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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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電脳コイル 第13話「最後の首長竜」
 こちらも短めに。リメイク版をまだ見てもいないほどの薄味のくせについピー助のことが頭をよぎってしまう私は、一度目の「のび太の恐竜」上映の頃にリアル厨房だったわけで、今作中のヤサコたちとそう変わらん年頃だったんですよね。この微妙なつながりが、冷静な目では見させてくれない感じ。

 一見デンパくんの話のようでありながら、実は先週や先々週と続いて「ヤサコの成長の過程」を示す傍流エピソードの一つなのであろうと思います。イサコが一切出てこない辺りがその何よりの証拠で、こうした独立エピソードを経て彼女が蓄積していくものが、来たるべきイサコとの対峙において言葉の重みを増す仕掛けになっているのではないかと邪推。
 電脳世界での生き物と触れあう子どもの話、という風に言うと、すごく不健全に見えかねない、「良識ある真っ当なオトナの人」が目を剥いて怒りかねないお話のはずなのに、他のどんなお話よりも「生き物に対する人間の愛に肉薄した話」として実によく仕上がっていたと思います。開発という名の「人間の都合」によって住み処を追われるイリーガルの姿は、古くから連呼されている「自然至上主義」的なものの焼き直しでもあるわけですが、これまた「人間の都合」によって「本来は人間が作り出したはずの古い空間」をも初期化し続ける「おばちゃん」の行為が、このエピソードの内容を単純な構図に済ませてくれません。

 そして、フミエの存在がまた何ともニクイと言うか。彼女、イヤな人の風でありながら、本件ではデンパと同じくらい、いやもしかしたら、デンパ以上に傷ついているんですよね。あのイヤな物言いが、自分がこれ以上傷つかないための下手くそな防御手段に過ぎなかった、ということが、ラストの彼女の号泣で誰の目にも明らかになってしまっていて。

 彼女の言葉に暗に示される通り、人が他の生き物に注ぐ愛というのは、一種の「感情移入」の賜物ではあります。それは、作りものの生き物であろうと、自然の生き物であろうと、感情移入が出来るものであれば本質的に違いはありません。そして、そのどちらもが、いつかは別れねばならない宿命を同時に背負うものであることも…。では、そこに感情移入をすることは「損」なのでしょうか?私はそうは思いませんし、仮にそうだとしても、損だからとやめられるものでもないのですよ。拒絶していたはずなのに、最後は涙にくれてしまったフミエのように、僕らは悲しみを乗り越えて、それでもまた何かを愛し続けるのです。

 きっと、愛を拒み続けているように見えるあのイサコも…。
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
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電脳コイル 第13話「最後の首長竜」評価:――痛いけど、僕もここに一緒にいるぞって擦ってやれば痛いのは少し減るんだ友達ならそうしなきゃ駄目なんだ!脚本磯光雄
2007/08/05(日) 02:49:05 | いーじすの前途洋洋。
オイオイ!夏休み終わっちまうぞ!!そんな言葉をかけたくなるような、、、、、良いお話だったんですけどカンナの日記の解析はいいのか?今回はデンパが中心の回でした。カンナの日記を基に新たな道順を通
2007/08/05(日) 03:44:28 | 情報掲示板2 BYエコール・ド・サンファル
どう見たって17にしてはオバン臭かったから、永遠の17歳かと思ってたのに。何と言うことでしょう~・・・玉子ちゃんが本当に女子高生だったなんて!なおも通っている学校が『清純女学院』・・・クククッ、笑っちゃうw汚れの無い乙女とは程遠いイメージのオバち....
2007/08/05(日) 09:41:07 | よう来なさった!
ここのところ少し変わったイリーガルを使った話が続いてるけど今度は普通に感動話。この間ダイチが育てて大問題が発生したのにそのまま育ててたのは半年前から育ててたとか大丈夫という安心と愛着のせいか?多少そこの辺
2007/08/05(日) 10:00:41 | 蒼碧白闇
「最後の首長竜」 悲しさで胸が一杯になるようなお話でした 大切にしていたペットや
2007/08/05(日) 11:54:16 | Brilliant Corners
ハラケンおばさん、その正体が本物の17歳の高校生だったなんて!?(爆)どこかの実はぴちぴち17歳のメイドさんもびっくりです(^^;なんで役所のバイトしてるんですか(笑)それが本題でなく、今回は、『デンパの
2007/08/05(日) 12:12:29 | SERA@らくblog
[アニメ 電脳コイル 第13話「最後の首長竜」]これは、あれですね。ドラえもんの映画のパロですね?(見たことが無いけど、首長竜の出てくる話があったと思った)ダイチのイリーガル編が2話続いたと思ったら、今回は
2007/08/05(日) 18:05:59 | 王様の耳はロバの耳 [beta3]
秊 前回のシュールギャグに続き、今度は正攻法のジュヴナイル。 しかし一番楽に泣かせに逃げられるテーマですし、あまり文学に興味の無いお母さんなどは、「子供達が逃がそうと奔走したあげくペットが死んでしまう」という筋書きだけで、傑作、とか言い出す事
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夏のイリーガル図鑑:サカナ→ヒゲ→ネッシー(ちがうかw) 今週の結論:  やっぱりフミエはいい スタミナドリンクの連続一気飲みとか、助けに来てもついつい「報酬も請求し
2007/08/07(火) 01:38:12 | ■■テラニム日記2■■
今週の電脳コイルは泣けます。なんか、ドラエもん思い出しちゃったよ(´;ω;`)昔の人の言葉によると、本来人は必ず自分の進むべき道を知っているそうです。でも、一番大事な道こそ、見失いがちだそうですいきなり、痛い言葉ですね(ノ∀`)自由研究の待ち合わせ...
2007/08/08(水) 07:34:31 | 出不精な俺
★★★★★★★★☆☆(8)おいおい、こちとらいい大人なんだぜ、「子供が守ろうとしたペットが死んじゃう話」なんて使い古されたネタで泣けるわけが・・。ウアァァァン。・゚・(ノД`)・゚・。 クビナガー!演出
2007/08/08(水) 22:27:15 | サボテンロボット