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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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かんなぎ 第二幕「玉音アタック!」
 今回は、「ミスマッチ」と「二面性」の話をするよ!!


 …って、最初っからそんな風に書いちゃったら、意外性もナンもなくて、つまんないんじゃないの?Kanon辺りのレビュー以降、先々のその回のレビュー内容に絡むような前振りをしつつ、徐々に徐々にそこに収斂していくような書き方をしてきたわけでしょ?今さらそれを壊そうったってムリなのは、自分が一番よくわかってるだろ?うん、まあそうだ、ムリだよな。


 それはそれとして、今回は「ミスマッチ」と「二面性」の話をするよ!!(^^;;;
 
~~~

 絵柄の「揺らぎ」がしょっちゅう気にかかる一方で、ハナシ的にはもー盛りだくさんな回で、色んな意味でやや消化不良気味。「色んな」つーのは、いい意味でも悪い意味でもあるんだけど…。焦点がなかなか合わない感覚が、自分としてはちょっと落ち着かないんですよね。前半と後半で、スパッと分かれてるんですよ。Aパートがあれだけ「二面性」にフォーカスしているのに、Bパートではそれがほとんど顔を出さない、というのがね、もーとにかくレビュアー的に「どーしたらいーんだー」という状態で。…あ。ひょっとしてこれが「この作品の二面性」だったり?!(…ない、ない)

 そもそもが。このサブタイ、「玉音アタック」というのが、よくわかんなかったりします。や、意味はわかるんですよ?「玉音」は「神の声」ですから、まあ、意味はわかります。でも、じゃあズバリどこのシーンに当てはまる言葉なの?と問い始めるとね、これがなかなか難問で。神の声って言うからにはナギの声かと。じゃあ今回最も印象に残った、あの普段の振る舞いからは想像もつかないような、仔猫の亡骸を葬るあのシーンがそうなのか?とか思うわけですが、そうすると「アタック」の方が宙ぶらりん。するってぇと、後半のケガレにアタックするナギのシーンがそうか?と思えば、「神の声」の方がうまくいかん…。暫定的な結論は、「AパートとBパート、それぞれ1本ずつ原作消化してんじゃないかしら?サブタイも原作タイトルの融合だったりしないかしら?」というところ。Aパートが「玉音編」、Bパートが「アタック編」ならば、辛うじて「なるほど」というところなのですが……原作は読んでいないですし、これからも「少なくともアニメ放映終了までは見ない予定」なので、もしこれが外れてたら降参です、降参。すんません…。



 さて、「ミスマッチ」にしても「二面性」にしても、この「かんなぎ」という作品の重要なポイントなんだろうと思います。「神様」なのに、妙にやんちゃでわがままで神様っぽくなくて、「性悪の少女」みたいなナギ。そこからくる「ギャップ」が笑いになったりジンと来たりで、作品の魅力に繋がるんだろうなと。前回もそういうポイントは見え隠れしていたわけですが、今話ではそれが更に細かくなって出てました。コロコロと、まるで猫の目のように変わるナギの印象。マジメに怒っている仁の手にしっかりと握られているパンツが醸し出す妙な可笑しさ。それ自体が既にミスマッチである「大麻(おおぬさ)ステッキ」なのに、更にそれが食卓テーブルのど真ん中に生えている、そこを挟んで座りの悪い会話をする幼馴染というトンでもないシチュエーション。多少の揺らぎが絵に見え隠れしようとも、まーこれは楽しいですわねー。

 前回も触れたことですが、OPやEDからして「ミスマッチ」と「二面性」を狙ってきてるんですよね。「アイドル」という言葉が本来「idol(偶像)」を意味しているとは言え、「だからって神様にアイドルやらせるかフツー」という意外なところが、実にキモチイイ。そのアイドルにも、ステージの上の「カンペキな姿」と、楽屋裏で見せる「ちょっとアレな姿」の二つの側面があるという仕込み方が、実にステキ。そして、全く印象の異なるOPとEDも、同じナギ役の戸松遥さんが歌っているという、この驚き。

 「ミスマッチ」は楽しいです。だけど、やりすぎると及ばざるは何とやらで、一気に興ざめする危険もはらんでます。ちょうどいいところで止めておく、その辺が難しいんですよね。

~~~

 ナギの二面性。「神」であり「人の姿」であるという、それ自体はナギが最初から持ってるものなんですが…本当にそれだけなのか?という謎かけの反復が楽しいです。最初は妙に芝居がかった「お嬢様風」の第二人格が出てきて、当然お芝居だろうと思っていたところが、まさか本当なのか?!と仁に疑わせて…。結局それがウソだとばれた後に、もう一度結論を覆すかのような、「仔猫の弔い」のシーンが何とも言えません。そして、仁は気付いていないのでしょうが、Bパート冒頭シーンの、あの「瞳の色が変わるナギ」の部分。その前後で性格がキツく変化していることからしても(そして、そのことを敢えてこうして描いていることから考えても)、「やっぱりナギの中には異なる複数の何かが同居しているんじゃないか」という風に思えちゃいますよね。

 そして、この作品の二面性。「ナギと仁の物語」であることが、そのまま「神と産子の物語」「少女と少年の物語」になるんですよね。視聴者の年齢層を考えると、自然にウェイトは「少女と少年」の方に寄っていくものなんだろうけど、事あるごとに「神と産子」に引き戻される感じがまた良いです。単純な「ラブコメ」の世界で終わらない、この妙に不安定なバランス感覚。「わかんない」ところが何ともたまりません。

 でも、主人公の「仁」の視点が、そのまま視聴者の視点を代表しているのなら。「ナギという存在が何なのかわからない」ことは、「異性の考えることはわからない」というところに行きつくようにも思えます。実際、私のこの歳になっても、異性の考え方で「自分にはわからない」ということにはよく出会います。思春期辺りなら、なおのこと。別な生き物なんじゃないかと、一生全く理解できないんじゃないかと、そんな風に思ったことないです?

彼女というのは、遥か彼方の女と書く…
女性は向こう岸の存在だよ、我々にとってはね。
(新世紀エヴァンゲリオン第拾八話「命の洗濯を」より)


 加持さんの言葉によらずとも、簡単にわかりあえるなら苦労はしないんですよ。…ま、「だからこそ面白いんだな」ってところもあるんですけどね。



 仁の幼馴染、つぐみの二面性。…というほどのモンでもないんだろうけど…素直じゃないよねぇ。好きなんでしょ。ねぇ。赤くなって、後ろを向いて、でも「おかずの卵焼き、私が作ったの!」とは言えずに「卵焼き、入ってるから、食べてね」だけ伝える、と言うね…。………すいません、大好物なんです、こういうの。 え、いやいや、卵焼きがじゃなくてさ。言っちゃえよ!と思うけど、言えないんだよなぁ、とも思うし、だからこそ悶えるんですけどね…。「仁の保護者」と、「仁のことを思う女の子」と。その二つの側面を、自分に対して使い分けきれずにいるのが何ともたまらんところです。

 そして最後に、仁の二面性。わけのわからんナギに対して、真正面から反発してキレてしまう、青い部分。まあそのぐらいの年頃であればしょうがないですよね、これは。でも、結局はナギのことを心配して、助けに行ってしまう、優しい部分。Bパートは、ひょっとしたらその「仁の二面性」を書くためにあったんじゃないんでしょうかね?Aパートが主に「ナギの二面性」を描いていたのと、対照される形で。意地を張って仁の助けを呼びに行けなかったナギと、対照される形で。

 ナギを助けに出る直前、仁は鼻の頭に張った絆創膏をはがします。隠れていた傷あとがちょっと顔を出しますが…出てきたのは傷あとだけじゃないんですよね、きっと。ああ、これだから年頃のオトコノコってやつぁ(笑)。

~~~

 今回は、ちょっとライトにこんなところで。色々考えて書いては見たけれど、今後登場人物って増えていくんですよね、確か。だんだん一筋縄では行かなくなってくるだろうから、まあ書いておくなら今のうちって感じでございます。ああ、自分が感じた楽しさをうま~く文章に倒すのは、やっぱ難しいですねぇ。orz
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テーマ:かんなぎ - ジャンル:アニメ・コミック

コメント
この記事へのコメント
そのものズバリ、というか、まさに、というか……
かんなぎのタイトルは、原作の、もとになった話のタイトルを合わせたものです。
今後もし三話融合の話など出てくるときに、相当にカオスなことになりそうですね……どんなタイトルが飛び出すのか、すこし楽しみです。

それはさておき! つぐみですつぐみ! いいですね、沢城さんの声も相まって、なんかこう、くるものがありますね!
2008/11/11(火) 22:46:39 | URL | 名も無いDancer #g0o4ICLk[ 編集]
昨日まで別の記事と混ざってたけど直されたようです。
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1190550.html
2008/11/13(木) 19:49:48 | URL | あると屋 #-[ 編集]
合ってたw
>名も無いDancerさん

>そのものズバリ

ああ、嬉しいです、ありがとうございます。ホントに、違ってたらちょっと恥ずかしいよなこれ、と思いながら書いてましたので、おかげさまで安心できました。

>つぐみですつぐみ!

おお、アツくていらっしゃる。この先登場場面が増えてくるのが楽しみですね。


>あると屋さん

まー、何と言いましょうか…。

「物語」つーのは、そもそもそういうもんナンじゃないかと思ってましたけどね。一受け手に過ぎない、自分の思惑どおりになんか、行くわけがないと思うんですけれど。あのー、アレですよ、オキニのキャラが死んだと言って、作者に抗議するような、そういうのと同じパターンですよね、コレ。

どっかのブログで、「視聴者のキャラに対する思いこみなんかよりも、作品の完成度の方がずっと大事」みたいなことが書いてあって、ポンと膝を打ちました。そうだよなぁ、と。


……まあ、本件はそれ以前に「どういうつもりで『架空のキャラ』に対して処女・非処女がどうのと議論しとるんだ」という点で、遙かにレベルが低いわけですけれどもね。トホホ…。
2008/11/13(木) 23:10:48 | URL | てりぃ #O8jQI81I[ 編集]
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