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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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電脳コイル 第16話「イサコの病室」
 とりあえず、神脚本と呼ばせて頂いてもいいですか?

 派手な描写とかほとんどないんですが、淡々と既存の、そして今回明かされる各モチーフを、さりげなくパシパシと繋いでいく様は、私のような邪推系・考察系のレビューを書く者にとっては圧巻の一言。それでいてまだ全部を見せたわけではなく、先に繋がる興味を更に増幅させた形で綺麗に締めているのも、ごっつウマイです。

 25分という限られた時間の中に、まるで一つもムダがないんじゃないか、と思えるようなこんなハンドリングを見せてくるなんて、とてもとても信じられません。作り手の力量と力のかけ方によっては可能なんですねぇ、こういうの。それが最終回の怒濤の展開とか言うならまだしも、まだ折り返し地点を過ぎたばかりですよ?燃えまくるのとは違うこの画面に、私もならってごく静かに、でも大絶賛でございます。
 「イサコの病室」というサブタイトルから、今週はいよいよイサコの問題に斬り込む話になるのだなぁ、とは思っていたのですが、フタを開けてみるとナンのナンの、イサコは画面に出ては来るものの、ほとんどがヤサコ視点で進む話になっていて、11話辺りからの流れをきっちりと踏襲してきているところにまず驚かされました。

 続いて、アキラのミゼットの録画機能という、総集編的な14話のために導入されたと思っていたモチーフを、今回の話の重要な部分できっちりと使ってきたり、単発エピソードとして語られていた魚、ヒゲ、首長の各イリーガルたちを、子ども視点では夏休みの自由研究のネタ候補という流れで総括し、同時に暗躍するオバちゃん・猫目連合視点でもさらって見せたり。これらはほんのちょっとのことではあるんですが、全体の流れを視聴者に再認識させると共に、「全てが一つのストーリーに集約していく気持ちよさ」というものを与えてくれる仕組みになっているんですね。私としては特に14話がリファーされたのがとにかく衝撃で。ああ、ムダじゃなかったんだ、あの話!てなもんですよ。

 それだけでも得難いことだってぇのに、今回の「病室」をテーマにして流し、各所で独立して語られる話に共通の軸を持たせ、最後のシーンに集約させていくこの技と言ったら…これぁとにかくもう、ただただ美しい!と唸るしかないでしょ。

 オジジが病院に貢献していたという「メガネを利用した電脳医療」の話。図書館でハラケンとフミエが語る「4年前にメガネをかけていた子ども達が一斉に意識を失った事件」の話。オバちゃんと猫目が語る「意識不明になっているイサコの肉親」の話。先週タケルが言っていた「5.20よりも古いバージョンの空間に入ると戻って来れなくなるかも」という都市伝説の話。それらが皆、メガマス病院の4423号室にいる、イサコの肉親にフォーカスしていくんですよね。そこから目が離せない、食い入るようにミゼットの盗撮画面を見入るヤサコが、しかし核心に迫る部分になるとどうしてもその先を踏み出せないという葛藤の場面に、視聴者側もいやでも意識を集中せざるを得ない仕掛けになっていて…。ナンかもーね、この痛痒感にも似たザワザワはヤサコの心境にシンクロさせられているのか、それともこの流し方の妙に心をわしづかみにされているのか、あーもーどーしたらいーんだ状態でしたよ。

 そうやっておいてこそ、ラストシーンの、ヤサコとイサコの対峙が、映える映える。「踏み出せないヤサコ」が混乱めいてもらした一言に、あっさりと「踏み込まれてしまったイサコ」のこの動揺!あれだけすごい暗号の技を持ち、かなり余裕綽々でクラスメートたちに接していたイサコが、兄のことを聞いただけでこの有り様!しかも、その兄がイサコにとってはやはり4423その人なのだという確信とともに、その後ろにこれまでのエピソードが全部ぶら下がっていることが、視聴者にはしっかり伝わるようになっているんですよね。いよいよこれから電脳コイルの中心的なエピソードに踏み込むのだというこの興奮をナンとせん!

 イサコの最後のあの言葉は、「実は誰かに理解してほしい」という一面を表すものだと思います。オトナ達と同じだ、と彼女が言うように、これまでイサコは誰にも理解されず、次第に頑なな態度を周囲に取るようになり、ほとんど孤軍奮闘で「兄をこちらに引き戻すこと」を目指して危ない橋も渡ってきたのでしょう。そんなイサコに、同じ「4423」という人を自分の問題として抱えてしまっているヤサコは、如何に接していくのか。来週以降も大きく期待です、いやもう期待しかできない!
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
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テーマ:電脳コイル - ジャンル:アニメ・コミック

コメント
この記事へのコメント
てりぃさん、こんにちは。

 各キャラがメガネをいつ外しているか、というのも面白いポイントですよね。

 特にイサコなどはイリーガルを吸収してからは無敵に近い力を手に入れているわけで、そうなると逆にメガネを外すのが恐くなるのでは、と思えます。

 そのイサコは病院ではメガネを外しており、無論ヤサコやフミエも外していたので携帯の様に禁じられているのかも知れませんが、特に問題の無さそうな庭に出た時点でもイサコはメガネを外していました。

 「兄の寝ている場所」というのはそれほど神聖な場所であり、そのメガネを外した無防備の状態で不意打ちの様にヤサコに入り込まれ、大きく動揺したのでしょうね。

 いやもうお見事でしたね。

 出来れば毎週感想書いてもらえませんでしょうか(w
2007/09/16(日) 22:56:52 | URL | えみりおん #vvifSN.s[ 編集]
メガネ!
>えみりおんさん

>各キャラがメガネをいつ外しているか

目からウロコです。いやー、そうですね、ナンで気づかなかったろう?

子どもたち視点ではほとんどのシーンで「電脳とリアルは不可分な状態」であるように描かれていますので、なかなかこっちも気づきにくいんですが、実はそこには「二重の世界」が広がっていて、微妙なズレがあるんですよね。ヤサコの母などが出てくると、その違いに一々ハッとさせられるんですが…。この辺、ラストに向けて何か絡んでくる話になるんでしょうかね?いやいや、気が抜けませんね。

>出来れば毎週感想書いてもらえませんでしょうか(w

ありがたいお申し出、恐縮です(笑)。これから、らきすたとグレンラガンが終わりますので、オーバーヒート気味に今は週4で書いてるレビューも、ちょっと小休止になるはずです。少なくとも10月の後半までは、電王と電脳コイルだけになる予定なので、その間は書いていく可能性が大きいかなと。CLANNADがBS-iで放映開始になってからは…いや、でも、続けていきたいですね、今のところは。
2007/09/17(月) 19:21:29 | URL | てりぃ #O8jQI81I[ 編集]
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今回の噂は、なかなか興味深い物がありますね。 「業界の噂によると、最初にメガネを開発した会社は 心で思い浮かべた物を電脳物質化する技術を開発したそうです。 でも、その後どうなったか誰も知りません」 夢が何でもかなう、まさに魔法のようなメガネって事でしょ...
2007/09/17(月) 07:22:21 | よう来なさった!
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2007/09/17(月) 14:04:20 | SERA@らくblog
「イサコの病室」 電脳コイル (2) 通常版折笠富美子.桑島法子.矢島晶子 磯 光雄 バンダイビジュアル 2007-10-26売り上げランキング : 686おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools 業界の噂によると・・・
2007/09/17(月) 18:25:40 | 本を読みながら日記をつけるBlog
「イサコの病室」  近頃の噂は重要性を帯びてくるようになりましたね。  今回は終盤に影響しそうなものでした。 【関連商品】 電脳コイル (1) 限定版折笠富美子.桑島法子.矢島晶子.朴ろ美(「ろ」は「王」に
2007/09/17(月) 18:32:15 | Moment dream
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2007/09/17(月) 22:27:38 | 蒼碧白闇
プリズム 展開としては進んだ方ですよねw あちこち点がつながりつつあります。 ? メガ婆→アキラ、のラインでイサコと接触することになるヤサコ。※イサコが見舞いに行ってる病院で。 こういうのが上手い
2007/09/18(火) 00:59:56 | ■■テラニム日記2■■
4 4 2 ・ ・ ・ 3! ついに夢ではなくリアルで4423という数字が登場。 <電脳コイル 画像 感想 キャプ レビュー 4423>
2007/09/18(火) 13:41:55 | アニメが好きなのよ
夏休みも終わりに近づいたある日、ヤサコに病院から電話が入った。内容はメガばあが大変なことになっていると。『老人のささやかな楽しみを奪うのか!?このバチ当たりが』『病院内で秋刀魚の塩焼きは困るんです』確かに大変なことと言えば大変なことだがいい迷惑ですよね...
2007/09/18(火) 21:33:09 | Sweetパラダイス
業界の噂によると最初にメガネを作った会社は心で思い浮かべたものを電脳物質化する技術を発明したそうです。でも、その後どうなったかは誰も知りません。再び鳥居が続く石段を登るパジャマのままのヤサコ。「ユウコ、ユウコ。だめだ。来てはだめだ」「あなたは?」「…」...
2007/09/19(水) 01:35:03 | からまつそう