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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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誰もあなたの代わりになれはしないから
 オフコースの名曲「I LOVE YOU」の一節より。

 この曲が発表された時、私は中学生。最も多感で最も自分を持て余していて、未熟だけどもエネルギーだけは溢れていた、そういう年ごろです。愛とか恋とか性衝動とか、そういう未知の、自分の中で煮えたぎっているのに何ひとつまともに対峙できないものと日々格闘していたころですから、この歌詞も「愛とか恋とか或いは別の何かとか」の延長線上にあるものとして受け止めていたと思います。

 そんな思春期真っただ中の坊主も、月日の経過とともに青年に、社会人に、中年に、初老になっていって。

 絶え間ないグラデーションの奔流を過ぎて、今やこの言葉は全く違う響きを以て、私の耳と心に響くのです。そう言えばこの曲のバージョンの一つでは、間奏部分に「ジョンレノンの訃報を伝えるナレーション」が被せられていました。当時の自分は、あれは小田さん自身が多大な影響を受けたアーティストへの思いを、ダブルミーニングのような要素としておまけのように被せたのだ」と思っていましたが…今は自信がありませんね。決して代えが効かない大事な人。そんな人たちとの永遠のお別れを私自身がいくつも迎えてきた今になると、やり場のない気持ちが渦巻くような夜には、星や月に託して思いを飛ばしたいような激情に駆られたりもするのです。

 もちろん、飛ばしたところでその思いは決して何処にも行けないのでしょうが…それで「何処かに届けたような気になる」ことが罪だとは、私にはどうしても思えないのです。そのくらいの理不尽なロマンは、たまになら許してほしいのです。
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What The World Needs Now Is Love
 明日は高橋幸宏さんの月命日。訃報を受けてしばらくは、聞くのが辛くなってしまった時期もありましたが、今はまた再び、幸宏さんの曲に触れて彼を偲んだりしています。

 その幸宏さんが生前愛してやまなかったミュージシャン・バート・バカラックさんが、一昨日亡くなられたとの悲しい報せがありました。「雨にぬれても(Raindrops Keep Fallin' on My Head)」はあまりに有名ですが、その他にも素敵な曲をたくさん残された方です。

 今夜は、高橋幸宏さんがカバーしたバート・バカラックさんの曲、「What The World Needs Now Is Love」を聴きました。もう、泣きそうなくらい気持ちが揺さぶられるのに、何故だか涙が出ません。きっと、今は泣くときではないと、お二人がそう言っておられるのでしょう。そうですね、泣くよりもまだ、僕にはやることがあるのだという気がします。

 だったら、前に進まなくては、ね。世界は今、悲しみではなく愛を必要としているのだから。
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男!日本花吹雪 / スーパーエキセントリックシアター
 高橋幸宏プロデュースのアルバム「The Art Of Nipponomics」は、名盤であると個人的に思っております。YMOの散開記念オリジナルアルバムである「サーヴィス」も、YMOの音楽とスーパーエキセントリックシアターのギャグとのコラボレーションが楽しめるディスクではあるのですが、何分このアルバム「散開記念」だけあって、そこはかとなく寂しいのです。もう終わるんで、精いっぱいサーヴィスしますよ、とでも言いたげな…まさか無理に笑ってないかな、この人たち…と思ってしまう様な、そういう妙な寂寥感が「サーヴィス」にはあります。

 一方のこの「The Art Of Nipponomics」は、そういう寂しさとは無縁です。ギャグは(人によって合う・合わないはあるでしょうが)何処までもバカみたいに笑っていられます。そして、ギャグと合わせて提供されているいくつもの楽曲は、いずれも名義こそスーパーエキセントリックシアターですが、中身はもう「高橋幸宏」どっぷりなのです(注:一部、上野耕路氏の曲もありますが)。どの曲にもユーモアと言いますか、茶目っ気こそ溢れているものの、曲のど真ん中にちゃあんと芯が通っていて、じっくり腰を据えたリスニングにも十分に耐えうる曲ばかり。中でも「男!日本花吹雪」は傑出した出来栄えです。一言で表すなら、「正調・ド演歌テクノ」。いやもう、一体何をどうしたらこんな曲ができるのかと思うんですが、もう徹底して「ド演歌」であり「ドテクノ」なんですよ。バカバカしいのに、めちゃくちゃカッコイイ。初めて聞いたのは坂本龍一さんのラジオ番組・サウンドストリートでかかった時でしたが、程なくアルバムを通しで聞いてから今に至るまで、もうずっと大好きな曲です。

 惜しむらくはこのアルバム、単品では1990年にCDでリイシューされたのを最後に、現在廃盤なんですよね…。まりん監修で発売された2021年の高橋幸宏ベストアルバム「GRAND ESPOIR」には、Oh Le Beaux Japonais!のオリジナルカラオケバージョンのみ収録されるという実に通好みの選曲がされていましたが…アルバム全体でリマスターして再発されませんかしら?ねぇエラい人?お願い!
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人間の努力は長続きしない / 加藤登紀子
 80年代に坂本龍一プロデュースで発売されたアルバム「愛はすべてを赦す」の中の一曲。アルバム中の曲はすべて1920~30年頃の閉塞した空気のヨーロッパの曲たちで、それを日本語歌詞で加藤登紀子が歌っているのですが、一言二言では言い表し難い類の絶妙な魅力を持った一枚ですね。坂本龍一自身が弾くピアノ伴奏と加藤登紀子の歌だけのシンプルな構成の曲も多いですが、シンセ入りでアレンジされている曲もこの時期の坂本龍一にしては随分とおとなしめで、全体に音の数がすごく少ない印象があるのに、全く不足を感じず、とても心地よいバランスを保った稀有なアルバムだと思います。

 さて、「人間の努力は長続きしない」ですが、「所詮ダメですよ。人間だもの」みたいなどうしようもない歌詞を歌っているのに、曲調は全て突き抜けてしまったかのようにあっけらかんとしていて、妙に印象に残る曲です。全然共通点なんてないくせに、クレイジーキャッツの持つ毒と同系統の何かを感じるのは何故なんだろう。いや、毒というにはあまりにもあっさりしすぎかな。どうにもなんない状況なのに「いいから飲もうぜ!どうせダメなんだから!」みたいな。シニカル、或いは批評的というより、むしろ自暴自棄と言った方が正しいのかも知れません。

 まあ、そう言いたくなる時もあるよな…いいから飲もうぜ!どうせダメなんだから!(泣き笑い)
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REQUEST -30th Annivarsary Edition- / 竹内まりや
 大学生の頃によく聞いていたアルバムが、2017年に30周年記念ということでリマスタリングされて出ていたのをだいぶ前にレンタルで録ってあったのですが、その後ちゃんと聞いていなかったんです。このお正月に、「何にも縛られずに好きなことをやって過ごそう」としていたところ、たまたま気が向いてこのアルバムに手が伸びました。

 いやー…。名盤ですな。曲自体いいものばかりですが、竹内まりやさんもガチで歌が上手い方ですし、山下達郎さんのプロデュースで音作りも徹底されている上に最新技術でリマスタリングまでされているんですから、そりゃあ不満のあろうはずがない。どこを聴いても耳が幸せ過ぎて、至福の一言です。タマランチ会長ですよ、ええ。

 いやー…歌って、ホンットに、いいもんですね。
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