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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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けいおん!! #15 マラソン大会!
 どうしても避けられないイヤなイベントというのは、何かにつけてあるものですな。


 例えば、早朝レビューを書かないといけない日に限って入る、外せない飲み会の予定とか。orz


 ………………………………。


 はっ!いかんいかん、過ぎたことで悔やんでいても始まらないではないかっ!起きてしまったことは起きてしまったこととして、リカバリのためにがんばんなきゃ。


 そう、どうしても避けられないイヤなイベントというのは、あるものなんですよ。オトナだろうと高校生だろうとお構いなく、ね。それが避けようもないものなのなら、いっそそれと向きあう強さを手にして糧にしていく以外ないのです、だからそう、今話においても彼女らは辛い現実と向き合って力強く明日への歩みをすすmって、あるえぇ?そんなハナシだったっけぇ?←まだ酒が残っているらしい
 
 はい。


 本当に申し訳ありません。


 この度は大変失礼いたしました。orz


 自分には、ある種の慢心があったのだと思います。飲み会に行って尚且つ早朝突貫レビューを上げた経験が、かつてあったものですから。少なくとも、CLANNAD 第7回「星形の気持ち」では間違いなくそれをこなしています。でも、冷静に考えてみたら、あれからもう2年半も経っているんですよね。40代になりたてのピチピチ中年だった私が、今や43歳まで100日を切ってるような有り様ですもん。アタマの回転やらカラダの底力やら、もうあらゆる意味で劣っているんだから、「前にこなせた経験」なんて毛ほどの役にも立たんのですわ、当たり前です。


 その場の馬鹿力のみでも、「やらなきゃいけないこと」に対してどうにかしてしまえる若さがうらやましいですな。いやホント。orz


 まぁ、「若さで押しきれるかどうか」と、「ノリノリでいけるかどうか」は、必ずしもリンクしないんでしょうけどね。…早朝レビューを押しきれなかった今回は、その辺から行きますか。



【テンションの低い時もある、ってか?】
 アバン。夏休み明けの、始業式の様子からです。紋切り型の校長の話をバックに聞きながら、軽音部の面々の顔がアップで映るわけですが。


 生真面目な澪。


 退屈そうな律。


 まっすぐな瞳の梓。


 いつもの笑顔の紬。


 …そして。


 …あくび混じりの唯。


 前4人はまだしも、二期第一話の始業式でも覚えがあるような感じの、延長線上と言えば延長線上に留まるくらいのものなのですが…唯のポジションが何だかすごく妙です。こんなでしたっけ、彼女。いやいや、見ようによってはバカみたいなくらいの突き抜けっぷりで、楽しげに校歌を歌っていたのが、今でも印象に強く残っています。全然こうではなかったよね、唯。唯以外も、そう思うと何だか、全員のテンションが低い調整になっている気がします。


 この後、トンちゃんの様子が映って。


 部員のいない部室のカットで終わります。主役不在の、音楽の産み出されるステージ。


 その回のコアを的確に総括しているのが、京アニ作品のアバンの特徴です。だとすると今回は…唯たちにとってどうにも気の乗らない、しかも彼女らのつながりのメインと言えるバンドとは無関係の、そういうイベントを描写する回ってことになります。

 個人的にはこれ、あまり好みのテーマにならなそうな、そんな予感がしました。よりにもよって、酔ってフラフラなところにこれなのか、と。私には辛いんですよね、登場人物が前を向いてない様を見せられるのは。自分自身が、ともすればちょっと逃げちゃったりしがちなとこがあって、でもそういう自分がきっと好きではないからなんでしょうけど…。近親憎悪というか、自分の悪いとこを鏡写しにして見せられている感じというか…。


 逃げ続けるだけの話だったら、ちょっと自分には辛いんです。最初は、そういう印象で見てしまったのね。だけど、逃げてたらやらずに済むのか、ってーと、逃げられないもの、っつーのもあるわけで。


 早朝レビューが書けないからと言って先送りしてても、そのうち書かないと先には進めませんし。

 マラソンが走りたくないと言ってあちこちに気を紛らせても、ゴールしないと大会は終わらないし。

 テンションが低かろうと高かろうと、やんなきゃいけないことってのはあるんですよね。どうやら今回、暗にそれを言おうとしているんじゃないかな?そう思い始めてから、見方がちょっとずつ変わってきました。


~~~


 何ヶ所か、恐らくは意図的にでしょう、Aパート中でテンションの妙な差を描いていると思しきところが目につきます。


 休み明け直後、先輩たちのところに駆け寄ってくる梓の、妙なテンションの高さが一つ。

 その後の梓の描写が普通に留まっているところから見ても、ここの部分のテンションの高さはちょっと異常です。と言っても、これまでの梓の描写の延長で、その理由はよくわかるところです。迫り来る先輩たちの卒業、その後は一人になってしまうであろう自分、だからこそ今この時の輝きを逃すわけにはいかない、HTT最後の学祭ライブは絶対に成功させたい…そういう思いの発露なんですよね。

 でも。「その前に」。

 自分たちが最も輝くイベントとなるであろう学祭ライブ、青春のコアにして本命中の本命となる時間の、「その前に」。

 やらなきゃいけない、ものがある。

 眩しいくらいの梓のテンションの高さと、マラソン大会に向ける唯のテンションの低さの、この天と地の落差よw



 一方、マラソン大会の前、買い物に出ていた唯・憂姉妹と出会ったさわちゃんも、車内で妙なテンションの高さを披露していました。

 いいよなぁ、先生は。生徒と一緒に走るわけじゃなし、そうやってキツいコースにしたことを揶揄してればいいんだから。ついついそう思っちゃうところですよね。ただ、先生は先生で、準備は大変で面倒なんです。「買出しからコースのチェックやら警察へのコースの申請やら」。その中で、テンションの高いセリフが吐かれるわけです。

 反芻すると、ちょっと大事に思える部分もあるんですよ。

しかし、この戦いに勝利しなければ決してゴールにたどり着けない。


 一つの真理ですね。まー、当たり前っちゃー当たり前のことなんですが…。

 自分がやりたいことだけやっていけるなら、それは楽しいです。だけど、現実の人の道のりには、こういう「心臓破りの坂」みたいなものもあって、その戦いに勝利しなければ先には進めない。



 その戦いを超えなければ…誰しも、「おしるこ」は食えないのですよ。



【お餅の餅ーフw】
 うん…正直反省している…オヤジってやつぁこれだから…。


 最初、この「お餅」のモチーフの導入にはすんごい違和感を覚えたんですよ。何だか唐突なんですもん、あんな風に紛れて持ってきちゃうようなもんなのかって。最後のオチに使われて、一旦は納得しかけたんですが…どうにもすっきりと来ません。あのオチのためだけに導入されたようには、どうしても思えなくて。


 何故、唯のところにお餅は紛れたんだろう。


 何故、お弁当にお餅が入ってて、しかもそれが硬くて食えなかったんだろう。


 ちゃんとこれらには、答えがある気がするんです。


~~~


 お餅を持って帰ってきてしまった経緯から、まずはおさらいしてみましょう。


 買い物の時に偶然にさわちゃんと会って。

 さわちゃんの車に乗せてもらって。

 その中で大会の準備についてさわちゃんから聞かされ、手にとったりしていたお餅が、一個だけ荷物に紛れて。

 家でそれに気づいて、返そうと思ったけど、さわちゃんからは「それを食べて頑張れ」と言われて。


 流れは、偶然。だけど、その随所にさわ子との関係が影響しているのに気づきます。そう言えば、車に乗せてもらった時、唯はこんなことを言うんですよね。

やっとさわちゃんの車に乗れたよ~。


 表層的には、#11の「暑い!」で乗せてもらえなかったことへのリベンジ的な意味なんですが…考えようによってはこれ、「先生のフィールドへ初めて一歩足を踏み入れた」ってことの暗喩にも思えます。


 先生のフィールドで語られる、不必要なほどにテンションの高い、ゴールへ至る道への説明。


 そのゴールで待ち受けている、完走者へのご褒美。おしるこ。


 そう思ってみるとこのお餅、今話における「果実」の象徴なんですよね。曲がりなりにもゴールしないと食えないもの。その事実について、唯は先生から直接伝えてもらえてるようなものなんです。

 でも、それをさわちゃんは決してゴリ押ししていませんし、何とも微妙なスタンスで留められているのが唸りどころですな。「ご褒美があるから頑張れ」とは、ついに一言も言わないんですよ。そこに絡む、車内の一瞬のカットが秀逸です。

おしるこがあるなら何とか頑張れるかも~。


 こうつぶやく唯に対して、バックミラー越しにみていたさわちゃんは目線をそこから外すんですね。これは何とも、その描写意図に正解がありそうでなさそうな、身悶えしたくなるような演出です。私には…別に唯のその言葉を「否定」はしていないのでしょうけど、特に「肯定」もしていない。それでもいいかもしれないけど、そうじゃないのもいい。そういう風に見えました。「ご褒美があるから頑張る」のであっても、「ご褒美に関係なくやる」のであっても、ゴールにはたどり着けますもんね。

 要は、ゴールすること。辛いことであっても、何かを自分への励みにしたり、気分を自分で変えたりしながら、最後までたどり着くこと。それこそが肝要だということなのではないでしょうか。


~~~


 あのお餅が「ゴールした人だけが食べられる、結果としてのご褒美」を表しているのだとしたら…お弁当のお餅が硬かった理由も、何となく見えてきます。

 ゴール前に、ご褒美だけ美味しく食べられるようでは、ダメなんですよね。

 「それを食べて頑張れ」とさわちゃんは言っているけど、事前では「美味しくは食べられない」。せいぜい栄養の足しにするぐらいの意味しかなくて、決して前払いのご褒美にはならないんです。なるほど、矛盾しないように一貫しています。だから、おしるこでは当然ないし、あんころ餅でさえない。あまつさえ、あの何でもソツなくこなす憂が調理したんだろうに、すごく硬くて、齧ることさえ厳しい。何とか食べきったのでしょうけれど、恐らくは美味しくは食べられなかったでしょう。「甘くない」のですよね、こんなにも。


 「甘くない」と言えば、こんな挿話もありました。

マラソン大会に備えて、貧血防止に鉄分の補給をと思って、こんぶとひじきのブラン・マンジェです。


 うむ、まずそうだw

 そんなことにも前向きで笑顔の紬がまぶしいですが…一般的には、やっぱしあまり嬉しくはないですね。やっぱし「甘くない」のです。そのキツいイベントを超えなければ、甘いスイーツは食べられない、のです。


 もう一つ、こんなのもありますね。

ナニ呑気に栗羊かんなんか食べてるんだよ。


 でも、唯が栗羊かんを食べている描写はありません。「これだけ食べて行っちゃいなさい」とおばあちゃんに勧められたところで、玄関の呼び鈴が鳴って、呼び出されて…無論、玄関に出るまでに慌てて口に放り込んだかも知れませんが、明確な描写がない以上は「結局食べられなかった」ことを示唆している線の方が濃厚な気がするんです。

 甘くて美味しい栗羊かん。でも、やることをこなさなければ、食べられない。甘くないですねぇ。





 そんな「辛いけどこなさなきゃいけないこと」に対して、テンションを上げて突っ切るのか、ダルそうにイヤイヤ進むのか。それはその人次第、ってあたりに収斂させているのが、けいおんらしいと言えばらしいのかも知れません。

 だって今話の唯、もうどこまでも文句たらたらなんですよ。何回も前向きに切り替えようとしてるんですけど、すぐにへたれて。全体として、ブー垂れてる時間の方が圧倒的に長いです。

 事前でも、マラソン大会のない大学に行くだの、変な衣装で走って中止になればいいだの、おやつ持って行きたいだの、雨にするためにてるてるぼうずを逆さに吊るしーの。ネガティブもネガティブ、大ネガティブです。当日も、みんな頑張り過ぎだとボヤいてみたり、ケーキにつられて立ち止まってみたり、ネコに気を取られたり、自転車に乗った子供をうらやましがったり、自販機の新しい飲み物に引き寄せられたり。思わずイラッと来るレベルですなw

 でも。そんなダメダメの唯を、今話は「否定」はしていません。積極的に「肯定」もしてはいないんですが、「否定」もしていないんですよ。途中のさわちゃんと一緒ですね。


 紆余曲折。それもまたよし。


 そう言っている気がしてなりません。ああ、だからか、色々なやり方でこのイベントに向かう何人かの姿が、ちょこちょこと時間を取って描かれているんですね。いつもの仲間を離れて下級生たちと走り、その後結局唯たちを待って一緒に走る澪。辛いはずのイベントなのに、スタミナをつけたり鉄分補給をしたりと前向きに取り組もうとする紬。イベント自体には前向きにも後ろ向きにもならず、その場その場でフィールドを牽引していく役をむしろ買って出ている雰囲気のある律。体力は平均以下ですぐへばってるみたいなのに、憧れの澪先輩の前では強がって頑張る姿を見せる純。色々な「向かい方」をあえて見せていて、やはりそのどれもを「否定」していません。二つの道を内包していた澪などは特に顕著ですが、下級生と一緒に走る道も否定されていませんし、結局同級生と走った道も否定されてないんです。どっちも優劣なし、どちらに進んでもよし、と。

 そして、その誰もが、ちゃんとおしるこ食えてるんですね。どんなやり方でもいい、どんなに時間がかかってもいい。でも、ゴールはするんだよと、そういうメッセージが暗に隠されている気がします。




 たまに、自分の行いとは関係なくおしるこを食えない、さわちゃんのような犠牲者も出ちゃうのですが、ね(苦笑)。それはそれ。基本的に大筋としては、「行かなきゃいけない道を進む、全ての人への賛歌」なのだと思います。人それぞれの、それなりのやり方で進む、全ての人への。




 さぁ。そろそろ僕らも、おしるこタイムかな?え?お酒?すいません、しばらくはイイです(汗)。
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
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