチじゃなかったのけ?」
「俺が主役だったんだよっ!」
「だから主役を譲るんだろ?」
「ちっがーう!!」
資料が手元にないため、うろ覚えで書いてますから、細部が違ったらゴメンナサイ。うる星やつらの原作の中でもかなり特異な回で、登場人物自身が「この作品の主役は誰なのか」と言及しているくだりです。メタですねぇ。ちなみに、うる星やつらの主役は「諸星あたる」であって、「ラム」ではありません、念のため。
さて。
今回のけいおん!!はサブタイに「主役」と題されていますが、本編はそういうメタな展開とは無縁です。いっそ、そういう含みでもあればオレの得意分野なんだがぶつぶつ…あ、それはいいんだ、ごめんごめん。
今話の主役って、一体誰なんだろうね、と。その辺を考えてみたいわけですよ。
作品の要素を全て「記号」として読み解いちゃうと、「今回は澪回」みたいに簡単に結論出ちゃうんですけども…それだと、美味しいところを見落とす危険があると思うんですよね。例えがチープで申し訳ないんだけど、例えば「ツンデレ」って記号があるじゃないですか。だけど、記号的に「ああ、この子はツンデレなんだな」ってところで思考停止してしまうと、その子の個性やら、固有の人間関係や環境に基づく描写やらをスルーしてしまいかねない、と思うのですね。それじゃあ、ちょっとつまらない。ツンデレに見えるその子の振る舞いの真の理由は何かとか、その子の眼に見えているのは一体何だろうとか、そういう細部にこそ神は宿るわけで。
話を戻しましょう。
私としては、主役=表のメインは澪、準主役=裏のメインが律って辺りなんだろうと思うのですが…その辺をもう少し詳しく書いてみることにします。澪が今話の主役たり得る理由、律がそれを支えていると考える理由を。
~~~
あがり症。
恥ずかしがり。
人前に出るのが苦手。しかも極度に。
澪の持つ特徴、性格の一端ですよね。これまでにも、折に触れてそのように描写されてきてますし。それを今一度、まとめて描写してかかっている感がありますね、今回は。
何故に?
シリーズ物として作品の流れを見なおした時に、この辺の澪の特徴って、もう既に過ぎたこと、なんですよね。あがり症で恥ずかしがりで人前に出るのがすごく苦手で、それはもうみんな知っているんですよ、見ている側は。一期から続けて見ている人はもちろんのこと、二期から見始めた人だってある程度わかってきていると思うんです。もう18話もエピソードを重ねてきてますしねぇ。ある意味、描写し終わっていると言っても過言ではありません。
もうわかっていることを、何故にこのタイミングで、こんなに時間をかけて描写しているんだろう?って、疑問に思いませんか?
そこには、「改めて描写したいこと」があるはずなんです。
単に「澪成分が割と少なめだった二期だから、ここらで澪ファンにどどーんとサービスを」という狙いかもしれません。でも、私はそれだけじゃない気がします。わざわざ澪を大きくフィーチャーしたこの回、恥ずかしがりまくってあがりまくる澪を愛でるためだけとは思えないんです。
けいおん!!のシリーズを振り返ってみて思うことなのですが…二期でフォーカスされている点って、二種類あると思うんですよね。一つは、どうしても「卒業」という終点に向かっていかざるを得ない彼女らのことを、少しずつあぶり出していくという部分。そしてもう一つは…わずかながらの変化を、軽音部の彼女らがの積み重ねていっていることの描写じゃないでしょうか?例えば、梓が先輩たちと離れた時間を過ごす中で、何かに少しだけ気づくような。例えば、紬が自然なままで得られている自分なりのスキンシップに満足するような。
つまり。澪は今回、彼女の積み重ねとなるべき、何かの変化を示しているんではないかと。或いは、これまでの積み重ねの結果として、何か変化した部分を垣間見せているんではないかと。そう思うんです。
~~~
やけにあっさり説得されましたよねぇ、澪。
和が上手、というのは当然あると思います。
でも、それだけではないんですよね。これ自体が、澪の今までの積み重ねの成果だと思います。
皆で何かをやろうとすること、その思いを集めていくこと。そのためなら、自分も嫌なことを乗り越えていかなきゃ…こういう展開は、今までにも何度か描かれてきてるんです。一番端的なのは、一期の第6話「学園祭!」ですかね。あがりにあがって、緞帳が上がった時でさえ震えまくってた澪が、唯の笑顔と言葉にふっと緩めてもらえて…大きな壁を乗り越えた瞬間です。番外編「ライブハウス!」でも、せっかく新しいドアを開けたんだからと、苦手な部分を克服しようと頑張る澪が描かれていて、これは学園祭で大きな壁を乗り越えた先の、澪の到達点を意識した描写だと思います。
…あれ?
もうそこ、とっくに乗り越えてんじゃん、ねぇ?
描写の不整合?いーや、そうではないようです。平仄を取るための言及が少なくとも二箇所、今回のセリフの中で登場していますね。
接客と演技は別ものだから。
澪自身のセリフですね。紬の発案した特訓の意義をひっくり返しちゃう一言でしたがw、これは「以前乗り越えた壁と、今回突き当たっている壁とは、実は微妙に別ものなんじゃないか」ってことを示唆しています。
そして、それをわかった上で聞き直すとストンと落ちるのがこちら。ちょっと遡って接客特訓中の唯のセリフです。
でも、ライブの時はちゃんとできてるよ?歌も歌えてるし。
なるほど!澪が乗り越えた壁って、ライブの時限定じゃないですか!そう思って振り返ると…確かに、ライブ以外で澪が平気でいられたような描写って、これまで一切無いっぽいんですよね。ライブの時だけは、人前で何かする恥ずかしさを乗り越えられるけど、それ以外はからきしダメ。
そして今回は、まさにその「ライブ以外」で人前に出なきゃいけないミッションなんですよね。
成果は次回の「ロミジュリ!」に持ち越しになってますが、澪がもう一段の変化を示すべきエピソード、ライブ以外でも壁を乗り越えられるようにと頑張るのが、今回のメインなのではないでしょうか?
言ってみれば、これは先に挙げた一期の番外編「ライブハウス!」と同様の意味合いを持つ流れであり、音楽とは異なるベクトルでの「新しいドア」とも解釈できます。軽音部の活動からリニアに広がった新しい世界があのライブハウスでの演奏なら、今回はクラスの仲間と間に広げていく繋がりであり、音楽以外の部分へと対象を拡張していく動きなんですね。
次週、その成果はちゃんと出るんでしょうか?結果に期待、ですかね?
~~~
さて。
表のメインは上記の通りですが…裏にもメインがいるんですよねぇ。先も言ったように、それは律なんですが。
律だって、配役を嫌がっていた点では澪と一緒ですし、演技も澪とどっこいです。悪いけどジュリエットが適役、とも思えませんし…澪と違うのは、人前でそこまであがらない、ということぐらい。実際、Aパートでは澪と同レベルで皆から心配されています。
それが、Bパートではほとんど皆から心配されなくなってるんですよ。どうやら演技は大丈夫そう、って思ってもらえたのが大きいとは思うんですが…。
また、律は弟にもあずにゃんにも思いっきり笑われてます。これを本人はそれほど深刻に気にしているようには見えませんが、何気にひどい扱いを受けてますよね。この配役については、律は結構真剣に困っているようなのですが、あまり真面目に心配してもらえてません。澪とは好対照です。
律の突き当たっている壁って何だろう?どうやって、律は自分の中の何を乗り越えて、いつの間に大丈夫になったんだろう?
Aパートでの部室の描写で、律はこんなことを言って澪を見ます。
さてと…どうにかしないとな。
この時、どうにかしないといけないのは澪です。「私、トンちゃんになりたい…」とつぶやいて、現実逃避して憚ることのない澪。それはわかります。では、律の方はどうにかしなくてもいいのでしょうか?そんなことはないですよね。だってこの時、律はまだジュリエットの役をきちんとこなせるだけの目処なんて、全然立っていません。でも、律がこのセリフをつぶやいている時、目線は明らかに澪の方に向かっていて、自分自身のことは「どうにかしなきゃいけない対象」に含まれていないかのようなんですよね。
また、その後に和に対して、澪が配役変更を願い出る時の律も、こうです。
んー、どうしてもって言い張ってな。
自分のことなんて、全く出てきてません。これは別に澪をダシにして、あわよくば自分の配役も変更して欲しいとか、そういうのでは無さそうなんですよ。基本的に澪のことしか言ってない、そういう顔で描かれています。
自分のことさえできていない律が、澪のことだけを見て、「どうにかしないといけない」とつぶやいている。澪のことだけを心配して、「配役変えてやってもらえないか」という直談判に付き合っている。
人のために、なんですね、こういう時の律って。おちゃらけた表面だけ追ってると意外に思えることなんですが、部長として彼女がこなしていることと同じく、律はそれを自然にやっています。
自分のことはさておいて、です。
律が演技への突破口を開けたのは、澪と二人で家で特訓していて、その過程で偶然に「澪の演技を想定して真似すればよい」とわかったからなんですが…これとて、自分自身で気付いたのではないんですよね。澪の演技が実はできてるって律が気付いて、それに呼応して澪から指摘されて初めてわかったことです。
律は…澪がいなかったら、一体どうしていたんだろう?
一人ぼっちだったとしたら、律はどうやって自分の問題を切り開いていくんだろう?
人の問題を優先してしまう律は、もし助けを必要とする誰かがそばにいなかったら、どう行動するんだろう?不器用なのに…接客特訓の時も、唯や梓のようには上手にしゃべれなかったようなのに…。
この部分を受けた「律の変化」は、裏のテーマ故に次週では描かれないかも知れません。だけど…将来に向けて気になるパーツですね。卒業するって時に、放課後ティータイムが散開するって時に、卒業生側で一番ダメージがでかいのは、実は律なんではないのかい?
答えは、まだありません。いや、ストーリー上は明示されない、のかも。でもそこに、僕らは深みを感じつつ、彼女の心を慮っていけるんだと思います、それだけのものをこの作品から受け取れるのだと思います。
学園祭。成功するといいですねぇ。新しい世界となる演劇の舞台も、彼女らの集大成であるライブの演奏も。
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あ、今回はいきなり文化祭の第一日目のお話でした。
ん~~~っと、気になる出し物の順番ですが、唯たちのクラスの出し物、演劇の『ロミオとジュリエット』は一日目の午後、で、けいおん部のライブは2日目の午後って訳ですね。なるほど~~~。
そうそう、...
2010/09/09(木) 04:39:35 | 「きつねのるーと」と「じーん・だいばー」のお部屋