私が昔勤めていたところでは、普段使いする一般のそれとは別に、プチ接待にも使えるような「ちょっと高級な社食」があって、そこで鯛茶漬けを出していた。ある時、上司のお誘いでそこの鯛茶漬けを食うことになったのだが…。
住んだことが無い方はご存じないかも知れないが、新鮮な海の幸がふんだんにあるやに思われている北海道の食にあって、しかし「鯛」というのは滅多にお目にかかることが無い。高級魚だからというのももちろんそうだが、そもそも鯛は南の海の魚であり、北海道では捕れないのだ。従って、北海道に生まれ、北海道に育つ子どもの多くは、鯛の味を知らずに大人になる。私もその一人だった。本州の大学に行ってからも基本的に金は無かったので、大衆魚ばかりを食べて社会に出た。
そして、いきなりの鯛である。味がどうとか以前に、「これが、噂に聞く鯛というものなのか…」という、妙な感動の方が先に立った。あの当時は、今まで知らなかった世界の扉を次々に開けていくような「てりぃ史上最も激動だったかも知れない時間」を過ごしていたが、鯛茶漬けの味はある種、その時の心情を代表するような、象徴的な味になった。味の好き嫌いで言うなら、今でも脂のたっぷり乗ったシャケやサバの方が圧倒的に好きなのだが、それとは別格の、一言二言では言い表し得ない、何らかの特別な存在に、私の中の鯛は位置づけられたのである。
今宵。今の上司に連れられて、飲食を伴うとある会合に出席した。そこで、最後に供される食事を3通りの中から選ぶように告げられたのだが、その中に鯛茶漬けがあったのである。何と懐かしい。いやしかし。はてさて。…散々迷った挙句、私は別なものを選択した。だって。「あの時の鯛茶漬けが、二度と味わえるわけがないじゃないか。」私が勤めていたあの建物はとうになく、今の私も随分と変わってしまっているのだから。あの鯛茶漬けは、永遠の思い出の中の、失われたメニューなのだ…。
住んだことが無い方はご存じないかも知れないが、新鮮な海の幸がふんだんにあるやに思われている北海道の食にあって、しかし「鯛」というのは滅多にお目にかかることが無い。高級魚だからというのももちろんそうだが、そもそも鯛は南の海の魚であり、北海道では捕れないのだ。従って、北海道に生まれ、北海道に育つ子どもの多くは、鯛の味を知らずに大人になる。私もその一人だった。本州の大学に行ってからも基本的に金は無かったので、大衆魚ばかりを食べて社会に出た。
そして、いきなりの鯛である。味がどうとか以前に、「これが、噂に聞く鯛というものなのか…」という、妙な感動の方が先に立った。あの当時は、今まで知らなかった世界の扉を次々に開けていくような「てりぃ史上最も激動だったかも知れない時間」を過ごしていたが、鯛茶漬けの味はある種、その時の心情を代表するような、象徴的な味になった。味の好き嫌いで言うなら、今でも脂のたっぷり乗ったシャケやサバの方が圧倒的に好きなのだが、それとは別格の、一言二言では言い表し得ない、何らかの特別な存在に、私の中の鯛は位置づけられたのである。
今宵。今の上司に連れられて、飲食を伴うとある会合に出席した。そこで、最後に供される食事を3通りの中から選ぶように告げられたのだが、その中に鯛茶漬けがあったのである。何と懐かしい。いやしかし。はてさて。…散々迷った挙句、私は別なものを選択した。だって。「あの時の鯛茶漬けが、二度と味わえるわけがないじゃないか。」私が勤めていたあの建物はとうになく、今の私も随分と変わってしまっているのだから。あの鯛茶漬けは、永遠の思い出の中の、失われたメニューなのだ…。
もう帰りたい。
……えっ?既に帰ってるじゃねぇか、って?
ハァ……何言ってんの……明日の分だよ!!!(ブチギレ)
帰らせ~てください~、も~ぉ~イヤだぁ~、今夜はァ~帰りた~い、もう帰りたい~♪(氷雨の節で)
……えっ?既に帰ってるじゃねぇか、って?
ハァ……何言ってんの……明日の分だよ!!!(ブチギレ)
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