カイがイマジンを送り込むところ～誰に憑けばいいのかをカレンダーで選んでる～とか、カイ自身が記憶を失っているらしいとか、侑斗（或いは「桜井さん」）の抱える重みと覚悟が「自分を消すこと」に直結しているわけではないとか、しいたけ攻撃とか…本編の重要な要素がいくつも明らかになる中で（いや、しいたけは関係ないだろ…）、まさかまさかのスピンオフ的展開。必要な部分も語り始めているため、あまり極端な心配はしておりませんけれども…なんつーんでしょ、電脳コイルと言い電王と言い、ホントに最後の最後まで焦らすのがウマイとしか言いようがありませんな。

　で。

　ここ数週の重めの展開をしばし忘れてーとでも言いたげな、プチラブストーリーなわけですが…流し方がとにかく自然で、ホントにこれまでの展開をしばし忘れて見入ってしまいました。終わってからレビュー書こうとして改めて「…アレ？」って思うような始末で。これはオレがトンマなのか、それとも筋を紡ぐ側が見事なのか…。

　一つ確実に言える事は、こうした「支線」に入っても、どのキャラクターにも一切ブレが見られないことです。平成ライダーシリーズに限らず、どんな娯楽作品でもありがちなのが、スピンオフに入った途端に「キャラの別な側面」が強調されるあまり、今までのものと一貫性のない「別モノ」に見えてしまうことなんですが…今話についてみれば今のところ、全くそういう素振りが見えません。主人公の良太郎に各タロスたち、今回のエピソードの中心を占める侑斗にデネブ、果てはオーナーに至るまで、「別人」的な行動パターンを見せている人は皆無です。

　これは、今まで積み上げてきたキャラたちの地盤が相当しっかりしたものであることを表しているわけですが…ひょっとして今回のエピソードも、決して支線などではなく、本線にフィードバックされる重要なモチーフを含むんじゃないか？そういう期待まで抱かせてしまうのが、スゴイですよね。ちょっと前には例えば「ピアノマン」の話などが、その時には「閑話休題」と思わせておいて、実はかなり重要な部分～誰の記憶にも残っていない人間は時間からこぼれ落ちてしまう～を語るエピソードでしたし。

　予告編のセリフを拾うだけでも、人々からどんどん忘れられていく侑斗が、一体どういうつもりで「自分のことを忘れてしまう人と向き合っているのか」が垣間見える話になりそうですし…。ゼロノスの終着駅が桜井さんや愛理さんの道と重なるのであろうことを考えれば、引き続き気は抜けないなぁというところですね。



　それはそれとして、男二人で窮屈に並んで観覧車に乗る良太郎と侑斗には、不覚にもナンだか萌えてしまいました（＾＾；；。 ■関連記事～
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