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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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けいおん!! #6 梅雨!
 その昔、PCを買い換えたことをとあるメーリングリストに報告したら、後輩からツッコミを受けたことがあります。

まずは名前がつくんですね...


 あたぼうのコンコンチキよ!つーか、自分の愛機に名前を付けんでどうするってハナシですよ!我が家で購入したPCには!家主である私自らが責任と愛情を持って!唯一無二のオンリーワンを命名しております!現行のデスクトップ機はなゆっち、ノートマシンはえあ郎、子ども用はめび助にモバイル機はこうじ、以前のマシンもさい蔵にこじろう、ちゅー太にりぶおにダイナに旧八、全部全部ぜええええんぶぅ!今でも諳んじられるぐらいパーフェクツに記憶しております!はっはっは、いやいや、なぁに、愛好家として当然のことをしているまでd

 …………は?

 ……やらない?そんなこと、フツーは?

 ……………………………。

 ナンだその「珍しいモノ」や「可哀そうなモノ」を見るような微妙な目は!やめろおおおお、オレをそんな目で見るなああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
 


 ふぅ。←落ち着いた


 こうして振り返ってみると、随分とたくさんのPCを使ってきたものですなぁ。それにしても、こんなにたくさんのPCに触れてきたのに、「女性マシン」って2台しかないのな?(性別まで決めてんのかよ!!)


 これは、いわゆる「擬人化」、では、ないんです。彼らは、如何に愛情を注ごうと、人間ではないし生き物ですらない。話しかけても反応は特に帰ってこないし、美味しいものを一緒に味わうこともできないし、感動的な作品の印象を共有することもできない。


 一方通行の愛、不毛の愛?


 それは、無意味なもの、なんでしょうか?


~~~


 梅雨の季節の様々な出来事に照らして、今回は主に唯とギー太との関係性にスポットが当てられています。…高校二年までに二回の梅雨を経ているはずじゃん、何か唯が初めて梅雨を経験しているみたいじゃん、とかいうことは、多分気にしたら負け。たまたまその2年間は「カラ梅雨」だった、的な辺りで妥協しておきましょう。

 それよりも。

 本作は明らかに「フィクション」なのですが、それでも、リアルに近い想定をしている部分とファンタジー寄りなところとに明確に線引きしてあるんですよね、恐らくは意識的に。そのことで、ある種のストイックさとある種のフェチっぽさが出てくるような気がするんですが、本題を外れるので今回は割愛。今回については、その「リアルさ」の一面が、こういう「人と物との関係性」にスポットが当たると、いきなり残酷な側面を見せるところが、なかなか味わい深いです。

 例えば、のハナシですが。

 ギー太を擬人化、まではしなくとも、何らかの「アニメ的表現」を加えることで、唯とのやり取りを表すことは不可能ではないんです。例えば、唯がちょっとアレな反応をした時に、ギー太が大粒の汗をペロッと流す、みたいなの。あるでしょ、そういう表現を交えてコミカルに見せてくるアニメ。でも、そういうことって一切しないんですよね、本作は。色々な行動を起こすのも人間なら、そこに反応を返すのも全て人間。彼女らが愛用している楽器は、本作のメインを占めうる位置にいながらも、人間とは違った形でそこにいて、ただひたすらに「物」で在り続けるんですよね。

 今回はアバンがその代表格みたいなもので、唯に「腕まくら」をされていても、憂に起こされた唯がキッスの嵐を浴びせようとも、そのまま横で二度寝をかまされようとも、ギー太は何も反応しません。反応してくれません。リアルな世界ならそれで当たり前ですが、ファンタジーな部分を含めたって別にお咎めがないはずのアニメというフィールドなのに、ギー太は何にもしてくれないんですよね。いや、この作風で「ご主人サマー、僕も大好きだギー!」とか「…えー、ちょっと、勘弁して欲しいだギー」とかやられても、心底引きますがね(汗)。

 こんなにも愛情を注ぎまくっている唯に対して、ギー太は何も返さない、返すことができない、という現実。

 これがね、妙に切ないんですよね。その事実が、「リアルか?!」と見紛うような、真に迫った暗い梅雨の季節の描写とともに、何度も僕らに突きつけられてきます。校内の描写でね、「外は暗いけど電気を付けているからこの明るさ」ということがね、理屈じゃなくて印象で伝わるとか、何ちゅーレベルかと。さり気ないような収まり方で、だからこそそれは知らぬ間に深く刻まれます。「梅雨」という、何とかしようにも如何ともし難い気候。唯とギー太という、何とかしようにも如何ともし難い断絶。その二つが、見る側の意識の裏で絶妙にシンクロして、憂鬱な印象とともに僕らの奥に居座るんです。…毎度毎度、その持てる「表現力の高さ」を、ただ高いままでは出してこないスタッフの皆さまには脱帽でございます。


 …さて。論点を明確にすべく、あえて「残酷な側面」とは言いましたが…それだけで終わっていないところが、本作の良心ですなぁ…。


~~~


 物は壊れる、人は死ぬ。(©ムーンライダーズ)



 楽器は、可能な限り濡らすべきではない。デリケートなものですからね。「一度濡らしたら終わり」ではないにしても、そのぐらいの気持ちで接する方がいいと思います。これが人間だったらAパートの唯のように、濡れた髪をタオルで拭いたり、足をお湯で温めたり、衣服を取り替えたり…そうやって、ある程度のリカバリが効きます。だけど、楽器ではそれで済まないような、深刻なダメージになってしまうかもしれません。濡らさずに済むのなら、濡らさない方が…。



 人の心は、可能な限り折れない方がいい。デリケートなものですからね。「一度折れたら終わり」ではないにしても、そのぐらいの気持ちで接する方がいいと思います。これが物だったら、Bパートのギー太のように、弦を張り替えたり、狂った音をチューニングしたり、ひどい天候の時は持ち出しを諦めてその場に残していったり…そうやって、ある程度の修復や回避ができます。だけど、人の心ではそれで済まないような、深刻なダメージになってしまうかもしれません。折れずに済むのなら、折れない方が…。



 「弱い部分」が、微妙に違うんですよ。人と物は。唯とギー太は。



 そしてその両方を、無意識にちゃんとカバーしている唯は…ベクトルが違うんじゃないかと言われるくらいにギー太を大事にして、ひどい目に遭ってもそれほど引きずらずに笑っていられる唯は…彼女は正しく、唯とギー太の「今」を生きている気がしますね。

 弱い部分を持つ人にとって、弱い部分を持つ物にとって、今を生きていく・過ごしていくということは、それだけで辛さを孕むものです。この梅雨のように、ただそこにいるだけでダメージを受け取りそうな、それでいてどうすることもできないような…世界は、基本的にそういうものです。人にとっても物にとっても、特段の配慮をしてくれるわけではないし、斟酌をしてくれるわけでもない、ただただ「時間」を強制的に流していく、そういうものです。

 でも、そういう世界であっても…梅雨という季節であっても、今回のこの唯のように、屈託なく笑っていられることもできるんです、濡れないようにギー太をフォローすることもできるんです。

 雨続きの空を見上げて、憂鬱そうにしている憂に、唯が言います。

 「雨の日もいいよねー」

 「ん?」

 「こうやって一日中、一緒にのんびりできるし」

 …そうやって捉える事さえ、可能なんですよね。この辛い世界であっても。



 物は壊れる、人は死ぬ。



 だけど、今、あなたはここにいる。私はここで生きている。



~~~


 名前を付ける。


 その名前を呼ぶ。


 バカバカしいこと、かも知れませんが…大事だと思うんですよね。総称の「レスポール」ではなく、代名詞的な「私のギター」でもなく、唯一無二の存在として名付けられた、「ギー太」という名前。


 そこには、「ギー太」へと向かう、唯のあらゆる思いが込められていると思うんですよ。

 もちろん、その名を呼んでも、当の「ギー太」からは何ら返事はありません。

 でも、そこには明確な「関係性」が生まれます。「レスポール」や「私のギター」と呼ぶだけでは決して生まれないような、より強い指向性のある彼女の意思を伴った、揺るがぬ関係性が。

 その、彼女の意思とは、こうです。


 「どんな時も、ずっと一緒に、楽しく過ごせたらいいなー」


 ギー太と、生きよう。ギー太とずっと一緒に、楽しく過ごそう。その強い思いが、一方通行のはずの唯とギー太の間の関係に、確固たる「今」を生じるんですね。本来の断絶なんて、ものともせずに。


 そのことを象徴する、あの、雨の平沢家での、「あめふり」の弾き語り。


 …ちょっと…いやかなり、感動させられてしまいました。あれほど憂鬱に満ちた雨の中で、一方通行だと思われがちな関係性に阻まれることなく、ギー太と一緒の「今」というものを、あんなにも自然に生み出してみせる唯に。


 あずにゃんや澪が、唯の突き抜けた愛しっぷりにほだされたように描かれているのは、無理からぬことなのですよ。だって、一見無意味に見えるかもしれない、どうしても子どもっぽく見えてしまう、この「名前を付けて呼ぶ」という行為は…それだけの思いを「彼」との間で結実させる、魔法の呪文なのですから。あずにゃんや澪にも、きっとそのことがわかったんだと思いますから。





 そう言えば、視聴者と作品、の間にも、ある種の断絶が横たわっています。でも、それに阻まれるかどうかは、結局は視聴者次第なんだなと、改めて考えさせられましたね。ここしばらく、スランプと言いますか、行き場の無い懊悩に囚われて今一つな状況が続いていた私でしたが…おかげさまで何だかちょっと吹っ切れたような気がしますわ。揺るがぬ「今」を、もうしばらくは追い求めていこうかな…今はそんな気持ちです。

 では、また次週。
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テーマ:けいおん! - ジャンル:アニメ・コミック

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さわちゃんの扱いが酷いと一部で噂になっているうちの感想の様なモノです。では、第6話『梅雨!』です。≪ギー太と一緒に~♪≫ギー太と一緒に寝ている唯ちゃん。どうやら練習して...
2010/05/30(日) 20:23:33 | おい、ちょま、まてよ(゚Д゚;)!!
 いつもの様に、憂が唯を起こしにやってきました。  でも、唯は 愛しのぎ~たを抱いて寝ちゃってました…。  どうやら、またまた練習をし...
2010/06/01(火) 01:09:39 | シュージローのマイルーム2号店
やはり唯にゃんのギー太愛は格が違った・・・!! 愛というより中毒患者な描写でしたが、「愛は麻薬」と言いますからね(コラ そんなワケで...
2010/06/01(火) 19:29:20 | 中濃甘口 Second Dining